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2014年の医薬品国内生産、最多の血圧降下剤が前年比8%減の5730億円-薬事工業生産動態統計

2016.4.4.(月)

 2014年の医薬品の国内生産額は6兆5898億円で、循環器官用薬や中枢神経系用薬、その他の代謝性医薬品などが多い。また医療機器については、国内生産額が1兆9895億円、輸入金額が1兆3685億円で、4割超を輸入に頼っており、生体機能補助・代行機器、処置用機器、眼科用品および関連製品、画像診断システムの輸入が多い―。

 こういった状況が、厚生労働省が3月31日に発表した2014年の薬事工業生産動態統計年報から分かりました(厚労省のサイトはこちら)。薬効中分類別で最多の血圧降下剤が前年比8.0%減の5730億円だったことなども明らかになっています。

医薬品の国内生産は6兆5898億円、輸入は3兆1884億円

 薬事工業生産動態統計は、医薬品や医療機器の生産・輸入の実態を明らかにするために毎年行われている調査です(前年の調査概要はこちら)。

 まず医薬品の生産・輸入状況を見てみましょう。

 2014年の国内生産金額は6兆5898億円(前年に比べて4.4%減)、外国からの輸入金額は3兆1884億円(同3.6%増)で、合計で9兆7782億円(同2.0%増)となっています。

 国内生産金額のうち、医療用医薬品は5兆8689億円(同5.2%減)、一般用医薬品は7208億円(同3.0%増)となりました。医療医薬品が89.1%を占めています。

 国内生産金額を薬効大分類別に見ると、最も多いのは「循環器官用薬」で1兆1157億円(同7.8%減)、次いで「中枢神経系用薬」7935億円(同0.4%減)、「その他の代謝性医薬品」6339億円(同4.9%減)、「消化器官用薬」4843億円(同9.1%減)、「血液・体液用薬」4490億円(同9.7%減)、「外皮用薬」3778億円(同0.6%減)、「生物学的製剤」2967億円(同9.5%減)、「感覚器官用薬」2642億円(同9.1%増)、「抗生物質製剤」2363億円(同0.6%増)、「体外診断用医薬品」2201億円(同0.2%)などとなっています。

医薬品の国内生産金額を薬効大分類別に見ると、循環器官用薬や中枢神経系用薬が多いことが分かる

医薬品の国内生産金額を薬効大分類別に見ると、循環器官用薬や中枢神経系用薬が多いことが分かる

 構成割合の大きな医薬品を見ると、(1)循環器用薬17.6%(2)中枢神経系用薬12.0%(3)その他の代謝性医薬品9.6%(4)消化器官用薬7.3%(5)血液・体液用薬6.8%―となっており、上位5分類で53.3%を占めています。

薬効大分類別に国内生産金額のシェアを見ると、循環器官用薬、中枢神経系用薬、その他の代謝性医薬品、消化器官用薬、血液・体液用薬の上位5分類で半数超が占められている

薬効大分類別に国内生産金額のシェアを見ると、循環器官用薬、中枢神経系用薬、その他の代謝性医薬品、消化器官用薬、血液・体液用薬の上位5分類で半数超が占められている

 さらに各大分類項目の内訳を見ると、次のようになっています。

●循環器官用薬:「血圧降下剤」5730億円(同8.0%減)、「高脂血症用剤」1822億円(同11.8%減)、「血管拡張剤」1796億円(同16.0%減)ほか

●中枢神経系用薬:「精神神経用剤」1850億円(同10.4%増)、「解熱鎮痛消炎剤」1759億円(同6.5%減)、「その他の中枢神経系用薬」1673億円(同4.6%減)ほか

●その他の代謝性医薬品:「他に分類されない代謝性医薬品」4009億円(同3.3%減)、「糖尿病用剤」1306億円(同15.3%減)、「総合代謝性製剤」378億円(同2.3%減)ほか

●消化器官用薬:「消化性潰瘍用剤」2742億円(同10.4%減)、「その他の消化器官用薬」707億円(同11.9%減)、「下剤、浣腸剤」295億円(同15.1%減)ほか

●血液・体液用薬:「その他の血液・体液用薬」2718億円(同14.7%減)、「血液凝固阻止剤」991億円(同1.2%増)、「血液代用剤」671億円(同5.7%減)ほか

 また薬効中分類別では、多いほうから▽血圧降下剤57301億円(同8.0%減)、構成割合8.7%(同0.3ポイント減)▽他に分類されない代謝性医薬品4009億円(同3.3%減)、6.1%(同0.1ポイント増)▽消化性潰瘍剤2742億円(同10.4%減)、4.2%(同0.2ポイント減)▽その他の血液・体液用薬2718億円(同14.7%減)、4.1%(同0.5ポイント減)▽鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤2542億円(同4.3%減)、3.9%(同増減なし)―となっています。

 生産金額が前年に比べて大きく伸びたものを挙げると、「他に分類されない治療を主目的としない医薬品」(例えば胃内視鏡検査において胃内粘液の溶解除去をする医薬品など)98.1%、「その他の腫瘍薬」40.1%、「利尿剤」32.2%などが目立ちます。

 逆に、生産金額が前年に比べて大きく下がったものとしては、「代謝拮抗剤」マイナス36.8%、「主としてグラム陽性菌、マイコプラズマに作用する抗生物質製剤」マイナス22.6%、「血管拡張剤」マイナス16.0%などが挙げられます。

 さらに医薬品の輸入金額が多い医薬品を見てみると、「その他の腫瘍用薬」4874億円(同13.5%増)、「他に分類されない代謝性医薬品」2242億円(同4.8%増)、「糖尿病用剤」2037億円(同11.7%減)、「抗ウイルス剤」1572億円(同7.7%増)、「その他のホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)」1351億円(同2.8%増)などが多くなっています。

 輸入元は米国5954億円(輸入金額の18.7%)、スイス5851億円(同18.4%)、ドイツ5475億円(同17.2%)が多く、これら3か国で輸入金額の54.3%を占めています。

医療機器の国内生産は1兆9895億円、輸入は1兆3685億円

 医療機器の国内での生産金額は1兆9895億円(同4.4%増)、輸入金額は1兆3685億円(同5.2%増)で、合計3兆3580億円(同4.7%増)でした。全体に占める輸入金額の割合は、医薬品では3割強であるのに対し、医療機器では4割強となっており、輸入への依存度が高い状況は変わっていません。

 国内生産金額を大分類別に見ると、「処置用機器」が最も多く5225億円(前年比7.9%増)・構成割合26.3%(同0.9ポイント増)でした。次いで、▽画像診断システム2905億円(同0.3%減)・14.6%(同0.7ポイント減)▽生体機能補助・代行機器2655億円(同1.4%増)・13.3%(同0.4ポイント減)▽生体現象計測・監視システム2606億円(同2.5%増)・13.1%(同0.2ポイント減)▽医用検体検査機器1695億円(同15.2%増)・8.5%(同0.8ポイント増)―となっています。

 また輸入金額を大分類別に見ると、▽生体機能補助・代行機器3551億円(同8.7%増)▽処置用機器3123億円(同3.5%増)▽眼科用品および関連製品1877億円(同1.8%増)▽画像診断システム1404億円(同12.2%増)▽治療用または手術用機器969億円(同1.2%増)―などが多いことが分かります。上位5分類で輸入金額全体のほぼ8割を占めています。

 輸入元は、米国6122億円(輸入金額の44.7%)、アイルランド1587億円(同11.6%)、ドイツ1188億円(同8.7%)となっており、米国のシェアが圧倒的に高い状況は変わっていません。

医療機器の輸入元を見ると、米国が最も多く44.7%、アイルランド11.6%、ドイツ8.7%などと続く

医療機器の輸入元を見ると、米国が最も多く44.7%、アイルランド11.6%、ドイツ8.7%などと続く

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