看護部門の最重要経営指標は「看護必要度」、重症割合を維持・向上する3つの具体策
2015.3.5.(木)
2014年度の診療報酬改定で大幅な変更が加わり、注目を集めている「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)。300床の病院で7対1入院基本料を算定する場合、10対1入院基本料と比較して、年に約3億円の収益格差があることは、既にお伝えした通りです(関連記事『「300床台で年に3億円規模」大幅減収を回避せよ 病院ダッシュボード体験会でデータ活用法を指南』)。
7対1入院基本料の算定要件の一つである看護必要度の基準が、14年度の診療報酬改定で「10%以上」から「15%以上」に引き上げられました。それでは、重症患者の割合を維持・向上させるにはどうすればいいでしょうか。具対策としては次の3つがあります。
(1)看護必要度のデータ精度を向上させる
(2)在院日数の短縮
(3)重症症例の集患
この中で特に重要なのは、看護部で今すぐ取り組める「データ精度の向上」です。看護必要度の評価は人(看護師)が行うので、実際には評価漏れが発生するものです。GHCの独自調査によると、各項目で看護必要度の評価漏れが概ね2―4割発生することが分かっています。
こうした評価漏れの解消は、あいまいな目標を設定するだけでは期待できません。例えば、手術症例が多い病棟では「創傷処置」の頻度が高く、化学療法の症例が多い病棟では「専門的処置」を多く実施しています。このように頻度の高い項目を病棟ごとに絞り込んで、それらに集中して具体策を実践するのが近道です。
これらは看護必要度を軸とした経営改善のほんの一例です。こうした具体的な経営改善の事例、看護必要度以外の看護部門が取り組むべき経営改善策、キャッチしておくべき厚生労働省の動向などの重要情報について、GHCコンサルタントの簗取萌が「ナースマネジャー」(発行元:日総研)で関連記事を連載中です。ぜひご一読ください。