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260324ミニセミナー診療報酬改定セミナー2026

【2026年度診療報酬改定答申14】連携型の機能強化型在支診、「自院の医師による往診」体制がない場合には点数を引き下げ

2026.2.25.(水)

2026年度の次期診療報酬改定に向けて、2月13日に開催された中央社会保険医療協議会・総会において、新点数や新施設基準等の概要が明らかになりました。

●2026年度診療報酬関係の資料(告示内容等)はこちら(中医協資料)

Gem Medでは何回かに分けて答申内容、つまり新点数・新施設基準の大枠を眺めていきます(詳細は3月5日予定の告示(点数表や施設基準)、解釈通知等を待つ必要があります)。本稿では「在宅医療」に焦点を合わせます(訪問看護は別稿)(関連記事はこちら)。

▽急性期入院医療に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)
▽包括期入院医療の代表格である地域包括医療病棟と地域包括ケア病棟に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)
▽物価・賃上げ対応のため「基本診療料アップ」「物価対応料の新設」「ベースアップ評価料の拡充」の記事はこちら
▽一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に関する記事はこちら(答申)こちら(内容見直し)
▽ICUなどの高度急性期入院医療に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)
▽医療DX、サイバーセキュリティ対策に関する記事は こちら(答申)こちら(短冊)
▽「外科医・外科症例の集約化」に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)
▽身体的拘束最小化、医療安全対策に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)
▽回復リハビリ病棟に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)こちら(短冊)
▽リハ・栄養・口腔管理の一体的取り組み等に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)こちら(短冊)
▽救急医療に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)
▽がん医療に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)
▽かかりつけ医機能に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)

在宅医療で積極的役割を担う在支診・病を評価する加算、点数を2倍以上に引き上げ

在宅医療に関しては、これまでの診療報酬改定と同様に「量の拡充」(より多くの医療機関に在宅医療提供を求める)と「質の向上」(より適切かつ質の高い在宅医療提供を求める)を目指しています。高齢化の進展に伴い、今後、日本全国で「在宅医療のニーズ」が高まっていき、地域で「24時間の在宅医療提供体制確保」などを進めることが強く求められているためです(関連記事はこちら)。

具体的には、既に見たように次のような対応が行われます。

(1) 在宅医療において積極的役割を担う医療機関(関連記事はこちら)をさらに評価する観点から【在宅緩和ケア充実診療所・病院加算】を見直す

(2)地域における「24時間の在宅医療提供体制」を面で支える取り組みをさらに推進する観点から【往診時医療情報連携加算】を見直す

(3)地域の24時間医療提供体制を支える医療機関をさらに評価する観点から【連携型機能強化型在宅療養支援診療所】を見直す

(4)災害時における在宅患者への診療体制を確保する観点から【在宅療養支援診療所・病院】を見直す

(5)患者の医療・介護状態を踏まえた「適切な訪問診療」提供を推進する観点、安心・安全な医療提供体制を確保する観点から、【在宅時医学総合管理料】【施設入居時等医学総合管理料】【在宅療養支援診療所・病院】を見直す

(6)患家における「残薬の整理」「適切な服薬管理」を推進する観点から、【在宅時医学総合管理料】【施設入居時等医学総合管理料】【地域包括診療加算】を見直し、指定訪問看護の運営基準で残薬対策に係る取り組みを明確化する

(7)へき地における在宅医療提供体制を確保する観点から、【在宅時医学総合管理料】【施設入居時等医学総合管理料】を見直す



(1)の【在宅緩和ケア充実診療所・病院加算】は、「機能強化型の在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院(以下、在支診・病)」の中でも、「過去1年間の緊急往診15件以上、かつ看取り20件以上」など、より積極的に在宅医療を提供する医療機関を評価する加算です(往診料、在宅患者訪問診療料、在宅時医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料、在宅がん医療総合診療料に加算)。

医療計画等における「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」(関連記事はこちら)を評価する診療報酬と言え、さらに積極的な役割を担ってもらうために、本加算が次のように見直されます(なお、在宅療養実績加算について見直しが行われない)。

▽名称を【在宅医療充実体制加算】に見直す

▽以下のように点数を引き上げる
【往診料】
・注3の在宅医療充実体制加算:2000点(現在よりも1000点アップ)
・注8の在宅医療充実体制加算:200点(同100点アップ)

【在宅患者訪問診療料(I)】
・注6の在宅医療充実体制加算:2000点(同1000点アップ)

【在宅患者訪問診療料(II)】
・注5の在宅医療充実体制加算:2000点(同1000点アップ)

【在宅時医学総合管理料】
・注7の「イ」在宅医療充実体制加算
(1)単一建物診療患者が1人の場合:800点(同400点アップ)
(2)単一建物診療患者が2人以上9人以下の場合:400点(同200点アップ)
(3)単一建物診療患者が10人以上19人以下の場合:200点(同100点アップ)
(4)単一建物診療患者が20人以上49人以下の場合:170点(同85点アップ)
(5)(1)から(4)まで以外の場合:150点(同75点アップ)

【施設入居時等医学総合管理料】
・注3の「イ」在宅医療充実体制加算
(1)単一建物診療患者が1人の場合:600点(同300点アップ)
(2)単一建物診療患者が2人以上9人以下の場合:300点(同150点アップ)
(3)単一建物診療患者が10人以上19人以下の場合:150点(同75点アップ)
(4)単一建物診療患者が20人以上49人以下の場合:128点(同65点アップ)
(5)(1)から(4)まで以外の場合:113点(同57点アップ)

【在宅がん医療総合診療料】
・注5の在宅医療充実体制加算:300点(同150点アップ)



なお、点数の引き上げ(2倍あるいは、それ以上)に伴って「施設基準の厳格化」が行われます。答申時点では「地域の重症な在宅患者に対し質の高い診療を行うにつき十分な体制が整備され、相当の実績を有していること」とされているのみで、具体的な緊急往診や看取りの件数基準は3月5日予定の通知等を待つ必要があります。

【往診時医療情報連携加算】の連携対象を拡大

(2)の【往診時医療情報連携加算】は、在支診・病が「連携する他医療機関が計画的な医学的管理の下に、主治医として定期的に訪問診療を行っている患者」(言わば、他医療機関の「かかりつけの在宅療養患者」)に対し、往診を行うことを評価するものです。例えば1人医師のAクリニックが夜間等に「かかりつけの患者に往診を行えない」場合に、その医療機関と情報連携をした別のB在支診・病が患者に往診を行うケースなどが想定されます。

現在、「連携する医療機関」(上記例ではAクリニック)は「在支診・病以外の医療機関」と規定されていますが、上記のような取り組みをさらに拡大することを狙って、2026年度診療報酬改定では「機能強化型の在宅支・病以外の医療機関」に拡大します。

現在は、「一般の在支診・病」が上記例のAクリニックの立場になることはできませんが、見直しによって「一般の在支診・病」がAクリニックの立場となり、他の在支診・病と連携して「24時間の手厚い往診体制」を地域で構築できるようになります。

連携型の機能強化型在支診、「自院での往診体制」を確保しない場合には点数を引き下げ

(3)の連携型の機能強化型在支診は、名称どおり「他の医療機関と連携して、機能強化型在支診の基準(24時間往診など)を満たす」ものです。

ただし「同じ連携型・機能強化型在支診」であっても、取り組み状況にはバラつきがあることから、次のように評価を区分することになります。

【連携型・機能強化型在支診の「イ」】
●他の保険医療機関(診療所または許可病床数200床(医療資源の少ない地域では180床)未満の病院に限る)と地域における在宅療養の支援に係る連携体制を構築している保険医療機関である診療所で、次のいずれの基準にも該当する
▽当該診療所および当該連携体制を構成する他医療機関において「在宅医療を担当する常勤の医師」を合わせて3名以上配置
▽当該連携体制を構成する他医療機関との連携により「24時間連絡を受ける保険医または看護職員」をあらかじめ指定し、その連絡先を文書で患家に提供する
▽当該連携体制を構成する他医療機関との連携により「患家の求めに応じて24時間往診が可能な体制」を確保し、往診担当医の氏名、担当日等を文書により患家に提供する
→また「当該医療機関で往診が可能な体制を一定時間確保」する
→ただし、医療資源の少ない地域の診療所では「看護師等といる患者に対して情報通信機器を用いた診療を行うこと(D to P with N、関連記事はこちら)が24時間可能な体制を確保し、担当医・担当看護師等の氏名、担当日等を文書で患家に提供する」ことでも可

▽当該診療所で、または当該連携体制を構成する他医療機関、もしくは訪問看護ステーションとの連携により、患家の求めに応じて「当該診療所の保険医の指示に基づき24時間訪問看護提供が可能な体制」を確保し、訪問看護の担当者の氏名、担当日等を文書で患家に提供する

▽当該診療所又は当該連携体制を構成する他医療機関において、「緊急時に在宅療養患者が入院できる病床」を常に確保し、受入医療機関の名称等をあらかじめ地方厚生局長等に届け出る
→当該診療所・当該連携体制を構成する他医療機関のいずれも病床を有しない場合には、別医療機関との連携により「必要な緊急時の病床の確保」等を行う

▽連携医療機関・訪問看護ステーションにおいて緊急時に円滑な対応ができるよう、あらかじめ患家の同意を得て「療養等に必要な情報」を文書で当該医療機関・訪問看護ステーションに提供できる体制をとる
▽患者に関する診療記録管理を行うにつき必要な体制を整備している
▽当該地域において、他の保健医療サービス・福祉サービスとの連携調整を担当する者と連携する
▽定期的に、在宅看取り数等を地方厚生局長等に報告する
▽緊急往診・在宅における看取り等について、当該連携体制を構成する他医療機関と合わせて「相当の実績」を有している
▽主として往診または訪問診療を実施する診療所では、次のいずれにも該当する
・他医療機関から文書による紹介を受けた患者の訪問診療について「相当の実績」を有している
・看取り等について「十分な実績」を有している
・施設入居者等以外の患者の診療、重症患者の診療について「相当の実績」を有している

▽当該診療所において、適切な意思決定支援に関する指針を定めている
▽訪問栄養食事指導を行うことが可能な体制をとっている
▽介護保険施設等との協力が可能な体制をとっている
▽訪問診療の回数が一定数以上の場合には【在宅データ提出加算】を取得している

【連携型・機能強化型在支診の「ロ」】
●他の保険医療機関(診療所または許可病床数200床(医療資源の少ない地域では180床)未満の病院に限る)と地域における在宅療養の支援に係る連携体制を構築している保険医療機関である診療所で、次のいずれの基準にも該当する
▽当該診療所および当該連携体制を構成する他医療機関において「在宅医療を担当する常勤の医師」を合わせて3名以上配置
▽当該連携体制を構成する他医療機関との連携により「24時間連絡を受ける保険医または看護職員」をあらかじめ指定し、その連絡先を文書で患家に提供する
▽当該連携体制を構成する他医療機関との連携により、「患家の求めに応じて24時間往診が可能な体制」を確保し、往診担当医の氏名、担当日等を文書により患家に提供する
→ただし、医療資源の少ない地域の診療所では、「看護師等といる患者に対して情報通信機器を用いた診療(D to P with N、関連記事はこちら)を行うことが24時間可能な体制」を確保し、担当医・担当看護師等の氏名、担当日等を文書で患家に提供する」ことでも可

▽当該診療所で、または当該連携体制を構成する他医療機関、もしくは訪問看護ステー ションとの連携により、患家の求めに応じて「当該診療所の保険医の指示に基づき24時間訪問看護提供が可能な体制」を確保し、訪問看護の担当者の氏名、担当日等を文書で患家に提供する
▽当該診療所または当該連携体制を構成する他医療機関において、「緊急時に在宅療養患者が入院できる病床」を常に確保し、受入医療機関の名称等をあらかじめ地方厚生局長等に届け出る
→当該診療所・当該連携体制を構成する他医療機関のいずれも病床を有しない場合には、別医療機関との連携により「必要な緊急時の病床の確保」等を行う

▽連携医療機関・訪問看護ステーションにおいて緊急時に円滑な対応ができるよう、あらかじめ患家の同意を得て「療養等に必要な情報」を文書で当該医療機関・訪問看護ステーションに提供できる体制をとる
▽患者に関する診療記録管理を行うにつき必要な体制を整備している
▽当該地域において、他の保健医療サービス・福祉サービスとの連携調整を担当する者と連携する
▽定期的に、在宅看取り数等を地方厚生局長等に報告する
▽緊急往診・在宅における看取り等について、当該連携体制を構成する他医療機関と合わせて「相当の実績」を有している
▽主として往診または訪問診療を実施する診療所では、次のいずれにも該当する
・他医療機関から文書による紹介を受けた患者の訪問診療について「相当の実績」を有している
・看取り等について「十分な実績」を有している
・施設入居者等以外の患者の診療、重症患者の診療について「相当の実績」を有している

▽当該診療所において、適切な意思決定支援に関する指針を定めている
▽訪問栄養食事指導を行うことが可能な体制をとっている
▽介護保険施設等との協力が可能な体制をとっている
▽訪問診療の回数が一定数以上の場合には【在宅データ提出加算】を取得している



両者の違いは、「自院で往診が可能な体制を一定時間確保する」かどうかです(イでは確保が求められるが、ロでは求められない)。

より具体的には、「イ」の在支診には、「当該医療機関で普段から訪問診療等を行う医師(往診担当日の前日またはそれ以前において当該医療機関の診療録を閲覧できる医師で、必要に応じて往診対象となる患者の診療方針等について訪問診療を行う医師と共有している、当該医療機関からの往診経験を10回以上有する往診担当医師を含む)による、連続する24時間の往診体制等を月に4回以上確保している」ことが求められます。



次のように、「自院で往診が可能な体制を一定時間確保するイの在支診」では、「そうでないロの在支診」に比べて【在宅時医学総合管理料】、【施設入居時等医学総合管理料】が高く設定されます(自院で往診体制を敷かないロの在支診では、機能強化型でない一般の在支診の点数を算定することになる見込み)。

「現在の点数、収益を維持する」ためには、往診を「他院等の医師」に任せるのではなく、「自院の医師」で担うことが必要となります(関連記事はこちら

【在宅時医学総合管理料】
▽月2回以上訪問(難病等)
・単一建物診療患者1人:イでは4985点、ロでは4585点
・単一建物診療患者2―9人:イでは4125点、ロでは3765点
・単一建物診療患者10-19人:イでは2625点、ロでは2385点
・単一建物診療患者20-49人:イでは2205点、ロでは2010点
・単一建物診療患者50人以上:イでは1935点、ロでは1765点

▽月2回以上訪問
・単一建物診療患者1人:イでは4085点、ロでは3685点
・単一建物診療患者2―9人:イでは2185点、ロでは1985点
・単一建物診療患者10-19人:イでは1085点、ロでは985点
・単一建物診療患者20-49人:イでは970点、ロでは875点
・単一建物診療患者50人以上:イでは825点、ロでは745点

▽月2回以上訪問で、うち1回がオンライン訪問を行う場合
・単一建物診療患者1人:イでは2774点、ロでは2554点
・単一建物診療患者2―9人:イでは1550点、ロでは1450点
・単一建物診療患者10-19人:イでは805点、ロでは765点
・単一建物診療患者20-49人:イでは720点、ロでは679点
・単一建物診療患者50人以上:イでは611点、ロでは578点

▽月1回訪問
・単一建物診療患者1人:イでは2505点、ロでは2285点
・単一建物診療患者2―9人:イでは1365点、ロでは1265点
・単一建物診療患者10-19人:イでは705点、ロでは665点
・単一建物診療患者20-49人:イでは615点、ロでは570点
・単一建物診療患者50人以上:イでは525点、ロでは490点

▽月1回訪問で、うち2月目はオンライン訪問を行う場合
・単一建物診療患者1人:イでは1380点、ロでは1270点
・単一建物診療患者2―9人:イでは768点、ロでは718点
・単一建物診療患者10-19人:イでは395点、ロでは375点
・単一建物診療患者20-49人:イでは344点、ロでは321点
・単一建物診療患者50人以上:イでは292点、ロでは275点

【施設入居時等医学総合管理料】
▽月2回以上訪問(難病等)
・単一建物診療患者1人:イでは3585点、ロでは3285点
・単一建物診療患者2―9人:イでは2955点、ロでは2685点
・単一建物診療患者10-19人:イでは2625点、ロでは2385点
・単一建物診療患者20-49人:イでは2205点、ロでは2010点
・単一建物診療患者50人以上:イでは1935点、ロでは1765点

▽月2回以上訪問
・単一建物診療患者1人:イでは2885点、ロでは2585点
・単一建物診療患者2―9人:イでは1535点、ロでは1385点
・単一建物診療患者10-19人:イでは1085点、ロでは985点
・単一建物診療患者20-49人:イでは970点、ロでは875点
・単一建物診療患者50人以上:イでは825点、ロでは745点

▽月2回以上訪問で、うち1回がオンライン訪問を行う場合
・単一建物診療患者1人:イでは2054点、ロでは1894点
・単一建物診療患者2―9人:イでは1160点、ロでは1090点
・単一建物診療患者10-19人:イでは805点、ロでは765点
・単一建物診療患者20-49人:イでは720点、ロでは679点
・単一建物診療患者50人以上:イでは611点、ロでは578点

▽月1回訪問
・単一建物診療患者1人:イでは1785点、ロでは1625点
・単一建物診療患者2―9人:イでは975点、ロでは905点
・単一建物診療患者10-19人:イでは705点、ロでは665点
・単一建物診療患者20-49人:イでは615点、ロでは570点
・単一建物診療患者50人以上:イでは525点、ロでは490点

▽月1回訪問で、うち2月目はオンライン訪問を行う場合
・単一建物診療患者1人:イでは1020点、ロでは940点
・単一建物診療患者2―9人:イでは573点、ロでは538点
・単一建物診療患者10-19人:イでは395点、ロでは375点
・単一建物診療患者20-49人:イでは344点、ロでは321点
・単一建物診療患者50人以上:イでは292点、ロでは275点

大災害の中でも在宅医療提供を可能とするため、在支診・病には「BCP策定」を義務化

(4)では在支診・病の施設基準に「業務継続計画(BCP)の策定、定期的な見直しを行う」ことを追加します。

近年、大規模な災害が相次いで本邦を襲い、そうした中でも「在宅医療提供」の継続確保が必要なためです。

なお、本年(2026年)3月31日時点で現に在支診・病を届け出ている医療機関は「来年(2027年)5月31日までは、本要件を満たすと見做す」との経過措置が設けられます。1年間でBCP策定等を進めることが求められます。



また(5)では、【在宅時医学総合管理料】、【施設入居時等医学総合管理料】、在支診・病について次のような見直しを行います。言わば「適切な在宅医療の提供を求める」ための要件厳格化です。

▽在医総管・施設総管における「月2回以上訪問診療を行っている場合」(難病等を除く)を算定する場合には、▼特掲診療料の施設基準等別表第8の2(末期がん、スモン、指定難病など)▼特掲診療料の施設基準等第8の3(要介護3以上、頻回な訪問介護など)—の患者数が「月2回以上の訪問診療を行う患者数」の一定割合以上であることを要件とする(月2回訪問による高い点数の在医総管等算定は、重症患者対応をしっかり行っている医療機関に限定するイメージ)

▽在支診・病について「第三者(株式会社等)の利用によって24時間連絡体制・往診体制を確保する場合」には、「患者または、その看護を行う家族に、提供する連絡先をコールセンター等が担う旨をあらかじめ説明する」「やむを得ない事由により患家に事前に氏名を提供していない往診医が往診する場合でも、当該往診医は往診日以前に当該医療機関で『当該医療機関の在宅医療を担当する常勤医師と事前に面談し、診療方針等の共有を行っている者』に限られる」(それ以外の者の往診は、在支診・病の「往診が可能な体制の確保」には該当しない)ことを明確化する



さらに(6)では、患家における「残薬の整理」「適切な服薬管理」のために次のような対応が行われます。在宅におけるポリファーマシー対策の一環と言えるでしょう(関連記事はこちら)。

▽在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料について、「診療の際、患家における残薬を確認した上で適切な服薬管理を行う」ことを要件とする

▽地域包括診療加算・地域包括診療料について「診療の際、患家における残薬を確認した上で適切な服薬管理を行う」ことを要件とする(関連記事はこちら

▽地域包括診療加算・地域包括診療料の算定患者への処方薬を把握・管理する手段の1つとして「電子処方箋システムの活用」が含まれることを明確化する(関連記事はこちら

▽指定訪問看護の提供に当たり「服薬状況(残薬の状況を含む)の確認も含めて利用状況等の把握を行う必要がある」ことを明確化する
→服薬状況については、「主治医への情報提供」「薬局への情報提供」が望ましい



さらに(7)では、へき地における在宅医療提供体制を確保する観点から、在宅医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料における「在宅医療を担当する常勤医師が勤務し、継続的に訪問診療等を行うことができる体制の確保」要件について、へき地診療所では「在宅医療担当医師が、緊急時の連絡体制・24時間診療体制の確保において『当該へき地診療所と連携する、へき地医療拠点病院、または医療提供機能連携確保加算(2026年度改定で新設、人口20万人未満かつ人口密度が200人/平方km未満の2次医療圏・離島等で、地域の外来・在宅診療体制確保支援を行い、病状急変等で緊急入院が必要となった患者を受け入れる体制を有する医療機関の入院医療提供を評価する)を算定する別の医療機関』にも勤務する場合においては、常勤でなくても良い」との柔軟措置が設けられます。



詳細については、算定要件や施設基準の再確認が必要であり、3月5日予定の告示・通知を待つ必要があります。



このほか在宅医療関連として次のような見直しも行われます。

▽以下の患者が退院した直後に、入院医療機関の管理栄養士が患家等を訪問し、患者・家族等の退院後に患者の在宅療養支援に当たる者へ「退院後の在宅における栄養管理や食生活に関する指導」を行うことを、新たに【退院後訪問栄養食事指導料】(530点、退院から1か月以内(退院日を除く)の期間に限り4回を限度)として評価する(外来栄養食事指導料、在宅患者訪問栄養食事指導料との併算定不可)

【対象患者】
→疾病治療の直接手段として、医師の発行する食事箋に基づき提供された適切な栄養量・内容を有する別表第3に掲げる特別食を必要とする患者、がん患者、摂食機能もしくは嚥下機能が低下した患者、または低栄養状態にある患者

(別表第3:退院後訪問栄養食事指導料に規定する特別食)
・腎臓食
・肝臓食
・糖尿食
・胃潰瘍食
・貧血食
・膵臓食
・脂質異常症食
・痛風食
・てんかん食
・フェニールケトン尿症食
・楓糖尿症食
・ホモシスチン尿症食
・尿素サイクル異常症食
・メチルマロン酸血症食
・プロピオン酸血症食
・極長鎖アシル-CoA脱水素酵素欠損症食
・糖原病食
・ガラクトース血症食
・治療乳
・無菌食
・小児食物アレルギー食
・特別な場合の検査食(単なる流動食・軟食を除く)



▽全ての【在宅療養指導管理材料加算】について、算定要件を「3か月に3回」に統一する

▽医師と薬剤師の同時訪問を【訪問診療薬剤師同時指導料】(300点、6か月に1回算定可、医科)と【訪問薬剤管理医師同時指導料】(150点、6か月に1回算定可、調剤)で新たに評価する



なおGem Medではオンラインの改定セミナーで詳細な解説も行っています。是非、ご活用ください。



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【2026年度診療報酬改定答申2】地域包括医療病棟を「3367-3066点」の6区分に細分化、ADL低下割合などの基準柔軟化も
【2026年度診療報酬改定答申1】急性期Aは1930点、多職種7対1急性期Bは1898点、急性期1と多職種7対1急性期4は1874点
「救急外来での患者受け入れ」「高齢救急患者の転院搬送(下り搬送)」の充実目指し、診療報酬の評価も拡充―中医協総会(7)
入退院支援加算を充実(一部点数の引き上げ、算定対象の拡大)、療養病棟の医療区分2・3の対象患者を拡大―中医協総会(6)
訪問看護ステーションが隣接等の高齢者住まい居住者に行う訪問看護を「1日当たり包括」療養費で評価―中医協総会(5)
2026年度診療報酬改定でも、「適切な形の在宅医療」が量・質の双方で拡大することを目指した対応図る―中医協総会(4)
【母体・胎児集中治療室管理料】、医師配置要件を「緩和」するとともに、新たに診療実績の施設基準を設定―中医協総会(3)
HBOC患者の血縁者に「乳がん・卵巣がんが発症する前の遺伝子検査・指導」を保険診療の中で実施可能とする―中医協総会(2)
近く答申!大規模急性期病院評価の急性期病院A・B双方で「介護施設からの救急搬送」は原則カウントせず―中医協総会(1)
身体拘束最小化状況を「体制」と「実績」でチェック、組織的に拘束最小化に取り組む地域包括ケア病棟等に新加算―中医協総会(4)
リハビリ実績指数の考え方見直し、早期リハビリ加算の算定日数を「入院から14日まで」に制限し、初期点数を増点―中医協総会(3)
医療DX体制評価を【電子的診療情報連携体制整備加算】に改組、入院加算ではサイバーセキュリティ対策要件を課す―中医協総会(2)
オンライン診療の適正推進に向け、施設基準厳格化、D to P with Nの看護師業務評価、遠隔連携診療料拡充など実施―中医協総会(1)
消化器外科医師等に対し負担軽減・特別手当支給など行う特定機能病院等、入院基本料と高難度の手術料に加算—中医協総会(7)
かかりつけ医機能のさらなる推進、外来医療の機能分化に向けた対応を図るが、支払側委員は「不満」—中医協総会(6)
ICT利活用・適切な業務遂行等の厳格な要件を前提として「看護職員や医師事務作業補助者の柔軟配置」を認める—中医協総会(5)
回復期リハ1に新加算創設、より多くの急性期・包括期病棟で「リハ・栄養管理・口腔管理の一体的取り組み」促す—中医協総会(4)
地域包括医療病棟、「急性期病棟併設の有無・救急/予定入院・手術の有無に応じた点数の区分」を行う—中医協総会(3)
ICU・HCUに「病院の救急搬送、全身麻酔手術の実績」基準、ユニット専任医師の宿日直許可要件を緩和—中医協総会(2)
「地域の急性期医療の拠点」病院を評価する【急性期病院一般入院料】を新設、病院単位での救急搬送・手術実績が要件に―中医協総会(1)
病院の機能別に「入院料の引き上げ」などを行い、物価上昇分に過不足ない形で対応・支援する—中医協総会(3)
病院(入院)での賃上げに向け「入院料の引き上げ」+「2026・27年度のベースアップ評価料」で対応しては―中医協総会(2)
看護必要度でA・C項目追加や救急受け入れ加算の方向固める、「該当患者割合の基準値」をどこまで厳格化すべきか―中医協総会(1)
2026年度診療報酬改定の「項目整理」論議始まる!診療報酬で物価・賃上げ対応、病院の機能分化など推進―中医協総会(2)
物価高騰へ「入院料や初・再診料などの引き上げ+新点数」で対応、急性期病院の機能に応じた手厚い対応も―中医協総会(1)
2026年度診療報酬改定、支払側は「病院機能の分化」等を進めよと、診療側は「医療機関経営の安定」確保せよと強調—中医協(1)
外来医師「過多」区域での新規開業医、「地域で不足する機能」を提供しない場合に診療報酬上のペナルティを課すべきか―中医協総会
「2026→27年度」と物価・人件費が高騰する点踏まえ2026年度2.41%、27年度3.77%の診療報酬本体引き上げ―上野厚労相(1)