65歳以上の介護保険料、全国平均5514円に―12-14年度の10.9%増、4月から
2015.4.30.(木)
65歳以上の介護保険第1号被保険者が納める保険料が、4月から全国平均で5514円となることが分かりました。厚生労働省が28日に発表した集計結果で明らかになったもので、2012‐14年度に比べ10.9%の増です。20年度には全国平均で6771円、25年には8165円となる見込みです。
介護保険には40歳以上の人が加入し、65歳以上が第1号保険者、40-64歳が第2号被保険者となります。
第1号被保険者は、保険者(主に市町村)ごとに定められた保険料を納めます。保険料は、3年ごとにどれだけの介護サービスが使われるかを市町村が見込み、それをベースに設定されます。
15年4月から始まった第6期の事業計画期間では、第1号被保険者の保険料率は全国平均で5514円となりました。12-14年度(第5期事業計画期間)の4972円に比べて10.9%の増加となりました。
都道府県別に見ると、最も高いのは沖縄の6267円、最も低いのは埼玉の4835円で、1.3倍の格差があります。第5期事業計画期間からの上昇率は、山形の18.0%が最も大きく、新潟の5.7%増が最も小さくなっています。
保険者別に見ると、保険料が最も低いのは鹿児島県三島村の2800円、逆に最も高いのは奈良県天川村の8686円で、格差は3.1倍となっています。
保険料の分布を保険者別に見ると、5000円台前半が最も多く457保険者、次いで5000円台後半456保険者、4000円台後半334保険者、6000円台前半115保険者という状況です。
第1号被保険者の保険料の推移を見ると、2000-02年度には2911円でしたが、03-05年度は3293円、06-08年度は4090円、09-11年度は4160円、12-14年度は4972円、15-17年度は5514円と上昇しています。
制度発足時に比べて1.89倍に上昇していますが、これは高齢者の増加と、サービス供給量の拡大が主な要因と考えられます。
また、厚労省は将来の保険料の見込みも集計しており、それによりますと20年度には6771円で、12-14年度の1.36倍、制度発足時の2.3倍となります。さらに、いわゆる団塊の世代がすべて75歳以上になる25年には8165円で、12-14年度の1.64倍、制度発足時の2.8倍に膨らみます。
介護保険料の増加は、介護費用が膨張することを意味します。介護保険の財源は、2分の1を公費(国が4分の1、都道府県と市町村が8分の1ずつ)、2分の1を保険料で賄っていますので、公費も増加していきます。
さらに、保険料の増加に高齢者がこらえ切れるのかという問題もあり、介護費の伸びをいかに適正化していくかが今後、さらに重要なテーマになりそうです。