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抗菌剤クラビット錠等に大動脈瘤や大動脈解離の、C型肝炎治療薬のスンベプラ等に急性腎障害などの副作用―厚労省

2019.1.15.(火)

 クラビット錠など多くの抗菌剤に「大動脈瘤」「大動脈解離」、C型肝炎治療薬のスンベプラカプセルやダクルインザ錠などに「急性腎障害」などの新たな「重大な副作用」が判明した。リスクのある患者には慎重投与を行うとともに、必要な検査などを実施し、異常が見られた場合には投与を中止し、直ちに適切な対応を行う必要がある―。

厚生労働省は1月10日に通知「『使用上の注意』の改訂について」を発出し、こうした情報提供を行いました(厚労省のサイトはこちら)。

 
 今般、新たに重大な副作用などが判明したのは次の6医薬品です。厚労省は製薬メーカーに対して速やかに「使用上の注意」を改訂するよう指示しました。医療現場で極めて広範に使用されている薬剤もあり、薬剤部から院内各部門へ、迅速かつ適切な情報提供・共有が求められます。

(1)脊髄性筋萎縮症の治療に用いる「ヌシネルセンナトリウム」(販売名:スピンラザ髄注12mg)

▽新たな【重大な副作用】:水頭症

 
(2)根治切除不能または転移性の腎細胞がん治療に用いる「アキシチニブ」(販売名:インライタ錠1mg・同5mg)

▽新たな【重大な副作用】:間質性肺疾患

 
(3)▼多発性骨髄腫▼5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群▼再発または難治性の成人T細胞白血病リンパ腫―の治療に用いる「レナリドミド水和物」(販売名:レブラミドカプセル2.5mg・同5mg)

▽新たな【重大な副作用】:進行性多巣性白質脳症(PML)(本剤投与中および投与終了後は患者の状態を十分に観察し、▼意識障害▼認知障害▼麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)▼言語障害―などの症状が現れた場合は、MRIによる画像診断および脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行う)

 
(4)抗菌剤の「オフロキサシン(経口剤)」(販売名:タリビッド錠100mg他、後発品あり)、「メシル酸ガレノキサシン水和物」(販売名:ジェニナック錠200mg)、「シプロフロキサシン」(販売名:シプロキサン注200mg・同400mg、ほか後発品多数)、「トスフロキサシントシル酸塩水和物(経口剤)(小児の用法・用量を有する製剤)」(販売名:オゼックス細粒小児用15%、オゼックス錠小児用60mg、ほか後発品多数)、「パズフロキサシンメシル酸塩」(販売名:パシル点滴静注液300mg・同500mg・同1000mg、パズクロス点滴静注液300mg・同500mg・同1000mg)、「モキシフロキサシン塩酸塩(経口剤)」(販売名:アベロックス錠400mg)、「レボフロキサシン水和物(経口剤、注射剤)」(販売名:クラビット錠250mg・同500mg、クラビット細粒10%、クラビット点滴静注バッグ500mg/100mL、クラビット点滴静注500mg/20mL、ほか後発品多数)、「塩酸ロメフロキサシン(経口剤)」(販売名:バレオン錠200mg、バレオンカプセル100mg)

▽【慎重投与】の項に、▼大動脈瘤または大動脈解離を合併している患者▼大動脈瘤または大動脈解離の既往、家族歴もしくはリスク因子(マルファン症候群等)を有する患者―を追記する

▽【重要な基本的注意】の項に、「大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、▼腹部▼胸部▼背部―に痛みなどの症状が現れた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導する。▼大動脈瘤または大動脈解離を合併している患者▼大動脈瘤または大動脈解離の既往、家族歴もしくはリスク因子を有する患者―では、必要に応じて画像検査の実施も考慮する」旨を追記する

▽新たな【重大な副作用】:大動脈瘤、大動脈解離

 
(5)抗菌剤の「シタフロキサシン水和物」(販売名:グレースビット錠50mg、グレースビット細粒10%、後発品あり)、「シプロフロキサシン塩酸塩水和物」(販売名:シプロキサン錠100mg・同200mg、ほか後発品多数)、「トスフロキサシントシル酸塩水和物(経口剤)(小児の用法・用量を有しない製剤)」(販売名:オゼックス細粒小児用15%、オゼックス錠小児用60mg、ほか後発品多数)、「ノルフロキサシン(経口剤)」(販売名:バクシダール錠100mg・同200mg、ほか後発品多数)、「プルリフロキサシン」(販売名:スオード錠100)

▽【慎重投与】の項に、▼大動脈瘤または大動脈解離を合併している患者▼大動脈瘤または大動脈解離の既往、家族歴もしくはリスク因子(マルファン症候群等)を有する患者―を追記する

▽【重要な基本的注意】の項として、「大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、▼腹部▼胸部▼背部―に痛みなどの症状が現れた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導する。▼大動脈瘤または大動脈解離を合併している患者▼大動脈瘤または大動脈解離の既往、家族歴もしくはリスク因子を有する患者―では、必要に応じて画像検査の実施も考慮する」旨を新設する

▽新たな【重大な副作用】:大動脈瘤、大動脈解離

 
(6)セログループ1(ジェノタイプ1)C型肝炎等の治療薬である「アスナプレビル」(販売名:スンベプラカプセル100mg)、「ダクラタスビル塩酸塩」(販売名:ダクルインザ錠60mg)、「ダクラタスビル塩酸塩・アスナプレビル・ベクラブビル塩酸塩」(販売名:ジメンシー配合錠)

▽【重要な基本的注意】の項に、「急性腎障害等の腎機能障害が現れることがあり、定期的に腎機能検査を行うなど、観察を十分に行う」旨を追記する

▽新たな【重大な副作用】:腎機能障害(急性腎障害など)
 
 
 
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