納得できるデータがあれば医師は動く、「病院ダッシュボード」ユーザー会(東京)
2014.9.12.(金)
GHCが開発・提供する「コンサル視点が瞬時に分かる」をコンセプトにした次世代型病院経営支援ツール「病院ダッシュボード」のユーザー会が8月28日、東京都内で開催されました。主に関東圏の17病院、計28人が一同に介し、各病院における病院ダッシュボードの活用事例などを共有し、フリーディスカッションを行いました。
病院ダッシュボードの活用事例については、いずれの発表もベンチマークによる納得感のあるデータを示すことで、医師の理解を得やすくなり、そのことが経営改善を推進する潤滑油になっている現状が明らかになりました。
病院ダッシュボードの活用事例については、3病院の担当者から報告がありました。
東京都済生会中央病院(東京都港区)の医療情報センター診療録管理室で診療情報管理士として活躍する薄根詩葉利さんは、同病院でのクリニカルパス見直しについて。病院ダッシュボードなどを用いて、経尿道的膀胱切除術のパスを見直すため、抗生物質製剤の使用金額の最適化を目指し、「クリニカルパス推進委員会」を担当する副院長とのやり取りなどを通じ、改善につなげていった過程を紹介しました。
さいたま赤十字病院(さいたま市中央区)の医事課入院係の中村公宏さんは、「診療科ヒアリング」の取り組みを紹介。この4月に院内分析チームを設置し、週一回のペースで診療科ヒアリングを行っていて、ヒアリングを受ける医師が病院ダッシュボードなどを用いたデータ分析の結果を目にすると、「こんなことが分かるならもっと早く知りたかった」といった反応があったといいます。現在では医師たちの協力を得て順調にヒアリングが進んでいると報告しました。
埼玉石心会病院(埼玉県狭山市)の診療情報管理室室長の高田賀将さんは、病院ダッシュボードを利用した後発医薬品の使用促進の取り組みを解説。先発品使用数量トップ30品目の約9割を後発薬に変更できた理由として、「データ分析の結果を提示して医師の理解を得られた」「薬剤室と情報共有し連携することによる病院全体の意識改革」などを挙げました。
フリーディスカッションでは、病院におけるデータ活用について議論。現状、どのような会議をしているのか、どういうデータを活用しているのか、今後活用するとしたらどういうデータが必要だと考えられるかなど、4、5人のグループに分かれて意見交換しました。
フリーディスカッション後の発表では、「会議に参加人数を増やすと報告会になってしまうし、人数を減らすと抜け漏れがある議論になる印象があり、この点がジレンマ」「ルーチンで提出するデータを『なぜこのデータが必要なのか』の視点で見直す選択と集中が必要」「医師を振り向かせることができるデータであるかが重要」などの意見がありました。