人生の最終段階における医療、患者の意思決定を基本に―厚労省
2015.3.30.(月)
厚生労働省は25日、「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」の改訂版を都道府県知事宛てに通知しました。
改訂内容は、これまでの「終末期医療」という言葉を「人生の最終段階における医療」に変更したにとどまります。そのため、名称も「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」に改められています。簡単にガイドラインの内容を振り返っておきましょう。
ガイドラインでは、「人生の最終段階における医療およびケア」の在り方と決定手続きの基本的な考え方を示し、▽医療従事者からの適切な情報提供と説明▽患者と医療従事者との話し合い▽患者本人による決定―を基本に進めることが最も重要だと確認しています。
その上で、患者の意思を確認できる場合には、「専門的な医学的検討を踏まえたうえでインフォームド・コンセントに基づく患者の意思決定」を基本とすることを指摘。その際、▽患者と医療従事者の間で、治療方針に関する合意内容を文書にしておく▽時間の経過、病状の変化などで意思が変化することに留意し、再確認を行う▽患者が拒まない限り、決定内容を家族にも伝える―ことが重要と指摘しています。
一方、患者の意思が確認できない場合には、▽家族が患者の意思を推定できる場合には、それを尊重する▽家族でも推定できない場合には、家族と医療従事者が話し合う▽家族がいない場合には「患者にとっての最善」を医療・ケアチームが考慮する―よう求めています。
なお、ここでいう家族は法的な親族関係のみを意味するのではなく、より広く「患者が信頼を寄せ、人生の最終段階の患者を支える存在」と捉える必要があります。
さらに、いずれの場合でも「妥当な医療・ケアの内容が決定できない」ことを想定し、事前に「複数の専門家からなる委員会」を設置し、治療方針の検討や助言を求めることを提案しています。