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医療費助成の対象疾病を拡大、新難病対策スタート、さらなる対象拡大へ議論開始

2015.1.23.(金)

 新たな難病対策が1月からスタートしています。2014年6月に成立した医療介護総合確保推進法の一環として実施されているものです。「医療費助成対象疾病(指定難病)の拡大」「自己負担割合を従前の3割から2割に引き下げ」「所得に応じて月額2500円~3万円の患者自己負担上限を設定」などが主な内容で、医療費助成対象の拡大は、今回の第1次と今年夏からの第2次の2段階に分けて実施します。

 23日に開かれた厚生科学審議会疾病対策部会の指定難病検討委員会では、今年夏からの第2次実施に向けて、新たな対象疾病の検討方法を固めました。

1月23日に開催された、第6回「厚生科学審議会・疾病対策部会・指定難病検討委員会」

1月23日に開催された、第6回「厚生科学審議会・疾病対策部会・指定難病検討委員会」

助成対象を2段階で拡大、1月からは110疾病

 第1次実施については、対象を従来の56疾病から110疾病へとほぼ倍増し、今月1日から実施されています。

15年1月から実施されている医療費助成の対象となる難病(指定難病)を110疾病に拡大(その1)

15年1月から実施されている医療費助成の対象となる難病(指定難病)を110疾病に拡大(その1)

15年1月から実施されている医療費助成の対象となる難病(指定難病)を110疾病に拡大(その2)

15年1月から実施されている医療費助成の対象となる難病(指定難病)を110疾病に拡大(その2)

がんや精神疾患などほかの支援策の対象は除外

 指定難病には、次の6つの要件を満たしたものが該当します。これらに該当する疾病の患者のうち、重症度の高い人に対して医療費の助成が行われます。

(1)発症の機構が明らかでない

(2)治療法が確立していない

(3)希少な疾病である

(4)長期の療養が必要である

(5)患者数が国内で一定の人数に達しない(人口の0.1%程度以下である)

(6)客観的な診断基準か、それに準じる専門家の共通認識がある

 これらの要件は第1次、第2次実施分とも共通ですが、第2次の対象疾病では、新たに「ほかの施策体系が樹立していない」という要件の追加が23日の会合で決まりました。難病対策がほかの施策で支援されない患者を救済するものであるためです。

 例えば「がん」や「精神疾患」「感染症」「アレルギー疾患」などは、別の支援スキーム(がん対策基本法など)が既にあるため、難病対策の対象から除外されることになりました。

 もっとも、複数の疾病が併存して発生する症候群では、がんを合併するものであっても、がんによらないほかの症状が指定難病の要件を満たすような場合には、その症候群を指定難病として取り扱うなどの例外もあります。

 さらに小児慢性疾病は、小児期の支援策が整備されていますが、成人した後に受けられるものがないため、一律に「指定難病の対象外」とはせず個別に検討していきます。

医療費の助成対象、第2次実施分は約200疾病に

 委員会では、およそ600の疾病について、新要件を加えた「指定難病の要件」に合致するかどうかを精査し、第2次実施分の対象疾病を2月中に固めたい考えです。その後、パブリックコメントや学会の意見を踏まえて、対象疾病を正式に決めて今年夏から医療費助成を開始することになります。

 拡大の検討対象となる600疾病は、「難治性疾患克服研究事業」(約500疾病)と「小児慢性特定疾病の対象疾病」(704疾病と包括病名の56疾病)の中で、新たな要件に関するデータが得られているものです。

医療費助成の対象となる難病(指定難病)の拡大に向け、難治性疾患克服研究事業と小児慢性特定疾病の対象疾病のうち600疾病を精査し、そこから200疾病を選定

医療費助成の対象となる難病(指定難病)の拡大に向け、難治性疾患克服研究事業と小児慢性特定疾病の対象疾病のうち600疾病を精査し、そこから200疾病を選定

 厚生労働省は、法律案の策定段階では「指定難病は全体で300程度になる」と見込んでおり、第2次実施分の対象疾病は最終的に200程度に絞られそうです。対象患者数は30万人程度と見込まれます。

 第2次実施分は検討対象の疾患も多いことから、調整が難航することも予想されます。厚労省健康局疾病対策課の担当者は「(検討に時間がかかり、夏の実施が)後ろ倒しになる可能性もある」と話しています。