育休復帰後の保健師9割が「相談相手や情報提供が必要」―日看協調査
2015.5.18.(月)
保健師の5割強が産前・産後休暇や育児休暇を取得しており、取得回数は平均で1.1回、取得期間は平均で2.0年であることが、日本看護協会の調査で分かりました。
もっとも産前休暇などを取得した保健師の7割超が職場復帰に不安を抱えており、8割超の看護師は「相談相手の配置」や「新たな制度などに関する情報提供」などが必要と感じています。
日看協は、保健師の活動実態を把握するために、保健師として活動するすべての人(4万7279人)を対象に「活動基盤に関する調査」を行っています。2009年度、10年度に続き、14年度の調査結果を15日に公表しました。回答率は49.7%。
まず、産前休暇、産後休暇、育児休暇(以下、休暇)の取得状況を見ると、取得者は54.4%、取得していな人は45.6%ですが、回答者には未婚者や男性なども含まれています。
休暇を取得した人の取得回数は、2回が最も多く26.0%。1回が14.5%、3回が12.6%と続き、5回以上取得している人も0.1%いました。平均取得回数は1.1回です。
また、休暇の取得期間は1年以上3年未満が最も多く53.6%、1年未満が34.4%などで、平均は2.0年となっています。
一定程度、休暇を取得している状況が伺えますが、休暇取得者の74.4%は職場復帰するにあたり「不安があった」「不安がある」と答えています。
休暇中にどのようなサポートを受けたのかについては、「休暇取得前の部署や担当へ復帰できるような人事的配慮」が最も多く42.1%、「復帰後の職務の引き継ぎ」41.8%、「上司との面談など」41.5%などが多くなっています(複数回答)。
また職場復帰後のサポートとしては、「職務の引き継ぎ」71.0%、「スケジュールや職務に関する説明」52.9%、「休暇取得前の部署や担当へ復帰できるような人事的配慮」48.3%などが目立ちます(複数回答)。
しかし、「実際に受けたサポート」と「必要なサポート」には若干の食い違いもあるようです。食い違いが大きかったのは、休暇中・復帰後のいずれでも「復帰後に相談できる人の位置づけ」や「新たな制度や法律改正、研修などに関する情報提供」などで、特に後者では、復帰後には9割の人が必要と考えおり、今後の体制充実が求められます。
一方、保健師に対する現認教育体制については、「研修参加予算の確保」69.4%、「現認教育プログラムやマニュアルの整備」48.0%などが多くなっています。
また中堅研修や管理期研修について、受講していない理由を聞くと、「研修自体がない」という答えが最も多く、ほか「業務が多忙で参加できない」「研修参加者に指名されなかった」が続いています。研修体制の整備や、業務面でのサポートが必要と言えそうです。
なお「自己研さんのための研修」などへは、8割弱(79.1%)が参加した経験をもっており、スキルアップに向けた意欲の高さがうかがえる結果となっています。