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「ADL維持向上加算引き上げを」理学療法士協会・半田会長-PTの活躍を後押し

2015.2.27.(金)

 日本理学療法士協会が23日、「急性期医療の『質』を高める切り札-療法士病棟配置の可能性-」と題する研修を開催しました。研修会では、同協会の半田一登会長、川崎幸病院リハビリテーション科の手塚純一氏、GHC社長の渡辺幸子が講演しました。

 2014年度診療報酬改定で新設されたADL維持向上等体制加算について、半田会長は「将来、理学療法士が病棟で活躍するために創設したもの」とし、次の報酬改定での引き上げを求める考えを示しました。渡辺からは「早期に理学療法士が介入し、予防によるADLの低下防止と在宅復帰率向上を目指してほしいという厚生労働省のメッセージ」との考えが示されました。

創設の背景に「2045年問題」、半田会長が指摘

 半田会長は、「ADL維持向上等体制加算の意義」について講演しました。

 ADL維持向上等体制加算は、14年度診療報酬改定で新設された入院基本料等加算で「一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟)または専門病院入院基本料の7対1病棟、10対1病棟について、リハビリテーション専門職を配置した場合の評価を行う」もので、入院日から14日間に限り、患者1人1日当たり25点を算定できます。

 半田会長はこの加算について、「将来の理学療法士の活躍の場を作ったものだ。25点では低過ぎるなどと言わず、発展させていってほしい」と強調しました。

 いわゆる団塊の世代がすべて75歳以上となる「2025年」が注目されていますが、半田会長はさらに20年後の「2045年問題」を重視しています。45年には高齢化率はそれほど上昇しませんが、高齢者数が大きく減少します。このため、理学療法士の活用の場の確保が課題になります。

 半田会長はこうした状況を説明した上で、「ADL維持向上等体制加算は、リハ室だけではなく、病棟における療法士の活躍の場を設定したものだ。16年度の診療報酬改定では点数の引き上げを求めていく」と述べた上で、療法士の将来の活躍の場として次の2点が重要になると強調しました。

(1)廃用予防と老化関連対策

(2)産業保健と学校保健

GHC渡辺「入院直後からのPT介入でADL向上を」

 GHCの渡辺は「激動の時代を生き抜く急性期病院のロードマップ」と題して、急性期病院の今後の方向性について展望を述べました。

日本理学療法士協会の研修会で講演する、GHC社長の渡辺幸子

日本理学療法士協会の研修会で講演する、GHC社長の渡辺幸子

 冒頭、渡辺は、最新の診療報酬改定には「モノには財源を付けないが、技術や連携には付ける」傾向があると指摘。新設されたADL維持向上等体制加算については「理学療法士が入院後にすぐ介入し、予防によるADLの低下防止と在宅復帰率向上を目指してほしい」という厚労省からのメッセージだとの見方を示しました。

 ただし、GHCが617病院を対象に調査した結果では、この加算を算定しているのは14年4-9月の期間、わずか9病院(9.1%)にとどまっており、算定日数は上限の14日が8%、1-3日と短い症例が5割を占めることが分かりました。さらに、加算を算定している病棟の疾患構成を見ると、「肺の悪性腫瘍に対する針生検や、狭心症などに対する心臓カテーテル検査、白内障手術がトップ5を占める病院もある」という状況が明らかになりました。これは大規模な1病院に引っ張られた結果とはいえ、ADL低下のリスクが極めて低い疾患に対して算定していることになります。

この点を踏まえて渡辺は「理学療法士の早期介入が本当に必要な状態かというと疑問を感じる。もしこうした状況が続けば、次期改定で厚労省が算定要件の厳格化などを行う可能性もある」と警鐘を鳴らしています。

 また渡辺は、急性期病院にはこれまで以上に「急性期らしさ」が求められることが確実だとし、具体的には次の5つの対策が重要になると指摘しました。

(1)在院日数と包括部分の医療資源マネジメント

(2)高度医療必要度の維持

(3)機能評価係数Ⅱ対策

(4)チーム医療(加算)

(5)手術室のマネジメント

 さらに、この点に関連し、実際の病院における症例を紹介した上で、「最適なリハビリテーションの提供がどの程度なのか、研究していきたい」と抱負を語りました。

 渡辺は、181病院で骨折観血的手術を受けた9288症例を対象に 、GHC が行ったクラスター分析の結果も紹介しました。「リハ1日当たり実施単位数」「リハ密度」「リハ実施日数」「リハ実施日数」によって全症例を4群に分けてそれぞれのアウトカムを比べると、これら4つの指標のインプットが優れている群では、バーサルインデックス改善や在宅復帰率がほかの群に比べて有意に高く出ました。

 GHCでは、エビデンス・データに基づいて医療の質を向上させるサービスを提供しています。リハの提供量や実施率とADL改善などの効果にどのような関係があるかを分析し、「最適なリハはどのようなもの」かを研究していく「Rehabilitation Quality Initiative(RQI)」構想も現在、練っています。