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GemMed塾 2024年度版ぽんすけリリース

2015年新年のご挨拶(GHC渡辺幸子)

2015.1.1.(木)

 新年明けましておめでとうございます。旧年中は一方ならぬご厚情を賜わり厚くお礼申し上げます。

 消費税率が4月に従来の5%から8%に引き上げられたり、安倍政権が推進してきた経済政策「アベノミクス」の是非が問われた12月の衆院選で与党が大勝したりと、2014年にも病院経営にリンクするいろいろなトピックが世間を賑わせました。一方、エボラ出血熱の流行が世界を脅かすなど、これまでにない大きな課題が各国の医療関係者に突き付けられた1年でもあります。

代表取締役社長 渡辺幸子

代表取締役社長 渡辺幸子

 わが国の医療界に目を向けると、4月の診療報酬改定では「医療機関の機能分化・強化と連携」が重点課題になりました。急性期病院には“急性期らしさ”が問われ、当初の想定を大幅に超えて増え過ぎた7対1入院基本料の算定病院の絞り込みと、急性期の治療を終えた患者の受け皿となる「地域包括ケア病棟」の創設が、病院にとって特に大きな焦点になりました。

 また、都道府県の医療計画の一部として10月に運用がスタートした病床機能報告制度は、医療提供体制を再編する上での足掛かりになるだけに、ひと際大きな関心を集めました。各都道府県は、報告制度を通じて医療機関から集めたデータを踏まえて、地域ごとの医療の将来像を15年度から描き出します。10年後の「2025年」を見据えて地域の中での自病院のポジションを早急に具体化できるかどうか、本年は病院経営者の手腕が問われる1年になりそうです。

 国民医療費は40兆円の大台に迫り、国と地方の長期債務残高は1000兆円規模と国際的にも歴史的にも最悪の水準です。秋以降は次の診療報酬改定に向けた駆け引きが本格化するとみられますが、こうした中で、医療や介護など社会保障費の抑制がクローズアップされそうです。国立長寿医療研究センターの大島伸一名誉総長が「社会保障制度改革国民会議」で提言したように、「必要なときに適切な医療を、適切な場所で、最小の費用で受けられる」ように転換する必要があるでしょう。

 グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンは14年3月に創業10周年を迎え、次なる10年に向けて歩み始めることができました。これもひとえに、皆さまのご支援の賜物と深く感謝申し上げます。現在ご支援するクライアント病院さまは250病院を超え、次世代型経営支援サービス「病院ダッシュボード」も皆さまのご要望とご意見を基に進化を続け、現在では全国の約200病院の皆さまにご愛用いただくまでになりました。さらに、医療・介護行政の最新動向を配信するニュースブログ「メディ・ウォッチ」を創刊するなど、14年はGHCにとって飛躍の1年となりました。

 わたしたちGHCでは、「医療における質と経営の向上に向け、全知を傾け医療の発展に貢献する」というミッションを掲げています。病院経営のパートナーとして、経営の健全化と地域医療の充実を目指し、クライアント病院の皆さまが患者・地域住民のために最大限の価値を提供できるよう支援に努めるという創業以来のスタンスは、今後も堅持していく所存です。

 中でも、患者視点でのシームレスケアを地域の中でどう実現させるかは、GHCにとって一層重要なテーマです。医療提供体制の再編が進む中で、単独の医療機関よりもむしろ、地域全体の資源を俯瞰しながら医療現場を支援する視点が求められるようになるからです。これまでのスタンドアローン型の運営では、生き残りが難しくなる時代がやってきます。

 過去に囚われることなく変革に向かって挑戦していくことが、混沌とした時代や経営の不振を打開する最良の手段だと、わたしたちは確信しています。次の10年も、時代の変化をいち早く察知して、これまで培ってきたコンサルティングのノウハウをフルに生かしながら、急性期病院の新たなニーズに応えられる新サービスの開発・提供に取り組む所存です。こうした意味で、2015年はわたしたちにとっても正念場です。

 本年もご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

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