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GemMed塾 2024年度版ぽんすけリリース

パノビノスタット乳酸塩製剤、骨髄抑制などの副作用があるため適応患者の慎重な選択を―厚労省

2015.7.6.(月)

 厚生労働省は、次の3医薬品について新たな効能・効果が薬事承認されたことに伴って、使用上の留意事項を順守するよう求める通知を3日付で出しました。重篤な副作用が発生するリスクもありますので、医療現場におかれてはご留意ください。

(1)パノビノスタット乳酸塩製剤(販売名:ファリーダックカプセル10ミリグラム、同カプセル15ミリグラム)

(2)コラゲナーゼ(クロストリジウム ヒストリチクム)製剤(販売名:ザイヤフレックス注射用)

(3)ヒドロキシクロロキン製剤(販売名:プラケニル錠200ミリグラム)

難治性の多発性骨髄腫への効能・効果が認められる

 (1)のパノビノスタット乳酸塩製剤には、新たに「再発または難治性の多発性骨髄腫」の効能・効果が薬事承認されました。しかし、この薬剤には骨髄抑制やQT延長などの重篤な副作用が現れるため、使用に当たっては▽少なくとも1つの標準的な治療が無効、または治療後に再発した患者を対象にする▽有効性・安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行う―ことが必要です。

 また、本剤は「緊急時に十分対応できる医療施設で、造血器悪性腫瘍の治療に十分な知識・経験を持つ医師が、本剤の投与が適切と判断した患者」にのみ投与しなければなりません。さらに、▽治療開始前に患者・家族に有効性と危険性を十分に説明して同意を得る▽治療初期は入院(またはそれに準ずる管理)によって適切な処置を行う▽添付文書などを熟読する―ことが必要となります。

コラゲナーゼ製剤、腱断裂などに注意を

 (2)のコラゲナーゼ(クロストリジウム ヒストリチクム)製剤には、新たに「デュピュイトラン拘縮」の効能・効果が薬事承認されました。しかし、海外では腱断裂や靭帯断裂などの重篤な副作用が報告されているため、使用に当たっては▽デュピュイトラン拘縮に関する十分な知識と治療経験を有し、講習を受け、安全性・有効性を十分に理解し、この薬剤による治療方法に精通した医師が行う▽触知可能な拘縮索に対して行う―ことが必要です。

ヒドロキシクロロン製剤、投与量が多いと眼障害発生のリスク

 (3)のヒドロキシクロロキン製剤については、新たに「皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス」の効能・効果が約承認されました。しかし、本剤には網膜障害を含む眼障害が発現するリスクがあります。このリスクは投与量が多くなると高まることが知られており、厚労省は次のような用法・用量を遵守するよう求めています。

▽女性

●身長136センチメートル以上154センチメートル未満(理想体重31キログラム以上46キログラム未満):1回1錠(200ミリグラム)

●身長154センチメートル以上173センチメートル未満(理想体重46キログラム以上62キログラム未満):1回1錠(200ミリグラム)と1回2錠(400ミリグラム)を1日おき

●身長173センチメートル以上(理想体重62キログラム以上):1回2錠(400ミリグラム)

▽男性

●身長134センチメートル以上151センチメートル未満(理想体重31キログラム以上46キログラム未満):1回1錠(200ミリグラム)

●身長151センチメートル以上169センチメートル未満(理想体重46キログラム以上62キログラム未満):1回1錠(200ミリグラム)と1回2錠(400ミリグラム)を1日おき

●身長169センチメートル以上(理想体重62キログラム以上):1回2錠(400ミリグラム)

 ここで、本この薬剤投与後の脂肪組織中濃度は低いため、実体重に基づいて投与すると「肥満患者では過剰投与」となり、リスクが高まることから、「身長から算出される理想体重」に基づいて投与量を決定しなければいけません。

 また本剤は、▽網膜障害に十分に対応できる眼科医と連携し、投与開始時と投与中は定期的に眼科検査を実施する▽本剤の安全性・有効性に関する十分な知識と、エリテマトーデスの治療経験を持つ医師の元で、この療法が適切と判断される患者にのみ使用する―ことが必要です。

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