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特定術式で症例数と死亡率に相関ありか、評価はリスク調整後に―日本胸部外科学会【15日追記】

2016.9.14.(水)

 日本胸部外科学会は13日、胸部外科手術に関する2014年の学術調査を発表しました。各術式の症例数や死亡率の推移に加え、施設ごとの年間症例数と手術死亡率の相関関係を各術式で解析。乳児開心術など相関関係が認められなかった術式や、冠動脈バイパス術など相関ありと見られる術式に分かれました。ただ、感染症など手術に関連するリスクの調整は加味されていないため、評価はリスク調整後が妥当とする見解を示しています。

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年間50症例以下の施設が1/4

 調査対象は、「心臓大血管外科」(回答施設561件、回答率97.1%)、「呼吸器外科」(同732件、同96.1%)、「食道外科」(同601件、90.0%)―の3診療科。いずれも年間症例数を年々伸ばしており、調査開始の1986年と比較して、心臓大血管外科は約3倍の6.5万件、呼吸器外科は約4倍の8万件弱、食道外科は約2倍の1.4万件となっています(以下の図表)。死亡率も多くの術式で減少傾向を示しました。

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 施設ごとの年間症例数と手術死亡率の相関関係については、6術式を解析。症例数の分布は、心臓大血管外科と呼吸器外科は年間50症例以下の施設が1/4、食道外科は年間10症例以下の施設が3/5でした(以下に詳細の図表)。

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 13日に記者会見した益田宗孝理事(横浜市立大学大学院医学研究科)と奥村明之進理事(大阪大学大学院医学系研究科)は、心臓大血管外科の乳児開心術、単独弁膜症手術、呼吸器外科の肺がん手術、食道外科の食道がん手術は「症例数の少ない施設の成績が悪いとは言えない」とコメント(文末に詳細資料)。冠動脈バイパス手術とA型大動脈解離手術については、益田理事は「症例数の多い施設の方がいい成績のように見える」とコメントしました。

 ただ、例えば症例数が多い病院は概して総患者数が多く、感染症リスクも高まります。益田理事はこうした手術に関係するさまざまなリスクを考慮して相関関係の有無を判断する必要があるとして、「評価はリスクアジャストしてからが妥当」としています。以下の各手術解析の図表は左が分布図、右が5グループにし中央値を加えたもの。

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