一般病床の在院日数、14年11月は17.0日-前月比0.7日増、病院報告
2015.3.6.(金)
厚生労働省が5日に発表した病院報告によりますと、2014年11月の平均在院日数は一般病床で0.7日増加し、17.0日となっていることなどが明らかになりました。
病院報告では、(1)1日平均患者数(2)平均在院日数(3)月末病床利用率-が毎月示されます。14年11月の状況を見てみましょう。
(1)の1日平均患者数は、病院では入院125万6171人(前月比4660人・04%増)、外来132万4591人(同10万5755人・7.4%減)、診療所の療養病床では入院7052人(同94人・1.3%減)となりました。
一般病床の入院患者数は66万9624人で、前月に比べて6256人(0.9%)増加しています。また療養病床では、入院患者数は29万1428人で、前月比138人(0.04%)と微増にとどまりました。
次に(2)の平均在院日数を見ると、病院全体では30.1日で、前月に比べて1.2日延びています。病床種別に見ると、一般病床17.0日(前月比0.7日増)、療養病床166.9日(同7.2日増)、介護療養病床320.3日(同12.4日増)、精神病床296.6日(同24.8日増)となりました。全病床種別で延びている点が気になります。
入院医療費は入院日数と強い相関があることから、政府は「医療費適正化」を主眼とした平均在院日数の短縮に努めています。ただし、入院期間の不要な延長は、院内感染リスクの高まりや、ADL低下などの弊害をもたらすこともあり、医療の質を高める意味でも「短縮は避けられない」という声もあります。
最後に(3)の月末病床利用率を見ると、病院全体では77.9%で、前月に比べて1.3ポイント低下しました。病床種別では、一般病床71.5%(同2.0ポイント低下)、療養病床88.1%(同0.5ポイント低下)、介護療養病床92.4%(同0.4ポイント低下)、精神病床86.1%(同0.4ポイント低下)となっています。
(2)で見たように、平均在院日数の短縮は減収につながるので、病床稼働率を上げなければ病院経営を圧迫します。国は平均在院日数の短縮を今後も促進する方針を示していて、病院現場では稼働率の向上に向けて注意する必要があります。