わが国の平均寿命が過去最高更新、女性86.83年で世界1、男性80.50年で世界3位―14年簡易生命表
2015.7.31.(金)
2014年の平均寿命は、男性が80.50年、女性が86.83年で、いずれも過去最高を更新した―。厚生労働省が30日に発表した「簡易生命表」から、このようなことが明らかになりました。
男女とも平均寿命は世界トップクラスで、女性は3年連続で世界1位、男性は香港、アイスランドに次ぐ世界3位です。
簡易生命表は、14年の1年間、死亡状況が今後変化しないと仮定したときに、各年齢の人が1年以内に死亡する確率や、平均してあと何年生きられるかという期待値などを死亡率や平均余命などの指標(生命関数)によって表したものです。年金はもちろんですが、傷病や要介護となるリスクは年齢と深く関係するため、医療・介護を含めた社会保障の制度設計において重要な基礎資料となります。
まず平均寿命(ゼロ歳時の平均余命)を見てみると、男性は80.50年で、前年に比べて0.29年増加、女性は86.83年で同じく0.22年の増加となりました。主な年齢の平均余命は、男女ともすべて前年より延びています。
平均寿命が延びた原因は「性・年齢別にみた死亡状況の改善」と考えられ、平均寿命の男女差は6.33年となり、前年よりも0.07年減少しました。
また厚労省の調べによると、男性は世界3位(香港、アイスランドに次ぐ)、女性は世界1位の長寿となっています。ただし国によって平均寿命の作成方法などが異なるので、厳密な比較はできません。
次に死因について見てみると、14年の死亡確率(ゼロ歳時)が最も高いのは悪性新生物で男性29.42%(前年比0.04ポイント増)、女性20.27%(同0.07ポイント増)となっています。
死因の第2位は心疾患(高血圧性を除く)で、男性14.43%(同0.11ポイント増)、女性17.78%(同0.02ポイント減)。
死因の第3位は、男性では肺炎の11.37%(同0.39ポイント減)。女性では肺炎と脳血管疾患が同率の9.75%(肺炎は同0.41ポイント減、脳血管疾患は同0.51ポイント減)という状況です。
男性の死因第4位は脳血管疾患で、8.37%(同0.36ポイント減)となっています。
悪性新生物・心疾患・脳血管疾患を合計した死亡確率(ゼロ歳児)は、男性では52.20%(同0.22ポイント減)、女性では47.80%(同0.66ポイント減)となりました。
また、これらの死因を克服することが出来た場合には平均余命が長くなると推計でき、14年のゼロ歳時における平均余命(平均寿命)は、悪性新生物で男性3.80年、女性2.94年、心疾患(高血圧性を除く)で男性1.46年、女性1.42年、脳血管疾患で男性0.82年、女性0.80年、肺炎で男性0.83年、女性0.66年、延びると考えられます。
ちなみに、悪性新生物、心疾患、脳血管疾患をすべて克服すると、男性で7.28年、女性で6.02年、平均寿命が長くなる計算です。