75歳以上の世帯主が25年間で大幅増、東京近郊-日本の世帯数の将来推計、社人研
2014.12.11.(木)
2035年には、10年に比べて秋田で一般世帯数が21.4%減少することなどが国立社会保障・人口問題研究所の推計で分かりました。
これは9日に同研究所が発表した「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)」(2014年4月推計)によるものです。同研究所ではこれまでに6回、都道府県別に世帯数推計を行っており、今回が7回目です。
推計によりますと、入院患者や施設入所者などを除く全国の一般世帯数は10年の時点では5184万2000でしたが、25年には5243万9000世帯(10年比1.1%増)、35年には4955万5000世帯(同4.4%減)となります。
都道府県別の世帯数は、10年から35年にかけて41道府県で減少し、20道県では減少幅は2桁となる模様です。特に秋田のマイナス21.4%、青森のマイナス17.3%、山口のマイナス16.4%などが目立ちます。逆に、沖縄(13.1%増)、東京(3.6%増)、神奈川(3.5%増)など6都県では増加することも分かりました。大都市では減少幅が小さく、東北や中部、西日本の日本海側で大きくなっています。
また、一つの世帯が何人で構成されているのかを示す平均世帯人員は、35年にかけてすべての都道府県で減少します。東京では15年に2人を切り、35年には1.87人となる見込みです。
次に世帯主が65歳以上である高齢世帯の状況を見ると、10年は1620万世帯、25年は2015万4000世帯(10年比24.4%増)、35年は2021万5000世帯(同24.8%増)となることが分かります。
都道府県別では、45都道府県で高齢世帯数が増加し、減少するのは山口(マイナス1.7%)、島根(マイナス0.3%)のみとなっています。10年から35年にかけての高齢世帯の増加幅が大きな都道府県は、沖縄(61.7%増)、神奈川(45.4%増)、東京(41.7%増)となっており、大都市を中心に増加幅が大きなことが分かります。
高齢世帯が一般世帯に占める割合(全国ベース)は、10年には31.2%、25年には38.4%、35年には40.8%と増加していきます。
また高齢世帯のうち、単独世帯と夫婦のみの世帯の状況を見ると、10年から35年にかけて単独世帯は全国で53.1%、夫婦のみの世帯は15.8%、共に増加します。
最後に、介護サービスを利用する人の割合が急激に高くなる75歳以上の人が世帯主の世帯は、10年には730万8000世帯でしたが、25年は1186万7000世帯(10年と比べて62.4%増)、35年は1173万6000世帯(同60.6%増)となることが分かりました。
すべての都道府県で、世帯主が75歳以上の世帯が増加し、特に埼玉(103.7%増)、沖縄(99.0%増)、千葉(96.2%増)、神奈川(92.2%増)で増加幅が大きいことが分かります。東京近郊では、介護施設や在宅介護サービスの整備遅れが指摘されており、地域包括ケアシステムの整備を早急に進める必要性を示唆する結果です。