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介護労働安定センターの機能強化や、機器導入で介護者の負担軽減を―介護雇用管理改善等計画を改正

2015.4.14.(火)

 厚生労働相の諮問機関である労働政策審議会は13日、「介護雇用管理改善等計画」の全部を改正するべきとの考え方をまとめ、塩崎恭久厚労相に提出しました。改正案では、「介護労働安定センターの訪問により、その事業所の介護職員離職率を14%以下に抑える」などの新目標を立て、介護労働安定センターの相談機能強化や、介護労働者の負担を軽減するための機器導入への助成などの施策を打ち出しています。

介護職員確保に向け、雇用管理改善等計画を見直し

 介護労働に従事する人材の確保・定着を図るため、「介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律」が2002年に制定され、そこには厚労相に対して「介護労働者の雇用管理の改善、能力の開発・向上などに関して重要な事項を定めた計画」(介護雇用管理改善等計画)を定めるよう指示しています。

 従来の介護雇用管理改善等計画は14年度までが対象期間です。いわゆる団塊の世代が75歳いじょうになる25年には「介護労働者は現在の1.5倍となる237万~249万人が必要」と見込まれており、介護労働者の確保・定着が喫緊の課題です。そうした中で今回、労政審が「介護雇用管理改善等計画」を全面的に見直す必要があるとし、具体的な改正内容を厚労相に提言したものです。

介護労働安定センターの訪問で離職率14%以下目指す

 改正計画の期間は15年度から20年度までの5年間で、次のような目標が設定されるもようです。

▽介護職員の離職率(13年度は介護職員と訪問介護員の合計で16.6%)について、全産業(同15.6%)との乖離(かいり)をできるだけ縮小する

▽介護労働安定センターが相談訪問を行った事業所の離職率を14.0%以下とする

▽小規模事業所・開設間もない事業所への相談訪問割合を、全相談訪問件数の50%以上とする

▽介護労働講習修了後3か月時点の就職率を継続的に85%以上とする

▽雇用管理責任者を選任した事業所の割合を全事業所の50%以上とする

▽雇用管理責任者講習の受講を契機として雇用管理責任者を選任した事業所の割合を受講者の所属事業所の80%以上とする

▽教育・研修計画を立てている事業所の割合を60%以上とする

▽政府が掲げる「有給休暇取得率の目標70%以上」に向けて、取得推進に取り組む

「事業主の意識向上」が最も重要

 こうした目標値を設定するため、計画には(1)雇用管理の改善(2)職業能力の開発・向上―の2つの側面から、具体的に取るべき施策を設定しています。

 (1)の「雇用管理の改善」に関しては、事業主自身の意識向上・自主的な取り組みが最も重要なため、事業主や施設長らへの研修実施などを打ち出しています。具体的には、次のような施策が提案されています。

▽雇用管理全般に関する知識やノウハウを取得するための、雇用管理責任者講習を行うとともに、雇用管理責任者の選任を一層促す有効な方策について検討を行う

▽介護労働安定センターによる事業主からの多種多様な相談にきめ細かく対応する

▽雇用管理制度の導入、実施や介護労働者の負担軽減を図るための介護福祉機器導入などの実施に対する助成を行う

▽地方公共団体は、「自己チェックリスト」を事業主へ提供するとともに、事業主から自発的に地方公共団体に提出された場合は、介護労働安定センターへつなぐ仕組みを構築する

▽公共職業安定所と介護労働安定センターとの連携を強化する

 (2)の「能力開発・向上」に関しては、介護労働安定センターによる「介護労働講習の実施」や「キャリア形成に関する相談援助」、「能力開発・キャリアアップ支援のための助成金活用」などが提案されました。

 このほか、▽人材確保のために、ハローワークで事業所の経営理念や標準的キャリアパスなどの情報を提供する▽介護職員処遇改善加算の拡充に向けて、資質向上や雇用管理改善を進める事業所を対象とした「さらなる上乗せ加算」を設ける―ことなども提言しています。