70歳以上男性の4人に一人が糖尿病疑い-13年国民健康・栄養調査
2014.12.10.(水)
厚生労働省が毎年発表している「国民健康・栄養調査結果」の概要によりますと、糖尿病が強く疑われる者の割合は、2013年には男性の16.2%、女性の9.2%であることなどが分かりました。
「国民健康・栄養調査」は、健康増進法に基づいて国民の身体の状況や栄養素の摂取量、生活習慣の状況などを明らかにし、国民の健康増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得るために行われています。
ここでは、13年調査結果の概要の中から(1)糖尿病が強く疑われる者(2)血圧(3)血中コレステロール(4)嚥下-の状況を見てみましょう。
糖尿病が強く疑われる人の割合は、男性で16.2%、女性で9.2%でした。前年に比べて男性は0.1ポイント、女性は0.5ポイント増加していますが、厚労省は「06年の調査から見ても男女ともに変化はない」と見ています。
糖尿病が強く疑われるとは、「HbA1c(NSGP)値が6.5%以上、または、糖尿病の治療有」の人を指します。男女共に年齢に比例してこの割合が高くなる傾向があり、男性では60-69歳の19.5%、70歳以上の24.4%、女性でも70歳以上の17.6%で糖尿病が強く疑われます。70歳以上の男性では、実に4人に一人で糖尿病が強く疑われることになります。糖尿病が進行すれば、人工透析が必要な糖尿病性腎症になるケースもあり、十分な対策が求められそうです。
血圧については、男女共に減少傾向にあり、収縮期(最高)の血圧の平均は男性で135.3㎜Hg(05年から減少傾向)、女性で129.5㎜Hgとなっています。
また、最高血圧が140㎜Hg以上の人の割合は、男性で38.3%、女性で29.6%であることも分かりました。
血清総コレステロールの平均値は、男性で196.6㎎/dL、女性で207.3㎎/dLという結果で、厚労省は「男女ともに10年間で変化はない」と見ています。
血清総コレステロールが240㎎/dL以上の者の割合は、男性で10.3%、女性で16.8%となっています。血清総コレステロール値が高くなると、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などを起こす危険性も高まります。
嚥下に目を移すと、食べ物や飲み物を飲みにくく感じたり、食事中にむせたりすることが「頻繁にある」か「ときどきある」と回答した人は、男女共に60歳以上の13.7%に上っています。各年齢層とも10年の調査に比べて減少していることが分かります。
また嚥下困難になると低栄養傾向になりやすいことや、歯の残存本数が少ないほど嚥下困難になりやすいことも明らかになっています。