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260324ミニセミナー診療報酬改定セミナー2026

【2026年度診療報酬改定答申16】適正なオンライン診療推進の鍵となるD to P with N、場合分けして診療報酬・訪問看護療養費で評価

2026.2.27.(金)

2026年度の次期診療報酬改定に向けて、2月13日に開催された中央社会保険医療協議会・総会において、新点数や新施設基準等の概要が明らかになりました。

●2026年度診療報酬関係の資料(告示内容等)はこちら(中医協資料)

Gem Medでは何回かに分けて答申内容、つまり新点数・新施設基準の大枠を眺めていきます(詳細は3月5日予定の告示(点数表や施設基準)、解釈通知等を待つ必要があります)。本稿では「オンライン診療」に焦点を合わせます(関連記事はこちら)。

▽急性期入院医療に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)
▽包括期入院医療の代表格である地域包括医療病棟と地域包括ケア病棟に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)
▽物価・賃上げ対応のため「基本診療料アップ」「物価対応料の新設」「ベースアップ評価料の拡充」の記事はこちら
▽一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に関する記事はこちら(答申)こちら(内容見直し)
▽ICUなどの高度急性期入院医療に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)
▽医療DX、サイバーセキュリティ対策に関する記事は こちら(答申)こちら(短冊)
▽「外科医・外科症例の集約化」に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)
▽身体的拘束最小化、医療安全対策に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)
▽回復リハビリ病棟に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)こちら(短冊)
▽リハ・栄養・口腔管理の一体的取り組み等に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)こちら(短冊)
▽救急医療に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)
▽がん医療に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)
▽かかりつけ医機能に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)
▽在宅医療に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)
▽訪問看護に関する記事はこちら(答申)こちら(短冊)

適正なオンライン診療の推進に向け、オンライン診療実施する場合の施設基準を厳格化

オンライン診療については、本年(2026年)4月から法制化も行われるなど、「適正な形での推進」が極めて重要テーマとなります(オンライン診療が、どの医療機関でどのような形で行われているのかを可視化し、不適切なものへは都道府県による指導等が行われる)。

2026年度診療報酬改定でも、「適正な形でのオンライン診療」を推進するため、次のような見直しが行われます。

(1)情報通信機器を用いた診療(オンライン診療)の施設基準に、▼チェックリストのウェブサイト等への掲示▼医療広告ガイドラインの遵守▼向精神薬処方時の電子処方箋管理サービスによる重複投薬等チェック等による薬剤情報の把握を追加する

(2)オンライン医学管理を行う患者について、電子処方箋システムを活用して「重複投薬等チェック」を実施することなどを、新たに【遠隔電子処方箋活用加算】で評価する

(3)D to P with N のオンライン診療の評価の明確化

(4)遠隔連携診療料の評価の拡大



(1)はオンライン診療を実施するにあたっての施設基準を厳格化し、適正な推進を目指すものです。具体的には次のような基準を新たに満たすことが求められます。

▽向精神薬を適正に使用するために必要な体制を整備する(一部に「オンライン診療で不適切な向精神薬処方等が行われている」可能性があるため)
→具体的には、向精神薬を処方するに当たって「電子処方箋管理サービスによる重複投薬等チェック」を行うことを求める
→ただし、電子処方箋システムを有していない場合には、2028年5月31日までの間に限り▼オンライン資格確認等システム▼医療機関間で電子的に医療情報を共有するネットワーク―のいずれかで薬剤情報を確認することも可能

▽以下について自院のウェブサイト(ホームページなど)に掲示する(自院が「適正にオンライン診療を行っている」ことを自ら証明する)
▼情報通信機器を用いた診療の「初診」(初診でのオンライン診療)では「向精神薬の処方は行わない」旨
▼自院の対応状況を記入した「オンライン診療指針」の遵守の確認をするためのチェックリスト(指針、チェックリストは今後見直される、関連記事はこちら

「医業若しくは歯科医業又 は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」(医療広告ガイドライン)を遵守する
▽また自院のウェブサイト(ホームページ等)の作成にあたり「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」を参考にする(一部に「不適切なオンライン診療に関する広告」が見られるため)

電子処方箋によるリアルタイムの「向精神薬の重複投薬チェック」を加算で評価

(2)は、リアルタイムで薬剤処方の状況を確認できる「電子処方箋」(オンライン資格確認等システムでのレセプト情報チェックでは1か月程度のタイムラグが出てしまう)で「最新の当該患者に処方されている薬剤情報」を確認した上で重複投薬等チェックを実施し、患者が調剤を希望する保険薬局と連携して電子処方箋を発行することを新たに診療報酬で評価します。

(新)遠隔電子処方箋活用加算:10点



要件等は次のように規定されますが、詳細は3月5日予定の告示・通知を待つ必要があります。

【対象患者】
→情報通信機器を用いた医学管理等(オンライン医学管理料)を算定する患者

【算定要件】
▽一定の施設基準を満たす医療機関で、情報通信機器を用いた診療(オンライン診療)の際に「電子処方箋」を発行した場合に、月に1回に限り、10点を所定点数(オンライン医学管理料等の点数)に加算する

▽本加算は、情報通信機器を用いた医学管理(オンライン医学管理)を実施し、次の「アからウまでの全て」を満たした場合に月に1回に限り算定できる
ア 電子処方箋システムにより薬剤情報を確認し重複投薬等チェックを実施する
イ 患者に対し事前に調剤する薬局を聴取し、当該薬局の電子処方箋の対応状況を確認する
ウ 電子処方箋(引換番号が印字された紙の処方箋を除く)を発行する

【施設基準】
▽電磁的記録をもって作成された処方箋(電子処方箋)の発行体制を有していること



オンライン診療をはしご受診して「多量の向精神薬」等を入手し、悪用する患者がいるとともに、こうした患者に安易に「向精神薬を処方する」医療機関もあります。

リアルタイムに処方情報を確認できる電子処方箋を活用すれば「この患者には、直近に他院で向精神薬等が処方されているな」などと医師が把握し、「すでに別の医療機関で向精神薬が処方されているので、当院では処方できません」と断ることできます(医療機関側にもモラルが求められることは述べるまでもない)。

不適切なオンライン診療が広まれば、「オンライン診療=悪」との見方が強まってしまい、真に必要な「適正なオンライン診療」(例えばへき地等での医療アクセスの確保、新興感染症蔓延時の最低限の医療確保など)までが阻害されてしまいます。上記加算も活用し、適正な形でオンライン診療が普及することが必要です。

適正なオンライン診療推進の鍵となるD to P with N、診療報酬・訪問看護療養費で評価

また(3)の【D to P with N】は、適正な形でオンライン診療を行うための重要な鍵の1つです。

【D to P with N】の代表的な形として、▼訪問看護師が在宅療養患者宅を訪問する→▼訪問看護の現場と、遠隔地の医師とをオンラインでつなぐ→▼看護師が患者の状況などを医師に説明し、医師が看護師に必要な指示などを行う→▼看護師が医師の指示を踏まえた診療の補助などを行うとともに、医師の説明を噛み砕いで患者に説明する―ことなどがあります。オンライン診療では「医師が患者と相対していないために、患者情報を十分に得ることができない」「高齢患者ではオンライン診療の際に必要な機器等の操作が困難である」などの課題がありますが、患者と対面している看護師等がサポートすることで、こうした弱点をカバーできます。

2026年度診療報酬改定では、次のような対応を行い、【D to P with N】の更なる推進を図ります。既に報じた点もありますが、改めて確認してみます。

(a)医療機関からの訪問看護・指導の中で、医師が【D to P with N】によるオンライン診療を行った場合でも、C005【在宅患者訪問看護・指導料】、C005-1-2【同一建物居住者訪問看護・指導料】を算定できることを明確化する
→この場合にも「訪問看護・指導の実施時間」を十分に確保することが必要

(b)医療機関からの訪問看護を同時に実施せず、保健師、助産師、看護師、准看護師が患家に訪問して【D to P with N】を実施する場合(オンライン診療の補助のみのために患者宅等を訪問する場合)、看護師等の訪問・診療の補助に係る評価を新点数で評価する(詳細は後述)

▽医療機関の看護師が【D to P with N】を実施する場合
▽訪問看護ステーションの看護師が、訪問看護指示書の有効期間「外」に【D to P with N】を実施する場合
(新)C005-1-3【訪問看護遠隔診療補助料】(1日につき):265点

▽訪問看護ステーションの看護師が、訪問看護指示書の有効期間「内」に【D to P with N】を実施する場合(ただし定期的な訪問看護「以外」)
(新)07【訪問看護遠隔診療補助料】(1日につき):2650円



(c)【D to P with N】によるオンライン診療について検査・処置等の算定方法を明確化し、【D to P with N】による検査・処置等の評価を新設する
→検査料に【看護師等遠隔診療検査実施料】(1種類の場合には100点、2種類以上の場合には150点)を新設する
→注射料に【看護師等遠隔診療注射実施料】(100点)を新設する
→処置料に【看護師等遠隔診療処置実施料】(1種類の場合には100点、2種類以上の場合には150点)を新設する



(a)は「計画された定期的な訪問看護」(医療機関からの訪問)の中で【D to P with N】を実施する場合(訪問看護+D to P with N)に「訪問看護にかかる診療報酬」を算定可能なことを明確化するものです(訪問看護ステーションの場合には、訪問看護療養費を算定可能)。

(b)は「計画的・定期的な訪問看護」とは別に【D to P with N】を実施する場合(訪問看護は提供せず、D to P with Nのみ実施)に、新たな診療報酬・療養費を算定できることを明らかにしています。

(b)の新たな診療報酬・療養費について、再確認しておきます。非常に複雑です。

◆医療機関の看護師が【D to P with N】を実施する場合
◆訪問看護ステーションの看護師が、訪問看護指示書の有効期間「外」に【D to P with N】を実施する場合

(新)C005-1-3【訪問看護遠隔診療補助料】(1日につき):265点

【算定要件】
●告示(点数表)レベル

▽施設基準(下記)を満たす医療機関の医師が、在宅療養患者等に「看護師等が患者と同席の下でオンライン診療を行う必要がある」と判断した場合に、患者の同意を得て▼当該医療機関の看護師等が行う訪問看護・指導▼訪問看護ステーションの看護師等が訪問看護計画書に基づき定期的に行う指定訪問看護—「以外」の場合に、患家を訪問し、オンライン診療の補助を行った場合に、1か月に1回に限り算定する
▽看護師の訪問にかかる交通費は「患家の負担」とする(実費負担)

●通知レベル(告示レベルと重複する部分はGem Med編集部で割愛)
▽医師・看護師の配置が義務付けられている施設(例えば介護老人保健施設など)に入所している患者には算定できない
▽訪問看護遠隔診療補助料は「看護師等が患者と同席の下で行うオンライン診療」のうち、次の「アまたはイ」の場合における看護師等による訪問について評価する
ア 医療保険・介護保険の訪問看護と一体的に実施されず、オンライン診療を行う医療機関自身が「当該診療時に看護師等を患家に訪問させる」場合(医療機関からの訪問看護)
イ 医療保険・介護保険の訪問看護と一体的に実施されず、当該医療機関と連携する訪問看護ステーションによる訪問を併用して行われる場合(訪問看護ステーションからの訪問看護)
→ただし、訪問看護ステーションに対して訪問看護指示書を交付し、指示書の有効期間「内」に行う場合は、訪問看護ステーションによる訪問に要する費用は訪問看護療養費として訪問看護ステーションに直接支払われるため、当該点数の対象とならない

▽算定に際して、当該医師は指示内容を診療録に記載し、当該看護師等は「医師の指示、当該指示に基づき行った診療の補助の日時、内容の要点、対応状況」を看護記録等に記録する
▽C005【在宅患者訪問看護・指導料】、C005-1-2【同一建物居住者訪問看護・指導料】、C007【訪問看護指示料】、I012【精神科訪問看護・指導料】、訪問看護療養費は別に算定できないが、C005-2【在宅患者訪問 点滴注射管理指導料】は算定できる
▽当該点数は「オンライン診療指針」に沿って診療・診療の補助を行った場合に算定する
「オンライン診療指針」では「初診からのオンライン診療を行おうとするときは、診療『前』相談を行う」とされていることを踏まえ、診療前相談を実施し、オンライン診療を行う医師が「看護師等による患家への訪問の必要性」を認めた場合に限り算定でき、その必要性を診療録・レセプトの摘要欄に記載する

▽「緊急に診療を要し、通院が困難な患者」に行う場合には、患者・家族等の患者の看護等に当たる者が「当該医療機関に対し緊急に直接診療を求め、当該医療機関の医師が、看護師等が同席の下で診療を行う必要があると判断し、可及的速やかに患家に看護師等を訪問させて診療の補助を行う」場合に算定できる
→定期的ないし計画的にオンライン診療を行った場合には算定できない

▽「訪問看護ステーションの看護師等」が訪問し診療の補助を行う場合、次の点に留意する
ア 患家への訪問は当該医療機関の依頼と患者の同意に基づき行われるものであり、訪問にあたって訪問看護指示書を交付する必要はない
イ 患家のオンライン診療の補助については「診療時に医師がオンラインで指示を行う」などの方法により、医師の指示に基づいて行う
ウ 当該点数は訪問看護ステーションからの訪問を評価したものであり、当該診療報酬について「医療機関と訪問看護ステーションの間で合議の上、費用の精算」を行う(訪問看護ステーションから訪問しているが、【訪問看護遠隔診療補助料】(265点)は指示を行った医療機関が算定し、その後、必要な費用を当該医療機関から訪問看護ステーションに支払う形)
エ 検査等を含む診療の補助に伴う診療報酬の請求は「オンライン診療を行う医療機関」が行い、当該診療報酬の分配は相互(医療機関・訪問看護ステーション)の合議に委ねる

▽「同一の患家」また「有料老人ホーム等で、その形態から当該ホーム全体を同一の患家とみなすべきもの」において、看護師等が2人以上の患者の診療の補助を行った場合は、2人目以降の患者には、当該点数(訪問看護遠隔診療補助料)ではなく、A000【初診料】・A001【再診料】・A002【外来診療料】のいずれか+特掲診療料(医学管理、検査など)のみを算定する
→ただし、2人目以降の各患者の診療に要した時間が1時間を超えた場合は当該点数(訪問看護遠隔診療補助料)を算定し、その旨をレセプトの摘要欄に記載する

【施設基準】
▽情報通信機器を用いた診療を行うにつき十分な体制が整備されていること(詳細は3月5日発出予定の通知等で明らかにされる)



▽訪問看護ステーションの看護師が、訪問看護指示書の有効期間「内」に【D to P with N】を実施する場合(ただし定期的な訪問看護「以外」)

(新)07【訪問看護遠隔診療補助料】(1日につき):2650円

【算定要件】
●告示レベル

▽主治医(C005-1-3【訪問看護遠隔診療補助料】(上記)の施設基準を満たす医療機関の保険医に限る)から交付を受けた訪問看護指示書の有効期間「内」の利用者について、施設基準を満たす訪問看護ステーションの看護職員が、訪問看護計画に基づき定期的に行う指定訪問看護「以外」で、緊急に診療を要すると判断した主治医の指示を受けて訪問し、情報通信機器を用いた診療の補助を行った場合に、1か月に1回に限り算定する

●通知レベル(告示レベルと重複する部分はGem Med編集部で割愛)
▽同一日に【訪問看護基本療養費】、【精神科訪問看護基本療養費】、【訪問看護管理療養費】、【訪問看護情報提供療養費】、【訪問看護ターミナルケア療養費】、【訪問看護ベースアップ評価料】を算定できない
▽1人の利用者に対し、1つの訪問看護ステーションにおいてのみ算定できる
→同一の利用者について、医療機関でC005-1-3【訪問看護遠隔診療補助料】(上記)を算定した場合には、訪問看護ステーション側で当該所定額は算定できない

▽当該所定額は「主治医の求めに応じて、主治医の指示により、訪問看護計画書に基づき定期的に行う指定訪問看護『以外』の場合におけるオンライン診療の補助を行う」場合に算定するものであり、主治医から交付を受けた訪問看護指示書の「有効期間内にある者」のみが算定できる
→有効な訪問看護指示書の交付を受けていない利用者については、当該所定額は算定できず、医療機関において上述のC005-1-3【訪問看護遠隔診療補助料】を算定する(医療機関と合議で費用の分配を受けることになる)

▽「診療の補助を実施した日時、内容、対応状況」を訪問看護記録書に記録する。なお、指示を行った主治医は「指示内容」を診療録に記録する
▽必要な場合は訪問看護指示の変更を受け、訪問看護計画について見直しを行う
▽当該補助料は「オンライン診療指針」に沿って診療・診療の補助を行った場合に算定する

【施設基準】
▽「オンライン診療実施体制が整備されている医療機関と連携しながら診療の補助を行う」体制が整備されていること(詳細は通知等で明らかにされる)



【D to P with N】に関する診療報酬・療養費での評価は非常に複雑ですが、概ね次のように整理できます。

●「定期的な訪問看護」の中で、つまり訪問看護の一環としてD to P with Nを行う場合
▽医療機関からの訪問看護ではC005【在宅患者訪問看護・指導料】などを算定する(上記(a)で明確化)

▽訪問看護ステーションからの訪問看護では、通常どおり訪問看護療養費を算定する(従前より可能)

●「定期的な訪問看護」とは別に、D to P with Nのみを行う、つまりオンライン診療の補助のみを行うために患者宅を訪問する場合
▽オンライン診療を行う医師が、自院の看護師にD to P with N実施を指示した場合(ただし定期的な訪問看護「以外」)
→C005-1-3【訪問看護遠隔診療補助料】を医療機関で算定する(上記(b)、自院の看護師が対応しているので、訪問看護ステーションとの費用分配は必要なし)

▽オンライン診療を行う医師が、訪問看護ステーションの看護師に、訪問看護指示書の有効期間「内」にD to P with N実施を指示した場合(ただし定期的な訪問看護「以外」、つまり医療保険の訪問看護利用者に対し、定期訪問以外にD to P with Nのみを行う場合)
→訪問看護療養費の07【訪問看護遠隔診療補助料】を訪問看護ステーションで算定する(上記(b))

▽オンライン診療を行う医師が、訪問看護ステーションの看護師に、訪問看護指示書の有効期間「外」にD to P with N実施を指示した場合(つまり医療保険の訪問看護利用者でない者に対し、D to P with Nを行う場合)
→C005-1-3【訪問看護遠隔診療補助料】を医療機関で算定する(上記(b)、訪問看護ステーションの看護師が対応しているので、訪問看護ステーションと費用分配をする必要がある)



詳細については3月5日予定の告示・通知を待つ必要があります。

D to P with D評価する遠隔連携診療料、在宅・入院でも実施可とし、対象疾患を拡大

また(4)の遠隔連携診療料は、専門性の高い疾患領域の患者が、より身近に専門医の診断・治療・指導管理を受けられるように、「▼患者は近隣の医療機関(例えばかかりつけ医)を受診する→▼かかりつけ医と、専門医とをオンラインで結ぶ→▼患者はオンラインで専門医の指導等を受けながら、対面でのかかりつけ医等の指導も受けられる」といった形態を診療報酬で評価するものです(いわゆるD to P with D)。

2020年度の診療報酬改定で創設された後、徐々に拡充が図られてきており(当初は「指定難病・癲癇の診断」→2022年度改定で「癲癇の診療」を追加→2024年度改定で「指定難病の診療」を追加、関連記事はこちら)、2026年度には次のような拡充が行われます。

▽対象疾患を拡大する
・「希少がん」、「医療的ケア児(者)」を追加する
・さらに、人口の少ない地域に所在する医療機関に限り、「悪性腫瘍」、「膠原病」、「透析」を追加する

▽在宅医療において主治医の求めを受けてオンライン診療を実施する場合の評価を新設する(対象患者は、▼主治医として定期的に訪問診療を行っている医師が属する医療機関が診療を求めた傷病▼医療的ケア児(者)▼外来緩和ケア管理料の対象患者—、算定頻度などは未定)

▽入院患者に対する「オンラインでの対診」に係る評価を新設する(対象患者は、▼指定難病の患者▼希少がんの患者▼日本臓器移植ネットワークに臓器移植希望者として登録された患者▼当該医療機関が標榜していない診療科であって、その診療科の医師でなければ困難な診療を要する者—、算定頻度などは未定)



このため【遠隔連携診療料】について、次のような大きな評価体系・点数の見直しが行われます(算定回数は、いずれの区分も従前どおり「3か月に1回」)。

●B005-11【遠隔連携診療料】
(現在)
1 診断を目的とする場合:750点
2 その他の場合:500点

(見直し後)
1 外来診療の場合:900点
2 訪問診療の場合:900点
3 入院診療の場合:900点

それぞれの区分で「診断」と「治療」とで点数は同一となります。



また外来・在宅・入院の対象患者は次のように整理されました。

【外来】
→指定難病(診断では疑い含む)、癲癇(同)、希少がん(同)、医療的ケア児(者)
→医療資源の少ない地域では、さらに悪性腫瘍(治療中に限る)、膠原病(同)、慢性維持透析患者を含める

【在宅】
→主治医として定期的に訪問診療を行う医師の属する医療機関が診療を求めた傷病、医療的ケア児(者)、外来緩和ケア管理料の対象患者

【入院】
→指定難病、希少がん、日本臓器移植ネットワークに臓器移植希望者として登録された患者、当該医療機関が標榜していない診療科であって、その診療科の医師でなければ困難な診療を要する者



これに伴い、オンライン診療を行う側(専門医側)には次のような点が求められます。
▽指定難病(外来、入院)を診療する場合には、難病診療連携拠点病院、難病診療分野別拠点病院または難病医療協力病院であること

▽癲癇患者(外来)を診療する場合には、てんかん診療拠点機関であること

▽希少がん患者(外来、入院)、臓器移植希望者(入院)を診療する場合には、特定機能病院または都道府県がん診療連携拠点病院であること

▽外来緩和ケア管理料の対象患者(在宅)を診療する場合には、外来緩和ケア管理料の施設基準を届け出ていること

▽悪性腫瘍・膠原病・慢性維持透析(医療資源の少ない地域での外来)、主治医として定期的に訪問診療を行う医師の属する医療機関が診療を求めた傷病(在宅)、当該医療機関が標榜していない診療科であって、その診療科の医師でなければ困難な診療を要する者(入院)を診療する場合には、「当該医療機関と同一都道府県内に所在する医療機関」であること



このほか、次のような対応も図られます。

▽情報通信機器を用いた医学管理等の評価の新設
・在宅振戦等刺激装置治療指導管理料をオンラインで実施する場合(705点)
・プログラム医療機器等指導管理料をオンラインで実施する場合(78点)

▽情報通信機器を用いた療養指導の見直し
・在宅療養指導料における算定対象者のうち「在宅自己注射指導管理料の算定患者」「慢性心不全の患者」について、2回目以降の指導の中に「オンライン指導を行う場合」の評価区分を新設する

B001【特定疾患治療管理料】の「13 在宅療養指導料」
(現在)
在宅療養指導料:170点

(見直し後)
在宅療養指導料
イ 初回 対面で行った場合:170点
ロ 2回目以降
(1)対面で行った場合:170点
(2)情報通信機器を用いた場合:148点



なお、ロの(2)情報通信機器を用いた場合(148点)の算定は、▼C101【在宅自己注射指導管理料】を算定している患者▼退院後1か月以内の慢性心不全の患者—について、月1回(イ(初回)を算定する月はイ(初回)とロ(2回目以降)を合わせて2回)に限って認められます。



▽情報通信機器等を用いた外来栄養食事指導料の見直し
・2回目以降にオンライン・電話で「追加的な指導」を行った場合の点数区分を新設する
・オンライン指導の実施に当たり「事前に対面指導とオンライン指導を組み合わせた指導計画を作成し、当該計画に基づいて指導を実施する場合」に加え、「対面またはオンラインのいずれかによる指導計画を作成した場合」も算定可能であることを明確化する

B001【特定疾患治療管理料】の「9 外来栄養食事指導料」
(現在)
外来栄養食事指導料
イ 外来栄養食事指導料1
(1)初回
1 対面で行った場合:260点
2 情報通信機器等を用いた場合:235点
(2)2回目以降
1 対面で行った場合:200点
2 情報通信機器等を用いた場合:180点

ロ 外来栄養食事指導料2
(1)初回
1 対面で行った場合:250点
2 情報通信機器等を用いた場合:225点
(2)2回目以降
1 対面で行った場合:190点
2 情報通信機器等を用いた場合:170点

(見直し後)
外来栄養食事指導料
イ 外来栄養食事指導料1
(1)初回
1 対面で行った場合:260点
2 情報通信機器等を用いた場合:235点
(2)2回目以降
1 対面で行った場合:200点
2 情報通信機器等を用いた場合:180点
(新)3 (1)の1または2の追加的な指導を行った場合:50点

ロ 外来栄養食事指導料2
(1)初回
1 対面で行った場合:250点
2 情報通信機器等を用いた場合:225点
(2)2回目以降
1 対面で行った場合:190点
2 情報通信機器等を用いた場合:170点
(新)3 (1)の1または2の追加的な指導を行った場合:45点



新設される「3 (1)の1または2の追加的な指導を行った場合」の点数は、「入院中の患者以外の患者で、別に厚生労働大臣が定める者に対し、医療機関の医師の指示に基づいて当該医療機関の管理栄養士が情報通信機器または電話で、(1)の1または2の追加的な指導(時間は問わない)を行う」場合に、1か月に1回算定可能です(ただし(1)の1または2の点数を算定した場合には、「3」の算定は不可)。



なおGem Medではオンラインの改定セミナーで詳細な解説も行っています。是非、ご活用ください。



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「救急外来での患者受け入れ」「高齢救急患者の転院搬送(下り搬送)」の充実目指し、診療報酬の評価も拡充―中医協総会(7)
入退院支援加算を充実(一部点数の引き上げ、算定対象の拡大)、療養病棟の医療区分2・3の対象患者を拡大―中医協総会(6)
訪問看護ステーションが隣接等の高齢者住まい居住者に行う訪問看護を「1日当たり包括」療養費で評価―中医協総会(5)
2026年度診療報酬改定でも、「適切な形の在宅医療」が量・質の双方で拡大することを目指した対応図る―中医協総会(4)
【母体・胎児集中治療室管理料】、医師配置要件を「緩和」するとともに、新たに診療実績の施設基準を設定―中医協総会(3)
HBOC患者の血縁者に「乳がん・卵巣がんが発症する前の遺伝子検査・指導」を保険診療の中で実施可能とする―中医協総会(2)
近く答申!大規模急性期病院評価の急性期病院A・B双方で「介護施設からの救急搬送」は原則カウントせず―中医協総会(1)
身体拘束最小化状況を「体制」と「実績」でチェック、組織的に拘束最小化に取り組む地域包括ケア病棟等に新加算―中医協総会(4)
リハビリ実績指数の考え方見直し、早期リハビリ加算の算定日数を「入院から14日まで」に制限し、初期点数を増点―中医協総会(3)
医療DX体制評価を【電子的診療情報連携体制整備加算】に改組、入院加算ではサイバーセキュリティ対策要件を課す―中医協総会(2)
オンライン診療の適正推進に向け、施設基準厳格化、D to P with Nの看護師業務評価、遠隔連携診療料拡充など実施―中医協総会(1)
消化器外科医師等に対し負担軽減・特別手当支給など行う特定機能病院等、入院基本料と高難度の手術料に加算—中医協総会(7)
かかりつけ医機能のさらなる推進、外来医療の機能分化に向けた対応を図るが、支払側委員は「不満」—中医協総会(6)
ICT利活用・適切な業務遂行等の厳格な要件を前提として「看護職員や医師事務作業補助者の柔軟配置」を認める—中医協総会(5)
回復期リハ1に新加算創設、より多くの急性期・包括期病棟で「リハ・栄養管理・口腔管理の一体的取り組み」促す—中医協総会(4)
地域包括医療病棟、「急性期病棟併設の有無・救急/予定入院・手術の有無に応じた点数の区分」を行う—中医協総会(3)
ICU・HCUに「病院の救急搬送、全身麻酔手術の実績」基準、ユニット専任医師の宿日直許可要件を緩和—中医協総会(2)
「地域の急性期医療の拠点」病院を評価する【急性期病院一般入院料】を新設、病院単位での救急搬送・手術実績が要件に―中医協総会(1)
病院の機能別に「入院料の引き上げ」などを行い、物価上昇分に過不足ない形で対応・支援する—中医協総会(3)
病院(入院)での賃上げに向け「入院料の引き上げ」+「2026・27年度のベースアップ評価料」で対応しては―中医協総会(2)
看護必要度でA・C項目追加や救急受け入れ加算の方向固める、「該当患者割合の基準値」をどこまで厳格化すべきか―中医協総会(1)
2026年度診療報酬改定の「項目整理」論議始まる!診療報酬で物価・賃上げ対応、病院の機能分化など推進―中医協総会(2)
物価高騰へ「入院料や初・再診料などの引き上げ+新点数」で対応、急性期病院の機能に応じた手厚い対応も―中医協総会(1)
2026年度診療報酬改定、支払側は「病院機能の分化」等を進めよと、診療側は「医療機関経営の安定」確保せよと強調—中医協(1)
外来医師「過多」区域での新規開業医、「地域で不足する機能」を提供しない場合に診療報酬上のペナルティを課すべきか―中医協総会
「2026→27年度」と物価・人件費が高騰する点踏まえ2026年度2.41%、27年度3.77%の診療報酬本体引き上げ―上野厚労相(1)