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GemMed塾 新制度シミュレーションリリース

調剤医療費の伸び4.1ポイントの大幅減、後発医薬品の利用増で、14年度上半期

2015.2.23.(月)

 厚生労働省がこのほど発表した「2014年度上半期(4-9月)の医療費の動向」によると、医科・歯科・調剤を合わせた医療費全体は前年同期比1.4%の伸びだったことが分かりました。このうち調剤医療費の伸び率は1.8%で、13年度の伸び率が5.9%だったため、4.1ポイントの大幅減になります。この背景には、14年度診療報酬改定で機能評価係数Ⅱに追加された「後発医薬品係数」の影響などにより、「後発品の使用促進」があると厚労省は見ています。

医科医療費の伸びも鈍化、在院日数短縮などで

 14年度上半期の医療費の伸び率は全体で1.4%、診療種類別に見ると、▽医科1.1%▽歯科2.5%▽調剤1.8%-となりました。医科の内訳は、入院が1.1%、入院外が1.0%です。11年度までは前年比3%程度の伸びを示していましたが、受診延べ日数の減少によって医療費の伸びが鈍化しています。

 医療費は、「1日当たり医療費」と「受診延べ日数」に分解できます。「1日当たり医療費」の伸び率は、全体で2.0%、医科計2.1%(入院2.3%、入院外2.0%)、歯科1.6%、調剤0.2%となっています。

 一方、「受診延べ日数」の伸び率は、全体でマイナス0.6%、医科計マイナス1.0%(入院マイナス1.23%、入院外マイナス0.9%)、歯科2.5%、調剤1.6%となりました。

2014年4~9月の医療費、前年同期に比べて1.4%の伸びにとどまる

2014年4~9月の医療費、前年同期に比べて1.4%の伸びにとどまる

 医科では、医療技術の高度化に伴って「1日当たり医療費」が伸びていますが、「平均在院日数の短縮化によって受診延日数が減少し、全体の伸びが抑えられているのではないか」と、厚労省では分析しています。

公的病院で目立つ在院日数の短縮傾向

 次に、病院(医科)について医療費の動向を見てみましょう。病院では、▽医療費全体1.3%▽1日当たり医療費2.6%▽受診延べ日数マイナス1.3%-という伸び率です。

 このうち受診延べ日数を経営主体別に見ると、▽大学がマイナス1.1%▽公的がマイナス1.7%▽民間がマイナス1.1%-となっています。入院に限れば、▽大学マイナス0.6%▽公的マイナス1.7%▽民間マイナス0.7%-となっており、公的病院での在院日数短縮が目立ちます。

経営主体別に見ると、公的病院では受診延日数の減少幅が大きい

経営主体別に見ると、公的病院では受診延日数の減少幅が大きい

大規模病院で平均在院日数の短縮進む

 また、病院の受診延べ日数を病床規模別に見ると、次のようになりました。

▽20-49床:マイナス3.0%

▽50-99床:マイナス1.6%

▽100-199床:マイナス1.0%

▽200-299床:マイナス0.9%

▽300-499床:マイナス0.5%

▽500床以上:マイナス2.0%

病床規模別にみると、500床以上の大規模病院では受診延日数の減少幅が大きい

病床規模別にみると、500床以上の大規模病院では受診延日数の減少幅が大きい

 これを入院に限定すると、次のような状況です。

▽20-49床:マイナス2.5%

▽50-99床:マイナス1.4%

▽100-199床:マイナス0.4%

▽200-299床:マイナス0.8%

▽300-499床:マイナス0.5%

▽500床以上:マイナス2.0%

病床規模別にみると、医科入院医療費でも500床以上の大規模病院で受診延日数の減少が目立つ

病床規模別にみると、医科入院医療費でも500床以上の大規模病院で受診延日数の減少が目立つ

 さらに、病床規模別に「推計平均在院日数」の伸びを見ると、次のようになっています。

▽医科病院全体:マイナス2.2%

▽20-49床:マイナス1.9%

▽50-99床:マイナス1.3%

▽100-199床:マイナス1.5%

▽200-299床:マイナス1.6%

▽300-499床:マイナス2.4%

▽500床以上:マイナス3.50%

病床規模別にみると、500床以上の大規模病院で推計平均在院日数の短縮が目立つ

病床規模別にみると、500床以上の大規模病院で推計平均在院日数の短縮が目立つ

 これらから、大規模病院での受診延べ日数の減少は「平均在院日数の短縮」によるところが大きいと考えられます。

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