収益の少ない病院群では、増収する病院と減収する病院とのばらつきが大きい―厚労省
2015.7.9.(木)
2013年度における医科病院の1施設当たり医療費の平均は24.64億円で、前年度から0.48億円増加していることや、ばらつきが徐々に大きくなっている―。こういった状況が、厚生労働省が8日に公表した「施設単位でみる医療費等の分布の状況~医科病院、医科診療所、歯科診療所、保険薬局~」から明らかになりました。
病院収益のばらつき、年々拡大
医科病院について見てみると、13年度の1施設当たり医療費は平均で24.64億円。11年度からの変化を見ると、平均医療費は増加傾向にあり(11年度23.49億円→12年度24.16億円→13年度24.64億円)、かつ、ばらつき(標準偏差)も大きくなっています(11年度37.39億円→12年度39.09億円→13年度40.06億円)。病院収益のばらつきが大きくなっていると言えるでしょう。
また1施設当たりの医療費階級別に1施設当たり医療費の伸び率を見ると、医療費の少ない病院群では医療費の伸び率に大きな幅があり、逆に、収益の高い病院群では、伸び率の幅が小さいことも分かりました。グラフを見ると一目瞭然です。
医療費は、病院収入と考えることができるので、「収益の少ない病院群では、増収病院と減収病院のばらつきが大きく、収益が大きくなるにつれて増収病院と減収病院の格差が収斂していく」と言えそうです。
入院と入院外に分けると、入院についてこの傾向がさらに強いようです。また、入院外については、収益の大きな病院では減収病院がないことも分かります。