病院の外来患者は10万人近く減少、14年8月―病院報告
2014.12.5.(金)
厚生労働省が毎月発表している病院報告によりますと、2014年8月の病院の外来患者数は132万1925人で、前月に比べて9万8417人と大きく減少したことが分かりました。
病院報告は、病院・診療所の利用状況を(1)一日平均患者数(2)平均在院日数(3)月末病床利用率、という3つの指標を用いて把握する調査です。
まず(1)の一日平均患者数は、病院では入院125万6664人(前月比140人減)、外来132万1925人(同9万8417人減)、診療所の療養病床では入院7210人(同21人減)となりました。病院外来患者の対前月比減少率は6.9%に達しており、季節だけではなく歴月による患者数の変動も大きなことが分かります。
次に(2)の平均在院日数は、病院全体では29.5日で、前月に比べて0.5日延びていることが分かりました。病床種別で見ると、一般病床16.5日(同0.5日増)、療養病床173.0日(同6.3日増)、介護療養病床335.2日(同11.3日増)、精神病床283.1日(同16.7日増)となりました。
わが国の入院医療費は、出来高・DPCのいずれでも「1日当たり」の支払い額に入院日数を掛けて計算します。また、入院期間の不要な伸展は、院内感染リスクの高まりや、ADL低下などの弊害をもたらします。このため政府は、医療費適正化や医療の質向上のために平均在院日数の短縮化を進めています。
14年8月の平均在院日数はわずかとはいえ伸びており、今後の動向を注視する必要があるでしょう。
最後に(3)の月末病床利用率ですが、病院全体では77.4%で、前月に比べて2.7ポイント低下しました。病床種別で見ると、一般病床69.9%(同4.7ポイント減)、療養病床88.7%(同0.4ポイント減)、介護療養病床92.6%(同0.4ポイント減)、精神病床87.2%(同2.7ポイント減)となっています。
一般病床の稼働率が下がっていますが、ここからは集患がうまくいっていない状況がうかがえます。平均在院日数の短縮が求められていますが、あわせて集患をうまく進めなければ、空床が増加し経営的にはマイナス面も目立ってしまうので要注意です。