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カリウム製剤の急速静注、禁止なのに5件報告-11年以降、医療機能評価機構が注意喚起

2015.1.16.(金)

 日本医療機能評価機構が15日に発表した「医療安全情報No.98」によりますと、本来は禁止されている「カリウム製剤の静脈ラインからの急速静注」が2011年1月から14年11月にかけて5例報告されていたことが分かり、注意を呼び掛けています。

カリウム製剤の投与方法を誤った事例が、2011年1月-14年11月に5事例報告されている

カリウム製剤の投与方法を誤った事例が、2011年1月-14年11月に5事例報告されている

 カリウム製剤を急速静注すると、不整脈や、場合によっては心停止を起こします。このため添付文書には、「点滴静脈内注射のみに使用すること」との注意事項が明記されています。

 しかし今回報告があったケースでは、医師が「シリンジポンプによる持続投与」のつもりで、投与速度や投与方法を明示せずにカリウム製剤投与を看護師に指示したところ、看護師がモニターを見ながら中心静脈ラインの側管から注入しました。

 また別のケースでは、上級医が研修医にカリウム製剤の投与を指示した際、看護師がプレフィルドシリンジ型製剤から注射器に吸い取って研修医に手渡し、「静注でいいですか」という研修医からの確認に、上級医が「やっておいて」とのみ返答したことから、研修医が静脈ラインの側管から注入したといいます。

 こうした事例が発生した医療機関では、次のような取り組みによって再発防止を図るとしています。

●投与指示(投与量、投与方法、投与速度)のルールを守る

●薬剤マスタのカリウム製剤名に「点滴専用」や「要希釈」などと記載したり、カリウム製剤の払い出し時に製剤と一緒に「急速静注禁止」とメモした紙を入れたりして注意喚起する

●プレフィルドシリンジ型製剤の剤形の目的を理解し、使用時は注射器に吸い取らない

 プレフィルドシリンジ型製剤は薬剤があらかじめ充てんされている注射器で、専用の針を装着して使用し、三方活栓に接続できないため、誤って急速静注することはありません。しかし、今回発表された事例のように注射器で吸い取ってしまえば、誤使用の可能性が高まるので注意が必要です。

プレフィルドシリンジ型製剤は、規定量の薬剤が予め充填されている注射器。誤使用や感染に関するリスク軽減に資する。

プレフィルドシリンジ型製剤は、規定量の薬剤が予め充填されている注射器。誤使用や感染に関するリスク軽減に資する。

 同機構では「カリウム製剤の急速静注は禁止」であることをあらためて強調しています。

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