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病院の1割弱が資金不足で必要な施設整備できず-福祉医療機構調べ

2015.3.3.(火)

 「今後5年間で、老朽化の解消や耐震化のための施設整備が必要だが、できない」と考えている病院が1割弱あり、その理由として「資金的な余裕がない」「土地の確保が難しい」「医療制度改革等による影響を見極めたい」などが挙げられていることが、独立行政法人福祉医療機構(WAM)の調査から明らかになりました。

 WAMでは毎年度、医療関係施設などの資金需要に関する基礎調査を行っています。調査対象はWAMが融資対象としている民間病院で、2014年度の調査では931件が回答しています。内訳は次の通りです。

▽一般病床の割合が50%超の一般病院が463件(49.7%)で、平均病床数は166.9床

▽精神病床の割合が80%を超える精神科病院が158件(17.0%)で、平均病床数は274.2床

▽療養病床の割合が50%を超える療養型病院が294件(31.6%)で、平均病床数は134.3床

▽その他の病院が16件(1.7%)で、平均病床数は399.1床

老朽化や耐震化整備などによる施設整備需要が多い

 病院には、さまざまな施設整備の需要があります。今回の調査結果からは、特に「老朽化の解消」や「未耐震建物の耐震化整備」などの需要が多いことが明らかになりました。

病院における施設整備需要では、「老朽化の解消」や「耐震化」が多い

病院における施設整備需要では、「老朽化の解消」や「耐震化」が多い

 今後5年間の施設整備計画については、▽予定している319件(34.3%)▽予定していない472件(50.7%)▽既に着工済み60件(6.4%)▽必要だができない80件(8.6%)-という状況です。「老朽化などで施設整備が必要だができない」と考えている病院が1割弱あることが分かります。

今後5年間の施設整備計画について、「必要だができない」と考えてる病院が全体の8.6%ある

今後5年間の施設整備計画について、「必要だができない」と考えてる病院が全体の8.6%ある

 「できない」理由としては、▽資金的な余裕がない49件▽医療制度改革などによる影響を見極めたい34件▽土地の確保が難しい21件-といったところが目立ちます(複数回答)。ほかにも▽医療スタッフの確保が難しい19件▽資金調達が難しい15件▽後継者がいない5件-といった答えもありました。

必要な施設整備を行えない理由として、「資金的な余裕がない」「医療制度改革などの影響を見極めたい」「土地の確保が難しい」が多い

必要な施設整備を行えない理由として、「資金的な余裕がない」「医療制度改革などの影響を見極めたい」「土地の確保が難しい」が多い

 施設整備資金の調達先については、「金融機関」を上げる病院が最も多く202件、次いで「WAM」134件、「検討中」110件となっています。金融機関の内訳を見ると、▽地方銀行113件(金融機関の55.9%)▽都市銀行64件(同31.7%)▽信用金庫21件(10.4%)-という状況です。

看護師の確保・定着に多くの病院が苦慮

 また施設における運営課題については、「医療スタッフの人材確保に苦慮している」との答えが群を抜いている状況です。最も確保が難しく、かつ定着率が低い職種としては「看護師」が挙げられました。

多くの病院で、看護師の「確保」「定着」に苦慮している

多くの病院で、看護師の「確保」「定着」に苦慮している

 そのほかの運営課題としては、▽診療報酬改定が施設経営の改善に寄与しなかった▽新規入院患者の確保に苦慮している▽施設の保有現預金が少ない-ことなどが目立ちます。

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