介護給付費分科会、10月から毎週開催-報酬改定めぐり議論加速
2014.9.29.(月)
社会保障審議会・介護給付費分科会が2015年度介護報酬改定をめぐる議論を10月以降、本格化させます。これまでには、17年度末に廃止される予定の介護療養型医療施設の機能の存続や、認知症の人にサービスを提供する通所介護への報酬上の取り扱いなどが焦点になっていて、同月中旬以降は週1回のペースで会合を開きます。
厚生労働省が29日、分科会に提示したスケジュール案によりますと、分科会では訪問看護や通所リハといった居宅系サービスと、介護療養型医療施設など施設系サービスの報酬について11月中旬に掛けて2回ずつ話し合い、介護報酬と運営基準の見直し案を取りまとめます。
その上で、早ければ12月上旬にもまず運営基準の見直し案を答申。その後、年末の15年度予算案の編成をはさみ、15年1月の中旬から下旬にかけて介護報酬の改定案を答申するという2段階での流れです。
介護報酬改定は同年4月の実施を予定していますが、10月に予定している消費税率引き上げを政権が正式に決めれば、厚労省は通常の改定に併せて対応する方針です。
分科会は29日の会合で、介護事業者7団体から報酬改定に向けた要望をヒアリングしました。
「全国小規模多機能型居宅介護事業者連絡会」(川原秀夫代表)は、スタッフを十分に確保できるだけの報酬の底上げを訴えました。小規模多機能型居宅介護に従事する介護福祉士や介護職員の給与が、特別養護老人ホームに比べて月10万円前後下回ることを踏まえた主張です。
「日本認知症グループホーム協会」(河﨑茂子会長)は、現在は「1事業所3人以下」とされている「共用型認知症対応型通所介護」(共用デイ)の定員を「1ユニット3人以下」に見直し、共用デイの報酬を充実させて新規参入を促すよう求めました。
このほか、年度末の廃止が予定されている「介護職員処遇改善加算」の延長を求める意見もありました。
分科会が事業者団体から要望を聴いたのは今月10日に続き今回が2回目です。10月3日には、介護事業経営調査委員会が実施した介護事業経営実態調査(14年)の結果が明らかになる予定で、介護報酬改定をめぐる議論はこれを受けて加速します。