Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Search in posts
Search in pages
GemMed塾 看護モニタリング

地域包括ケア、一般病棟から病床単位での移行が60%と最多

2015.1.21.(水)

 2014年度の診療報酬改定で新設された「地域包括ケア病棟入院料」と「地域包括ケア入院医療管理料」の届け出状況をGHCが調べたところ、一般病棟から、病床単位の入院医療管理料のみを算定しているケースが多いことや、30床以下の病棟を地域包括ケアに移行しているケースが多いことなどが分かりました。

地域包括ケア病棟の届け出は1月分含めて1043病院

 GHCでは、地方厚生各局への20日現在の届け出状況を集計しています。地域包括ケア病棟入院料(地域包括ケア入院医療管理料を含む)を届け出た病院は、15年1月分の7件を含めると、全国で1043病院。

 地域包括ケア病棟入院料と地域包括ケア入院医療管理料は、急性期病院を退院したり、在宅療養中に容体か急変したりする高齢者の受け皿として、14年度の診療報酬改定に伴って同年4月に新設されました。月ごとの届け出は、4-6月には50件前後で推移していましたが、7月に初めて100件を超えました。従来の亜急性期入院医療管理料が廃止された直後の10月には、前月(121件)の4倍近い445件の届け出がありましたが、11月には、8月以来3か月ぶりに100件を割り込み、12月には57件(今月21日現在の集計)にとどまりました。

地域包括ケア病棟・病床の届出件数は、2014年10月がピーク

地域包括ケア病棟・病床の届出件数は、2014年10月がピーク

 これまでに受理された1043件の都道府県別の内訳は、福岡89件(14年11月届け出分まで)、大阪59件(同12月届け出分まで)、兵庫55件(同)、東京52件(同)などで、大都市圏での届け出が目立つ状況は変わっていません。また、12月には山梨で初の届け出が受理され、地域包括ケア病棟・病室の届け出で47都道府県が出そろいました。

都道府県別に見た地域包括ケア病棟・病床の届出件数、福岡が飛び抜けて多い

都道府県別に見た地域包括ケア病棟・病床の届出件数、福岡が飛び抜けて多い

 もっとも、福島、静岡、滋賀、沖縄の4県では10月届け出分まで、栃木、千葉、福岡など13県では11月届け出分までしか公表していないため、実際の届け出病院数はこれよりも多いとみられます。

地域包括ケア病棟・病床の届出に関する公表状況は、都道府県で若干異なっている点に留意が必要

地域包括ケア病棟・病床の届出に関する公表状況は、都道府県で若干異なっている点に留意が必要

 また、病床規模別では、「100-199床」による届け出が510件で最多です。このほかは「100床未満」298件、「200-299床」113件、「300-399床」74件、「400床以上」48件の順で、200床未満の中小病院による届け出が808件と、依然として全体の8割近くを占めています。また、いずれの病床規模でも届け出数は増えていますが、増加の割合は鈍化して「踊り場」に入ったようです。

 病院の開設主体別では「医療法人」が791件と大半を占めています。

24道県では、一般から病床単位での移行が目立つ

 ところで北海道、東北、中国、四国、九州の24道県では、届け出病床数も公表されていて、これらの集計からは、一般病棟からの移行が96.2%を占め、療養病棟からの移行は3.8%にとどまっていることが分かりました。

地域包括ケアへの移行は、一般病棟からが96.2%(地域包括ケアの病床数が公表されている24道県)

地域包括ケアへの移行は、一般病棟からが96.2%(地域包括ケアの病床数が公表されている24道県)

 さらに、地域包括ケアの病床を「一般・療養病棟別」「病棟・病床別」に見ると、一般病棟から病床単位で移行した、つまり地域包括ケア入院医療管理料を届け出ている病床が全体の60%を占めていることも分かります。「病棟単位で一般病床を地域包括ケアに移行させる成果は十分に出ていない」と見ることができそうです。

診療報酬上の一般病棟から、病床単位で地域包括ケアに移行した病院が最も多い(地域包括ケアの病床数が公開されている24道県)

診療報酬上の一般病棟から、病床単位で地域包括ケアに移行した病院が最も多い(地域包括ケアの病床数が公開されている24道県)

 また、個々の病院が届け出た「地域包括ケアの病床数」は、「10床未満」が最も多く153件、次いで「10-19床」が120件、「20-29床」が79件、「30-39床」が63件、「40-49床」が61件と続きます。病床数が公開されている523病院のうち、地域包括ケアへの移行を30床以下にとどめている病院が67%を占めていますが、GHCでは、「14年9月以前に亜急性期入院医療管理料を算定していた病院にとっては、病床単位での移行が最も現実的だったためではないか」とみています。

個別病院における地域包括ケアへの移行病床数、30床以下が67%を占めている(地域包括ケアの病床数が公開されている24道県)

個別病院における地域包括ケアへの移行病床数、30床以下が67%を占めている(地域包括ケアの病床数が公開されている24道県)

 なお、これら24道県では、一般病床の19.5%、療養病床の4.3%が地域包括ケアに移行しており、地域医療構想の方向性を考慮すると「今後、より一般病床からの移行が進む」と推測できます。

地域包括ケアの病床数が公開された地域における診療報酬上の病床区分の変化

地域包括ケアの病床数が公開された地域における診療報酬上の病床区分の変化

診療報酬改定セミナー2024