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新型コロナ対策 医療崩壊の真実

「日本は米国に比べて医療の質にバラつきがある」、日赤学会セミナーでGHCが講演

2014.10.17.(金)

 熊本市内で16日から開催されている「第50回日本赤十字社医学会総会」で、GHCはランチョンセミナーを開催し、医療の質向上を講演内容の軸とし、米国の事例紹介をした上で、熊本赤十字病院の実データを使ってケース分析を行いました。

「日本は米国に比べて医療の質にバラつきがある」と問題提起する米国グローバルヘルス財団理事長のアキよしかわ

「日本は米国に比べて医療の質にバラつきがある」と問題提起する米国グローバルヘルス財団理事長のアキよしかわ

 会場は満員御礼。当日朝にチケットを配布すると9分30秒で完売という、大注目の中での講演でした。テーマは「2025年に向けた医療変革時代の戦略的病院経営」で、演者は米国グローバルヘルス財団理事長のアキよしかわが、座長はGHC代表取締役社長の渡辺幸子が務めました。

 米国の事例紹介では、医療の質についての日米比較を中心に解説。アキはGHC独自の研究結果などを引用しながら、日本の医療が米国と比べて医療の質にバラつきがあると強調しました。

その根拠の一つとして示したのは、「Failure to Rescue」と呼ばれる指標です。

「日本では病院選びを真剣に」

  Failure to Rescueは、本来なら助かるはずだったのに、術後合併症などによって助けられなかった患者の割合です。GHCが米スタンフォード大と共同で、特定の疾患を対象に行った研究では、年間症例数が多ければ多いほどFailure to Rescueは低く、逆に症例数が少ないほど高くなることを示唆する結果でした。つまり、「Failure to Rescueと症例数には明らかな相関性がある」ということです。

 共同研究では、Failure to Rescueなど医療の質を評価する指標のばらつきは、日本よりも米国の病院の方が少ない傾向でした。一方、国民皆保険がある日本では、診察や入院にかかる費用のバラつきは米国よりも少ない傾向です。これらを踏まえてアキは、「米国はどこに行っても同じ質の医療を受けられる可能性が高いが、どこに行くかで請求額が違う。つまり、お財布の中身を気にする必要がある。一方、日本ではお財布の中身はそれほど心配しなくてもいいが、どこの病院に行くかを真剣に考える必要がある」と指摘しました。

 入院患者の診療報酬を1日当たりの包括払いにする日本のDPCに対して、入院一件当たりの診療報酬を包括する米国のDRGの方が、「勝ち負けをはっきりさせる」とアキは述べました。優勝劣敗が鮮明になった結果、米国では生き残った病院に患者が集まり、症例数も増え、これに伴って医療の質も向上していったとの見方を示しました。

トップクラスの運用の熊本日赤、あえて改善点があるとしたら?

 この後のケース分析では、「コンサル視点が瞬時に分かる」をコンセプトにGHCが開発した次世代型病院経営支援ツール「病院ダッシュボード」を使って、熊本赤十字病院の実データを分析した結果を紹介しました。

 一連の分析結果を踏まえてアキは、「主要な経営指標でほとんど問題がない。感銘を受けた」と熊本赤十字病院を賞賛しました。病院ダッシュボードのトップページでは、「入院1日単価」など主要な経営指標を「青」「黄色」「赤」の順に色分けして一覧していて、同病院ではこれらのほとんどが、ベンチマーク分析した病院の中でトップレベルであることを示す「青」だったためです。

 特に手術室の運営に関しては、極めて理想的な運用状況ではあるものの、あえて課題点を探ると改善の余地がある可能性があるとも指摘しました。熊本赤十字病院の手術室の稼働率そのものはベンチマーク分析した病院の中でトップクラスですが、手術の開始時間がやや遅く、手術を終えてから次の手術までの空き時間が長引くこともあり、このほか、午後5時以降の手術の開始時間を前倒しできる可能性も指摘しました。

 また、同病院ではがん性疼痛の症状緩和を目的として計画的な治療管理及び療養上必要な指導を行ったことを評価する「がん性疼痛緩和指導管理料」を算定できていませんが、米国では疼痛管理は医療の質向上の有効策としても知られています。アキは「志の高い病院にはぜひ、(疼痛管理に)チャレンジしてもらいたい」と会場に訴えました。

ぽんすけ2020