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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

効率的で効果的な重症患者の集患を実現する地域連携分析、病院ダッシュボードχに新機能を搭載

2019.1.8.(火)

 集患(増患)が急務だが、思うように患者が集まらない――。

 こうした悩みを抱える急性期病院の経営者は、非常に多いのではないでしょうか。グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)は、多機能型経営分析ツール「病院ダッシュボードχ(カイ)」に、地域の医療機関からの紹介患者の状況などを可視化できる【地域連携分析】を新たに追加しました。

 【地域連携分析】を用いれば、急性期病院の経営において重要な入院や手術につながる重症患者の獲得を、効率的かつ効果的に行うことができます。具体的には、以下のプロセスでサポートします。

  1. 重症患者の紹介には周辺医療機関への訪問など「連携」に向けた取り組みが必要
  2. 闇雲な訪問は非効率のため、どこから訪問すべきか優先順位の決定が欠かせない
  3. 地域連携分析を使うと、優先して訪問すべき医療機関を見える化できる
  4. 優先順位を明確にした上で訪問することで効率的かつ効果的な重症患者を獲得できる

連携を強化すべき施策の優先順位が分かる

 まず、(1)について確認します。急性期病院における集患や地域連携のスタートラインは、自院の地域連携担当者が、近隣の中小病院・クリニックを訪問し、「自院のことを知ってもらう」ことです。その際には、重症患者を受け入れることができる急性期病院であることを理解してもらい、重症患者を優先的に紹介してもらえる関係の構築も欠かせません。

 ただし、(2)にあるように、闇雲な訪問で重症患者を紹介してもらえる可能性が低い医療機関ばかりを周っていては、手間ばかりかかり、十分な成果にもつながりません。そこで「訪問先の優先順位付け」が重要になります。

 こうした医療現場の悩みに応えるため、【地域連携分】は、「優先して訪問すべき医療機関の見える化」を目指しました(3)。着目したのは、これまでDPC分析ソフトで活用することが少なかった、周辺の医療機関からの紹介患者の詳細データである「紹介データ」です。GHCでは、紹介データとDPCデータを紐づけて、独自に「連携指標」を設定。この指標に基づいて「地域連携を進めるために、訪問すべき医療機関」の順位を決められます。具体的には、医療機関ごとに「どの診療科のどの疾患の患者がどれだけ紹介されているのか、また、どれだけ入院や手術につながっているのか」を数値化し、「連携することで、より多くの重症患者を紹介してくれる」医療機関をリストアップできます。

 このリストに基づいて集患戦略を練った上で、地域連携強化に向けた訪問活動を行うことで、効率的かつ効果的な重症患者を獲得することができます(4)。

優先すべき連携先をスコア化(病院ダッシュボードχの地域連携分析のイメージ)

優先すべき連携先をスコア化(病院ダッシュボードχの地域連携分析のイメージ)

 ところで、近隣医療機関から患者の紹介を受けるためには、同時に、自院から近隣医療機関への「逆紹介」を進めなければいけません。紹介患者を、紹介元医療機関へしっかりと戻す(逆紹介する)ことで、「信頼」を高め、「win-win関係」を構築することが重要です。地域のクリニックにとって、患者の紹介は「自院の患者を失うかもしれない」という危惧が常に付きまとっていることを忘れていけません。

「病院ダッシュボードχ」のオプション機能「外来分析」と併用することで逆紹介も推進(病院ダッシュボードχの外来分析のイメージ)

「病院ダッシュボードχ」のオプション機能「外来分析」と併用することで逆紹介も推進(病院ダッシュボードχの外来分析のイメージ)

 GHCシニアマネジャーの塚越篤子は、「一般的に病院の外来症例では、30-40%が『単価5000円未満の症例』で占められていることが多く、収益面でみれば『外来収益の5%にも満たない』ことがほとんどである。こうした症例は積極的に地域に戻し、急性期病院は手術などの重症症例に時間を割くことが必要となる。このように逆紹介を進めることで『自院は重症患者への資源集中』『紹介元医療機関は増患』というwin-winの関係が構築できる」と解説します。

 実際、塚越のクライアントで、長年、地域連携を支援させていただいてきた福岡県済生会福岡総合病院(380床)では、2017年度の紹介率は86.9%、100床あたりの紹介件数は月間505件で全国トップクラスを誇り、地域連携を積極的に進めている状況が伺えます(詳細はこちら)。当然、「目標」である新入院患者数も年々増加。「患者が集まる急性期病院」のお手本になるような事例です。しかも、同院は急性期病院の激戦区の一つ、福岡市中央区でこのような実績を残しています。

左上が済生会福岡総合病院の紹介率(2017年度、同院のホームページより)、右上が同院の新入院患者数(同)、下が「病院ダッシュボードχ(カイ)」の「地域連携分析」(縦軸が100床あたりの紹介件数、横軸がベンチマークした病院数)で分析した同院の紹介件数ベンチマーク(左のブルーの縦線が同院で、トップクラスの紹介件数を誇る)

左上が済生会福岡総合病院の紹介率(2017年度、同院のホームページより)、右上が同院の新入院患者数(同)、下が「病院ダッシュボードχ(カイ)」の「地域連携分析」(縦軸が100床あたりの紹介件数、横軸がベンチマークした病院数)で分析した同院の紹介件数ベンチマーク(左のブルーの縦線が同院で、トップクラスの紹介件数を誇る)

 長年、済生会福岡総合病院の経営を支援してきた塚越は、「『正しい地域連携』を行うためには、データで課題を確認した上で、優先順位を明確にし、最適な目標設定を設けて、PDCAを回し続けることが欠かせない」と指摘します。

病院ダッシュボードχの導入病院は無料で使える

 病院ダッシュボードχを活用することで、正しい地域連携を推進することが可能です。現時点で紹介データを活用した地域連携分析ができるシステムを提供しているのはGHCだけです。

 病院ダッシュボードχの【地域連携分析】(詳細はこちら)と【外来分析」(詳細はこちら)の紹介ページを是非、ご確認ください。

 また、病院ダッシュボードχのベースパッケージ契約病院であれば、地域連携紹介データをGHCへ提出するだけで、追加費用なしで利用することができます。地域連携紹介データの作成方法については「dashboard★ghc-j.com」(※「★」記号を「@」記号に置き換えて下さい)までお問い合わせください。

解説を担当したコンサルタント 塚越 篤子(つかごし・あつこ)

tsukagoshi 株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンのコンサルティング部門シニアマネジャー。
テンプル大学教養学部経済学科卒業。経営学修士(MBA)。看護師・助産師として10年以上の臨床経験、医療連携室責任者を経て、入社。医療の標準化効率化支援、看護部活性化、病床管理、医療連携、退院調整などを得意とする。済生会福岡総合病院(事例紹介はこちら)、砂川市立病院など多数の医療機関のコンサルティングを行う。新聞の取材対応や雑誌への寄稿など多数(「隔月刊 地域連携 入退院支援」の掲載報告はこちら)。
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