協会けんぽの後発薬使用割合、14年8月は58.1%―地域別では沖縄の72.6%が最高
2014.12.8.(月)
全国健康保険協会によりますと、2014年8月の後発品の使用割合(調剤分)が新指標ベースで58.1%となったことが分かりました。
全国健康保険協会は、主に中小企業のサラリーマンが加入する公的医療保険「協会けんぽ」を運営しています。同協会では、14年度の重点事項の一つとして「後発医薬品(ジェネリック)の使用促進」を掲げ、次のような取り組みを行っています。
●後発薬に切り替えた場合の自己負担額の軽減効果を通知するサービスの対象範囲の拡大と、年度内に2回目通知の継続
●後発薬の希望シールを配布するなど加入者への適切な広報
●地域の実情に応じた医療機関関係者、薬局関係者への働き掛けや、セミナーなどの開催
政府は、医療費の適正化につなげるため、後発薬の使用割合を18年度末までに新指標で60%とするという目標値を定めています(後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ、13年4月)。新指標とは「後発薬への置き換えが可能な医薬品に占める後発薬の割合」のことで、後発薬の数量÷[後発薬への置き換え可能な先発薬の数量+後発薬の数量]で計算します。
政府は当初、後発薬の使用割合を、12年度末までに旧指標で30%とする目標を設定していましたが、医療保険全体では達成できませんでした。
同協会が2日に発表した「ジェネリック医薬品使用割合(数量ベース)」によりますと、14年8月には新指標で58.1%、旧指標で36.5%(いずれも調剤分)となったことが分かります。
都道府県別に見ると、沖縄の72.6%が最も高く、次いで鹿児島65.5%、岩手64.1%、山形63.4%と続いています。逆に最も低いのは徳島の45.6%で、山梨50.2%、高知52.6%、和歌山53.1%なども低くなっています。
14年度診療報酬改定でDPCの機能評価係数IIに「後発医薬品指数」が新たに導入されるなど、後発薬の使用を促進する動きが政府全体で活発になっています。病院経営でも「後発医薬品の採用」は重要項目の一つですから、こうした情報にも注目してみてください。