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診療報酬改定セミナー2024 新制度シミュレーションリリース

医療法と診療報酬の整合性が必要―日病の堺会長

2015.6.22.(月)

 日本病院会の境常雄会長が22日に定例記者会見を開き、「地域医療構想を実現していく上で、病床機能の区分と診療報酬に整合性を持たせる必要がある」との見解を明らかにしました。

 またQI(Quality Indicator)について、病院団体ごとに重きを置いている点が微妙に異なるとし、「将来的には、例えば日本病院団体協議会のスタンダードがつくれないかと考えている」という構想も述べています。

6月22日に定例記者会見を行った、日本病院会の堺常雄会長

6月22日に定例記者会見を行った、日本病院会の堺常雄会長

地域包括ケア病棟、地域医療構想での位置付けは

 内閣府の専門調査会に18日に報告された「2025年の必要病床数推計」では、次のように推計値が示されました。

▽高度急性期:13万床程度が必要で、現在の19.1万床(報告ベース)は6.1万床過剰

▽急性期:40.1万床程度が必要で、現在の58.1万床(同)は18万床過剰

▽回復期:37.5万床程度が必要で、現在の11万床(同)は27.5万床不足

▽慢性期:24.2万-28.5万床程度が必要で、現在の35.2万床(同)は6.7-11万床過剰

 これは、地域医療構想策定ガイドラインに沿って推計されたものですが、回復期のベッドが不足しているように見えます。しかし、堺会長は地域包括ケア病棟を例にとって、地域医療構想や策定ガイドラインの問題点を指摘しました。

 14年度の診療報酬改定で新設された地域包括ケア病棟には、▽急性期後の患者の受け入れ▽在宅復帰支援▽急性増悪時の対応―という3つの機能が求められています。しかし堺会長は、「急性後の受け入れは回復期機能でよいが、急性増悪患者は急性期であろうから、急性期機能ともとられえられる。地域医療構想の回復期が救急などの急性期患者も診るのであれば、回復期病床は相当数必要になるだろう」と述べ、地域包括ケア病棟の「地域医療構想」上の位置づけが不明瞭であると述べました。

 さらに堺会長は、「7対1病院から回復期病院へ移行する際には相当な勇気がいる。経営がある程度担保されなければ移行に躊躇する病院が出てくるであろう。診療報酬だけで7対1病床を回復期へ誘導していくことは難しい」と述べ、「(地域医療構想を含めた)医療法と診療報酬との間に整合性をとって、分かりやすくする必要がある」と強調しました。

 医療提供体制の再構築は、診療報酬と医療計画(地域医療構想を含む)の両輪で進めなければならないという考えでしょう。

将来的にQIのスタンダードを構築

 また会見では、医療の質を高めるためにQI(Quality Indicator)をさらに活用していくべきとの考えも強調しました。

 ただし、「病院・病床の機能分化が進む、医療連携やチーム医療の重要性が指摘される中で、QIについては病院団体ごとに進めていいのだろうか」と問題提起し、「あくまで将来的に」との前提付きで、「は四病院団体協議会や、日本病院団体協議会でQIの集約化を行い、大きなQIのスタンダードを構築できないかと考えている」との構想も明らかにしています。

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