7対1病床数が改定後に約1万4000床減少、施設基準厳格化で―中医協総会
2015.3.4.(水)
2014年度の診療報酬改定で施設基準が厳しくなった一般病棟の7対1について、改定後に約1万4000床減少したことが、4日に開かれた中央社会保険医療協議会総会に報告されました。この点について支払側は「効果は不十分」とし、次期改定でのさらなる厳格化を求めましたが、診療側は「評価は時期尚早。さらなる調査結果を待つべき」と反対しています。
支払側「効果は不十分」、診療側「評価は時期尚早」
社会保障税一体改革では「質の高い、効率的な医療提供体制の再構築」がうたわれており、診療報酬でも病床機能の分化・強化を推進しています。14年度の改定では、急性期病床のうち、特に7対1一般病棟入院基本料で施設基準の厳格化が行われました。具体的には、▽特定除外制度の廃止▽「重症度、医療・看護必要度」(重症度)の評価方法の見直し▽在宅復帰率の基準の創設▽データ提出加算の義務化-などです。
厚労省によりますと、7対1を算定する病床は14年3月には約38万床ありましたが、改定後の同年10月にはこのうちの約2万8000床が届け出を断念し、一方で、新たに約1万3000床の届け出が行われたため、差し引き約1万4000床減の約36万6000床となりました。
支払側の白川修二委員(健康保険組合連合会副会長)は、報告を受けて「改定の効果が十分ではなく残念。次期改定では一層の施設基準厳格化などを進めるべきだ」と主張。しかし、診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)や鈴木邦彦委員(同常任理事)は「経過措置もあり、14年10月の数字で7対1の適正化が進んでいないと判断するのは時期尚早。冷静に議論すべき」と反論しています。