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C型肝炎治療薬の「アスナプレビル」などに血小板減少の重大な副作用―厚労省

2015.9.21.(月)

 厚生労働省は15日、先日お伝えした「ニボルマブ(遺伝子組換え)」(商品名:オプジーボ点滴静注20ミリグラム、同100ミリグラム)を含む7つの医薬品について新たな「重大な副作用」のあることが分かったため、製薬メーカーに対して使用上の注意を改訂するよう要請しました。

 C型慢性肝炎治療薬の「アスナプレビル」(販売名:スンベプラカプセル100ミリグラム)、と「ダクラタスビル塩酸塩」(販売名:ダクルインザ錠60ミリグラム)には血小板減少が生じる可能性のあることも分かりました。

 これらの医薬品を使用する医療機関などでは、細心の注意が必要です。

糖尿病用剤では「敗血症」にも注意を

 7つの医薬品と、新たな「重大な副作用」は次の通りです。

(1)抗パーキンソン剤・抗A型インフルエンザウイルス剤である「アマンタジン塩酸塩」(販売名:シンメトレル錠50ミリグラム、アテネジン錠50ミリグラムほか)

▽新たな【重大な副作用】:横紋筋融解症

→筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中・尿中ミオグロビン上昇などが現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意する

(2)糖尿病用剤の「イプラグリフロジンL-プロリン」(販売名:スーグラ錠25ミリグラムほか)、「トホグリフロジン水和物」(販売名:デベルザ錠25ミリグラム)、「ルセオグリフロジン水和物」(ルセフィ錠2.5ミリグラムほか)

▽新たな【重大な副作用】:敗血症、ケトアシドーシス

▽新たな【重要な基本的注意】:敗血症などの重篤な感染症や、腟カンジダ症などの性器感染、ケトアシドーシスを起こすことがある

(3)糖尿病用剤の「エンパグリフロジン」(販売名:ジャディアンス錠10ミリグラムほか)、「カナグリフロジン水和物」(販売名:カナグル錠100ミリグラム)、「ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物」(販売名:フォシーガ錠5ミリグラムほか)

▽新たな【重大な副作用】:敗血症、ケトアシドーシス

▽新たな【重要な基本的注意】:敗血症などの重篤な感染症や、腟カンジダ症などの性器感染、ケトアシドーシスを起こすことがある

(4)多発性硬化症治療薬の「フィンゴリモド塩酸塩」(販売名:イムセラカプセル0.5ミリグラム、ジレニアカプセル0.5ミリグラム)

▽新たな【重大な副作用】:進行性多巣性白質脳症(PML)

→意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害などが現れた場合は、MRIによる画像診断および脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行う

(5)根治切除不能な悪性黒色腫(メラノーマ)治療薬の「ニボルマブ(遺伝子組換え)」(販売名:オプジーボ点滴静注20ミリグラム、同100ミリグラム)

▽新たな【重大な副作用】:重症筋無力症、筋炎

→筋力低下、眼瞼下垂、呼吸困難、嚥下障害、CK(CPK)上昇などの観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与などの適切な処置を行う。また、重症筋無力症によるクリーゼのため急速に呼吸不全が進行することがあるので、呼吸状態の悪化に十分注意する

▽新たな【重大な副作用】:大腸炎、重度の下痢

→持続する下痢、腹痛、血便等の症状があらわれた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行う

(6)グラム陽性菌やマイコプラズマの治療などに用いる「アジスロマイシン水和物」(販売名:ジスロマック錠250ミリグラム)

▽新たな【重大な副作用】:薬剤性過敏症症候群

→発疹、発熱、肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現などを伴う遅発性の重篤な過敏症状が現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。またヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)などのウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意する

(7)C型慢性肝炎治療薬の「アスナプレビル」(販売名:スンベプラカプセル100ミリグラム)、「ダクラタスビル塩酸塩」(販売名:ダクルインザ錠60ミリグラム)

▽新たな【重大な副作用】:血小板減少

 厚労省は日本製薬団体連合会を通じて、各メーカーに添付文書の「使用上の注意」を速やかに改訂するよう求めています。医療現場では、これらの医薬品を使用する場合には観察や検査を十分に行い、患者の状態に異常があれば使用の中止や減量を行うとともに、適切な治療・処置を行うことが必要です。

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