抗菌剤の『オルドレブ』、次の改定まで出来高算定―DPCの高額薬剤を厚労省が通知
2015.5.26.(火)
DPCで包括対象外となる高額な新薬の取り扱いについて、厚生労働省は都道府県などに宛てて20日付で、通知しました。
8つの薬剤が対象で、『コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム』(販売名:オルドレブ点滴静注用150ミリグラム)などを用いた治療では、次の診療報酬改定まではすべての診断群分類で出来高算定となります。
DPC制度では、診断群分類ごとに、入院基本料や検査、薬剤費などの費用が包括された定額の診療報酬が、診断群分類ごとに支払われます。この定額報酬は、定型的な治療内容と実績に基づいて設定されます。
ただ、そのためそのため高額な新薬が保険収載された場合、その費用は定額報酬には反映されていないので、DPC病院がその新薬を使用すると、病院の支出が定額報酬を上回ってしまう(持ち出しになる)こともあります。
これでは画期的な新薬の普及使用が遅れてくなり、患者の利便性が阻害されてしまうため、一定の要件を満たした場合、高額な新薬はDPCの包括報酬の対象外となり、その新薬を用いた治療は出来高算定となります。
13日の中央社会保険医療協議会・総会で保険収載が承認された新薬のうち、新たに次の8つの医薬品が要件を満たしたことから、DPCの包括外となることを厚労省が通知しました。
(1)『「リバビリン』」(販売名:コペガス錠200ミリグラム)を慢性C型肝炎(DPCの上6桁コードが06295)の治療に用いる場合
(2)難病の一種であるゴーシェ病の症状改善に用いる『エリグルスタット酒石酸塩』(販売名:サデルガカプセル100ミリグラム)を代謝障害(その他)(100335)の治療に用いる場合
(3)甲状腺がん治療薬の『「レンバチニブメシル酸塩』」(販売名:レンビマカプセル4ミリグラム、同10ミリグラム)を甲状腺の悪性腫瘍(100020)の治療に用いる場合
(4)多発性骨髄腫治療薬の『「ポマリドミド』」(販売名:ポマリストカプセル1ミリグラム、同2ミリグラム、同3ミリグラム、同4ミリグラム)を多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物(130040)の治療に用いる場合
(5)『「ソホスブビル』」(同ソバルディ錠400ミリグラム)を慢性C型肝炎(060295)の治療に用いる場合
(6)胃がん治療薬の『「ラムシルマブ(遺伝子組み換え)』」(販売名:サイラムザ点滴静注液100ミリグラム、同500ミリグラム)を胃の悪性腫瘍(060020)の治療に用いる場合
(7)抗菌剤の『「コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム』」(販売名:オルドレブ点滴静注用150ミリグラム)
(8)出血を抑制する『「カトリデカコグ(遺伝子組み換え)』」(販売名:ノボサーティーン静注用2500)
(7)と(8)の薬剤にを用いた場合、「すべての診断群分類」で出来高算定となります。