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2019年10月からの特定処遇改善加算、一定要件満たせば「任意の賃金改善実施期間」設定可能―2019年度介護報酬改定QA(3)

2019.9.4.(水)

 厚生労働省は8月29日に、2019年度介護報酬改定に関するQ&AのVol.3(疑義解釈その3)を公表しました。
▼Q&AのVol.1に関する記事はこちら
▼Q&AのVol.2に関する記事はこちら

 2019年10月の消費税率引き上げ(8%→10%)に合わせて、介護報酬については▼基本単位数の引き上げ(消費税対応改定)▼介護職員等特定処遇改善加算(以下、特定処遇改善加算)の創設―という2つの改定が行われます(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。今般のQ&Aでは、Vol.1・Vol.2に続き、後者の特定処遇改善加算について介護現場の疑問に答えています。

2019年度の介護報酬改定に関する厚労省の告示・通知等の一覧(厚労省サイト)

法人単位の加算取得でも、申請は指定権者ごとに行うことが必要

 特定処遇改善加算は、今年(2019年)10月予定の消費税率引き上げに伴う増収分を財源として、従前よりある【介護職員処遇改善加算】のI-IIIを取得している介護サービス事業所・施設(以下、介護事業所等)に対し、主に「勤続10年以上の介護福祉士」をターゲットとして「処遇改善」(給与引き上げ等)を行うための原資を提供するものです。ただし介護事業所等の判断で「それ以外の職員」(介護職員、介護職員以外)の処遇改善にも柔軟に充てることも可能です。
 
 
 特定処遇改善加算は、「勤続10年以上の介護福祉士の処遇改善」を主目的とするため、処遇改善ルール(財源の配分ルール)が定められています。具体的には、「勤続10年以上の介護福祉士」を基本とする経験・技能のある介護福祉士(介護福祉士であることが必須)に対しては、▼事業所等の中で「月額8万円の処遇改善となる者」または「改善後の賃金が年収440万円(役職者を除く全産業平均賃金)以上となる者」が1人以上▼平均の引き上げ幅が「その他の介護職員」の引き上げ幅の2倍以上―となるような処遇改善を行う、などです。

 
この点、「Q&AのVol.1」では、「事業所等ごと」のみならず、「法人単位」で特定処遇改善加算の取得をする場合、例えば、法人単位で配分ルール(▼月額8万円の処遇改善となる者▼改善後の賃金が440万円以上となる者▼「経験・技能のある介護職員」「その他の介護職員」「その他の職種」―)を設定などすることが可能な旨を詳しく示しています。法人内での職種構成に応じて、バランスのとれた柔軟な処遇改善を行うことを可能とするものです。

さらに、今般のQ&A(Vol.3)では、法人単位で配分ルールを設定し処遇改善を行う場合でも、厚労省通知「介護職員等特定処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」の「複数の介護サービス事業所等を有する介護サービス事業所等の特例」に基づいて、「指定権者毎に申請が必要」となることを示しています。

通知「介護職員等特定処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(抜粋)
2 特定加算の仕組みと賃金改善の実施等

(4)複数の介護サービス事業所等を有する介護サービス事業者等の特例
介護職員等特定処遇改善計画書は、法人が複数の介護サービス事業所等を有する場合であって介護サービス事業所等ごとの届出が実態に鑑み適当でない場合は、当該介護サービス事業者等が一括して作成することができる。また、同一の就業規則等により運営されている場合に、地域ごとや介護サービスごとに作成することができる。都道府県等(当該介護サービス事業所等の指定権者が都道府県知事である場合は都道府県とし、市町村長である場合は、市町村(特別区を含む。以下同じ。)とする。以下同じ。)の圏域を越えて所在する複数の介護サービス事業所等を有する介護サービス事業者等(法人である場合に限る。)についても同様とする。(以下略)

 
 
 ところで、特定処遇改善加算を取得するために給与等の見直しを行ったり、職場環境改善を行うに際し、介護事業所等によっては「就業規則の改正」がなされることがあるでしょう。

この点、今般のQ&A(Vol.3)では、「計画書に添付する就業規則等に関し、2019年度は『8月末時点の提出期限までに内容が確定していない場合は、暫定版の添付でよい』としたうえで、内容に変更が生じた場合、確定したものを2019年12月13日までに指定権者(都道府県や市町村)に提出する必要がある」ことを明確にしています。

 
 
 また、特定処遇改善加算を届け出る際には、年度ごとの「賃金改善見込み額」などについて計画書に詳しく記載し、それを指定権者(都道府県や市町村)に提出し、受理されなければいけません。例えば「賃金改善見込み額」については、「改善後の賃金総額」と「改善前の賃金総額」との差額を示し、「実際にどの程度の賃金改善がなされるのか」を明確に示すことなどが必要です。しかし、2019年度は年度途中(10月)から特定処遇改善加算が創設されるため、「総額」をどのように捉えればよいのか(実額でよいのか、年度に換算するのかなど)という点で疑問が生じます。

この点について、今般のQ&A(Vol.3)では、「計画書は年度毎に提出するため、年度単位で記載することが必要」との一般則を示した上で、「2019年10月から算定する場合においては、前年度の賃金の総額欄については、前年度の賃金の6か月分を記載する」ことを明らかにしました。

 
さらに、「賃金改善実施期間」の設定について、通知「介護職員等特定処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」では、「2019年度は10月~翌年3月を想定している」ことが示されています。

 
ただし、今般のQ&A(Vol.3)では、次の条件を満たす場合に限り「事業者が任意に選択できる」ことを明らかにしています。
▼月数は加算算定月数と同じでなければならない
▼当該年度の加算算定の根拠となるサービス提供の期間の初月から、当該年度の介護職員等特定処遇改善加算支払終了月の翌月までの連続する期間でなければならない
▼各年度において重複してはならない

 

 

 

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