日本の医療・福祉は良くなっている?悪くなっている?―年代・性別で格差、内閣府世論調査
2015.4.13.(月)
内閣府が先ごろ発表した社会意識に関する世論調査結果によりますと、国民の26.7%が「医療・福祉」が良い方向に向かっていると考えており、特に20歳代と70歳以上で3割以上がそう考えていることが分かりました。一方、「医療・福祉」が悪い方向に向かっている人も16.9%おり、50歳代、60歳代でその割合が高くなっています。
この調査は、▽国や社会との関わり▽社会の現状に対する認識▽国の政策に対する評価―について、国民の意識を調べるもので、毎年実施されています。2015年の調査は、20歳以上の日本国民、1万人を対象に1月に行われており、有効回答率は60.1%です。
まず、現在の日本の状況について「良い方向に向かっている」と思われる分野を見ると、「科学技術」を挙げる人が最も多く30.1%。次いで「医療・福祉」(26.7%)、「防災」(21.3%)、「治安」(18.9%)となっています。「医療・福祉」が良い方向に向かっていると考える人の割合は、前年に比べて0.9%減少しました。
「医療・福祉」が良い方向に向かっていると考える人の割合は、調査年によって変動が大きく、05年2月には27.2%でしたが、09年1月には13.2%にまで落ち込みました。09年以後は増加傾向にあります。
「医療・福祉」が良い方向に向かっていると考えている人を、住所地の規模別に見ると、▽大都市24.9%▽東京都区部24.1%▽政令指定都市25.1%▽中都市27.3%▽小都市27.9%▽町村26%―となっており、大きな差は見られません。
一方、地域別に見ると、▽北海道25.7%▽東北24.1%▽関東26.6%北陸27.4%▽東山(山梨、長野、岐阜)28.9%▽東海(静岡、愛知、三重)26.2%▽近畿26%▽中国32.1%▽四国34.4%▽九州23.9%―という具合に、中四国地方で高いことが分かります。
また、性別では、男性が27.5%、女性が26%で、大きな差はありません。
年齢別に見ると、▽20-29歳で33.5%▽30-39歳で25%▽40-49歳で21.8%▽50-59歳で25.5%▽60-69歳で26.1%▽70歳以上で30.3%―となっており、20歳代、70歳以上で高い状況です。
さらに性別・年齢別に見ると、▽70歳以上男性の34.5%▽20-29歳男性の34%▽20-29歳女性の33%―で「医療・福祉」が良い方向に向かっていると考える人の割合が多くなっています。
一方、「医療・福祉」が悪い方向に向かっていると考えている人も16.1%おり、前年よりも2.2ポイント増加しています。
「医療・福祉」が悪い方向に向かっていると考えている人を、住所地の規模別に見ると、▽大都市18.7%▽東京都区部18.8%▽政令指定都市18.7%▽中都市16.9%▽小都市15.4%▽町村15.7%―となっており、都市部で「医療・福祉」は悪い方向に向かっていると考える人が多いようです。
一方、地域別に見ると、▽北海道20.6%▽東北16.8%▽関東18.6%▽北陸14.6%▽東山(山梨、長野、岐阜)13%▽東海(静岡、愛知、三重)15.6%▽近畿16.6%▽中国15%▽四国22%▽九州14.7%―という具合に、中四国地方で高いことが分かります。
また、性別では、男性が16.2%、女性が17.5%で、やや女性のほうが多いようです。
年齢別に見ると、▽20-29歳で13.4%▽30-39歳で17.7%▽40-49歳で18.6%▽50-59歳で20.2%▽60-69歳で20.9%▽70歳以上で10.5%―となっており、50歳代、60歳以上で高い状況です。
さらに性別・年齢別に見ると、▽60-69歳女性の21.5%▽50-59歳男性の21.3%▽60-69歳男性の20.2%―で「医療・福祉」が悪い方向に向かっていると考える人の割合が多くなっています。