診療報酬改定の方向性に「かかりつけ医機能の評価」など例示-基本方針のたたき台
2015.9.14.(月)
2016年度診療報酬改定の基本方針の具体化をめぐる議論が本格化しています。社会保障審議会医療保険部会が11日に開いた会合に提示した「たたき台」の中で厚生労働省は、診療報酬改定の方向性として、かかりつけ医機能の評価や、早期退院の支援の推進などを例示しました。16年度改定の基本方針は、同部会と社保審・医療部会が11月下旬から12月初旬ごろに策定することになっていて、引き続き具体化を進めます。
両部会が策定する基本方針には、診療報酬の改定作業を進めるに当たっての基本認識や、大まかな方向性を示す「改定の視点」のほか、「重点課題」などが含まれます。厚労省が提示したたたき台では、16年度改定の基本認識として、昨年成立した「医療介護総合確保推進法」や、今年6月末に閣議決定された「骨太方針2015」などを踏まえる必要性を指摘する一方、「改定の視点」については、これまでの内容を継承することを提案しました。
その上で、診療報酬改定の検討を進める上での具体的な方向性として、かかりつけ医やかかりつけ薬局を評価したり、急性期病院による早期退院を推進したりするほか、「質の高い」リハビリテーションや在宅医療を確保することを例示しました=末尾に一覧=。
診療報酬改定の具体的な方向性として例示された内容について、白川委員は「わたしどもの想定している項目がほぼ網羅されている」と述べましたが、かかりつけ医やかかりつけ薬局への評価が例示された点については、「新しい点数を付けるかのような表現はやめるべきだ」と指摘しました。
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