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診療報酬改定セミナー2024 看護モニタリング

93.6%の病院で医師数標準を満たし、99%の病院で看護師数標準満たす―2012年度立入検査結果

2015.3.23.(月)

 2012年度に医師配置の標準数を満たしている病院は93.6%で前年度に比べて1.1ポイント改善しており、また看護師については99.0%で0.4ポイント悪化、薬剤師については95.6%で0.3ポイント改善していることが、都道府県などが行った立ち入り検査の結果から明らかになりました。

 都道府県都知事や、保健所設置市の市長、特別区の区長は毎年度、医療法第25条の規定に基づいて医療機関に対する立入検査を実施し、人員配置や構造設備などが医療法の規定に適合しているかどうかをチェックしています。全国の適合状況については厚生労働省が取りまとめており、12年度の結果は20日に公表されました。検査目的について厚労省は、「医療機関が良質かつ、適正な医療を行う場としてふさわしいかを確認するため」と説明しています。

 2012年度は、8567病院のうち8124病院に立ち入り検査が行われ、実施率は94.8%となりました。

医師配置は年々改善し、12年度は93.6%の病院で適合

 医師の配置(病棟)について、医療法では▽一般病床は16対1▽療養病床は48対1▽100床以上などの精神病院では16対1―などの標準数が定められています。

 この標準数を満たしているかどうかを見ると、12年度は93.6%の病院が満たしていることが分かりました。前年度の検査時点では92.5%でしたので、1.1ポイント改善しています。また06年度には85.0%の病院しか適合しておらず、年々改善していることが分かります。

立入検査1 150320
立入検査2 150320

 また地域別に見ると、北海道・東北では86.1%、北陸・甲信越では90.4%、四国では90.9%と、地域間の格差があります。もっとも、いずれの地域でも適合率は上昇しており、各病院の努力が伺えます。

立入検査3 150320

 さらに病床規模別に見ると、▽500床以上では99.1%▽400-499床では97.3%▽300-399床では96.7%▽200-299床では96.0%▽150-199床では94.0%▽100-149床では92.8%▽50-99床では92.1%▽20-49床では88.7%―となっており、規模の小さな病院ほど医師確保に苦労していることが分かります。

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 なお、医師を標準よりも多く配置している病院は7606あり、全体の93.6%を占めていますが、標準の50%に満たない医師しか配置できていない病院も8施設(0.1%)あります。

看護師配置は99%の病院で適合するが、関東・近畿で悪化

 一方、看護師・准看護師について、医療法上、▽一般病院の一般病床は3対1▽同じく療養病床は4対1(6対1を認める経過措置あり)▽特定機能病院は2対1―といった標準配置数が定められています(病棟)。

 この適合状況を見ると、12年度は99.0%の病院で医療法標準を満たしていることが分かりました。前年度と比べて、0.4ポイント悪化しています。

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 すべての地域で適合率は悪化しており、関東(0.6ポイント悪化)と近畿(0.7ポイント悪化)で悪化が目立ちます。特に関東では、適合率は98.2%にとどまっており、看護師不足が進行していると伺えます。

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 病床規模別に見ると、▽500床以上では99.8%▽400-499床では100.0%▽300-399床では99.6%▽200-299床では99.6%▽150-199床では99.4%▽100-149床では99.1%▽50-99床では98.0%▽20-49床では98.6%―となっており、やはり規模の小さな病院ほど看護師・准看護師の確保・定着に苦労していることが分かります。

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 なお、看護師・准看護師を標準よりも多く配置している病院は7993施設で、全体の98.4%を占めています。標準の50%に満たない看護師・准看護師しか配置できていない病院は28施設です。

薬剤師配置は95%の病院で適合

 薬剤師については、医療法上、▽一般病院の一般病床は70対1▽同じく療養病床は150対1▽特定機能病院は30対1―などといった標準配置数が定められています(病棟)。

 この適合状況を見ると、12年度は95.0%の病院で医療法標準を満たしていることが分かりました。前年度と比べて、0.3ポイント改善しています。

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 地域別に見ると、関東と中国で前年度よりも適合率が悪化していますが、ほかの地域では改善しました。適合率の低い地域は、中国(92.7%)、九州(93.4%)、北海道・東北(94.2%)などです。

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 病床規模別に見ると、▽500床以上では97.9%▽400-499床では97.5%▽300-399床では97.2%▽200-299床では95.5%▽150-199床では95.4%▽100-149床では97.5%▽50-99床では95.9%▽20-49床では89.7%―となっており、やはり規模の小さな病院ほど薬剤師確保に苦労されています。

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病室定数は98.9%の病院で遵守、四国は大幅改善

 最後に、病室定員の適合率(超過入院をさせていないかどうか)を見ると、98.9%の病院では定員を順守しています(前年度よりも0.1ポイント改善)。地域別では、四国(98.1%)と北海道・東北(98.5%)で適合率が低くなっていますが、四国では前年に比べて5.2ポイントを大幅に改善しました。

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 なお、病院全体で法令順守の度合いが芳しくないのは、低い順に(1)職員の健康管理(適合率90.5%)(2)医師数(同93.6%)(3)医療法許可の変更(95.2%)(4)その他の医薬品の管理(同95.3%)(5)薬剤師数(同95.6%)(6)医療機器の保守点検実施(同96.4%)―などといった項目です。

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