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GemMed塾 ミニウェビナー DPC委員会のありかたとは?

ハイケアユニット管理料2の基準緩和を、一般病棟での算定容認も―日看協が改定要望

2015.5.28.(木)

 日本看護協会は27日、厚生労働省保険局の唐澤剛局長と同局医療課の宮嵜雅則課長に宛てて、2016年度診療報酬改定に関する要望書を提出しました。「高度急性期医療を安全に提供するために、病床の看護師配置を充実する」ことや「円滑な退院支援の整備」「訪問看護ステーションの機能強化」などを求めています。高度急性期の具体的な要望内容では、ハイケアユニット入院医療管理料2(5対1看護など)の施設基準を見直し、一般病棟でハイケアユニットに準じた病棟を設けた場合に同管理料2の算定を認めるよう求めています。

救命救急における看護配置充実への評価も要望

 日看協の要望は次の5本の柱で構成されています。

(1)高度急性医療を安全に提供できる体制を作り、病床の看護師配置を充実させるとともに、救急医療の体制を整備する

(2)円滑な退院支援を整備するとともに、生活行動回復による在宅移行の推進を図る

(3)ライフステージに応じた訪問看護提供体制を拡充するとともに、訪問看護ステーションの機能を強化する

(4)労働環境の整備・充実を図るため、夜勤体制の整備や、健康・生活に配慮した夜勤・交代制勤務に資する評価を行う

(5)多職種協働による役割分担の推進によって医療提供を効率化する

 (1)では、「高度急性期の中でも、医療の高度化、患者の高齢化、看護職員の労働負荷を考えると、現状以上の看護配置が必要な病棟が出てくる」とし、次のような内容を求めています。

▽ハイケアユニット入院医療管理料2の施設基準を見直し、一般病棟でハイケアユニットに準じた病棟を設けた場合に同管理料2の算定を可能にする

▽救命救急センターについて人員配置基準を明確にし、併せて人員配置に応じた救命救急入院料を引き上げる

▽「救急看護認定看護師」を配置した救命救急センターでは、「院内トリアージ実施料」を引き上げる

認知症ケアチームの設置や退院支援の評価を

 (2)の退院支援に関しては、「実効性のある退院支援が重要だ」として、▽関係者間で調整・情報共有を十分に行った上で退院支援を行う▽事務作業補助員を配置して退院支援業務の効率化を図る▽病院の退院調整看護師、病棟看護師、訪問看護ステーションの訪問看護師が共同で退院前訪問を含めた退院調整を行う―ことの評価を求めています。

 また、高齢化が進むにつれ、一般病棟でも認知症患者が増加している点を踏まえ、「認知症の悪化防止」のために、次のような取り組みを評価すべきと要望しました。

▽院内デイケアを設置して看護師、理学療法士などを配置し、入院患者の日常生活行動の拡大や認知機能の悪化防止に資する取り組む

▽認知症に関して専門性の高い看護師を含む「認知症ケアチーム」を設置し、認知症ケアのマニュアル整備、早期スクリーニング、診療計画、ケアの提供、評価などを行う

▽老人看護専門看護師、精神看護専門看護師、認知症看護認定看護師などが関わり、認知症患者に対する退院調整を行う

▽一般外来・認知症外来の受診時に、老人看護専門看護師、精神看護専門看護師、認知症看護認定看護師などが療養上の相談を受ける

機能強化型訪問看護STの要件緩和を

 (3)では、在宅医療の推進に向けて次のような項目を要望しています。

▽機能強化型訪問看護ステーションの要件である「ターミナル療養費(加算)の算定件数」(機能強化1は年間20件以上、機能強化2は15件以上)に、「在宅末期総合診療料を算定する医師との連携」や「看取り介護加算を算定する認知症グループホームとの連携」も加える

▽小児患者の割合が一定以上で、外部向けに小児訪問看護講習会などを開催した実績がある訪問看護ステーションを、いわば「小児版の機能強化型訪問看護ステーション」に位置付け、機能強化型訪問看護ステーションの算定要件である「ターミナルケア療養費(加算)の件数」に読み替えて評価する

▽訪問看護師が主治医などと連携し、患者や家族などの意思決定支援や関係者間の調整を行うことを「意思決定支援療養費」(仮称)として評価する

▽タブレットPCなどを活用して看護職員の事務負担を軽減したり、利用者のサービス履歴や職員の出退勤管理をICT化したりして訪問看護の周辺業務を効率化することを「事務処理体制強化加算」(仮称)として評価する

▽訪問看護の「24時間連絡体制加算」(利用者や家族などからの電話連絡に対応する体制を整備した場合、1か月当たり2500円を算定できる)を、「24時間対応体制加算」(利用者や家族などからの電話連絡に応じ、必要に応じて緊急訪問できる体制を整備した場合、1か月当たり5400円を算定できる)に統合し、後者を引き上げる

 このほか看護職員の負担を軽減するために、▽月平均夜勤時間要件のみを満たせない場合の入院基本料の特例減算の廃止▽夜勤専従の看護師について、夜勤時間の上限を144時間とする▽特定入院料についても月平均夜勤時間の要件を設ける(入院料の通則とする)―ことなども要望しています。

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