地域包括ケア 届け出ラッシュ一転、ブレーキ 11月は新規80件
2014.12.19.(金)
2014年度の診療報酬改定で新設された「地域包括ケア病棟入院料」(地域包括ケア病棟入院医療管理料含む)の11月の新規届け出にストップがかかりそうです。10月の新規届け出は4月以降で最多の444件(12月16日現在)でしたが、GHCの調べでは、これらの点数の算定を11月に新たに届け出たのは80件(同)にとどまっています。従来の「亜急性期入院医療管理料」が9月末に廃止されたのに合わせて、翌10月に駆け込みで届け出た病院が多かったためとみられます。
GHCでは、地方厚生各局への16日現在の届け出状況を集計しました。12月に算定を届け出た8件を含めると、地域包括ケア病棟入院料は全国の病院から少なくとも989件の届け出があることになります。ただ、青森、秋田、岩手など18都県は11月分の届け出をこの日までに更新していないため、単月での件数は今後、増える見通しです。
地域包括ケア病棟入院料と地域包括ケア入院医療管理料は、急性期病院を退院したり、在宅療養中に容体か急変したりする高齢者の受け皿として、14年度の診療報酬改定に伴って4月に新設されました。月ごとの届け出は、4-6月には50件前後で推移していましたが、7月に初めて100件を超えました。従来の亜急性期入院医療管理料が廃止された直後の10月には、前月(121件)の4倍近い444件の届け出がありましたが、11月には、8月以来3か月ぶりに100件を割り込んでいます。
これまでに受理された989件の都道府県別の内訳は、福岡89件(11月1日現在)、大阪58件(11月1日現在)、兵庫53件(12月1日現在)、東京46件(11月1日現在)などで、大都市圏での届け出が目立ちます。山梨では17日現在、届け出がありません。
また、病床規模別では、「100-199床」による届け出が494件で最多です。このほかは「100床未満」277件、「200-299床」103件、「300-399床」71件、「400床以上」44件の順で、200床未満の中小病院による届け出が771件と、全体の8割近くを占めています。200床以上からの届け出は、10-11月に10件前後のペースで増えました。
病院の開設主体別では「医療法人」が752件と大半を占めていて、大学病院の分院による届け出もこれまでに2件あります。