一般病床の稼働率が大幅ダウン、病院報告―14年12月、前月比10ポイント以上減
2015.3.27.(金)
厚生労働省が26日に発表した病院報告によりますと、2014年12月の一般病床の利用率が前月に比べて10ポイント以上低下し60.9%となったことなどが明らかになりました。
病院報告では、(1)1日平均患者数(2)平均在院日数(3)月末病床利用率-が毎月示されます。14年12月の状況を見てみましょう。
(1)の1日平均患者数は、病院では入院125万2514人(前月比3657人・0.3%減)、外来138万8091人(同6万2500人・0.5%増)、診療所の療養病床では入院7017人(同35人・0.5%減)となりました。前月からの大きな変動はありません。
一般病床の入院患者数は66万5823人で、前月に比べて3801人(0.6%)減少しています。また療養病床では、入院患者数は29万2628人で、前月比1200人(0.4%)の減少となりました。
次に(2)の平均在院日数を見ると、病院全体では28.7日で、前月に比べて1.4日短縮しました。病床種別に見ると、一般病床16.2日(前月比0.8日減)、療養病床152.6日(同14.3日減)、介護療養病床310.6日(同9.7日減)、精神病床280.7日(同15.9日増)となりました。精神を除くすべての病床で大きく短縮しています。
在院日数の短縮は、医療費の効率化や、医療の質の向上(院内感染リスクの解消やADL低下などの防止)につながるため、政府の重要政策となっています。
最後に(3)の月末病床利用率を見ると、病院全体では71.9%で、前月に比べて6.0ポイントと大幅に低下しました。病床種別では、一般病床60.9%(同10.6ポイント低下)、療養病床88.6%(同0.5ポイント上昇)、介護療養病床92.3%(同0.1ポイント低下)、精神病床86.0%(同0.1ポイント低下)で、一般病床の稼働率が大幅に低下しました。
(2)で見たように、平均在院日数の短縮は減収につながるので、病床稼働率を上げなければ病院経営を圧迫します。病院経営では、在院日数の短縮とともに、病床稼働率を上げる取り組みを考えなければいけません。