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メディ・ウォッチはGemMed(ジェムメド)に生まれ変わりました 運営会社 GLOBAL HEALTH CONSULTING

「看護必要度ショック」は経営・病床戦略の最重要課題、GHCがセミナー開催

2016.4.22.(金)

 GHCは4月21日、福岡市内で「これだけは知っておきたい!『看護必要度ショック』を乗り切る方策とは?」と題したセミナーを開催しました。講演したGHCマネジャーの塚越篤子は、「『重症度、医療・看護必要度』は、病院経営上の最重要ポイントであり、今後の戦略的病床管理のカギを握っている」と警鐘を鳴らしました。

GHCマネジャーの塚越篤子

GHCマネジャーの塚越篤子

精度に問題あれば当局から指摘も

 塚越は2016年度診療報酬改定について、「全体的に見るとマイナーチェンジの印象」と指摘。ただ、急性期病床削減を背景とした病床の機能分化と医療連携に取り組む上で、非常に大きな改定項目があったことは欠かせないポイントで、それが看護必要度であるとしました。

 看護必要度に関する改定内容でまず最初に押さえるべきは、7対1入院基本料等の施設基準の見直しです。これまで重症患者割合の基準値は15%でしたが、これが16年度改定で25%(200床以下は23%の経過措置あり)へと大きく引き上げられました。ただ、「救急搬送後(2日間)の患者」と「無菌治療室での治療」(専門的な治療・処置に追加)がA項目に追加されたことや、開頭や開胸の手術(いずれも7日間)などのC項目が加わったことで、重要患者とカウントする間口は広がりました。

 重症度の基準引き上げは、多くの病院でそれほど大きなインパクトはないと見られていますが、それよりも重要な論点は「看護必要度の生データの提出が義務化された」ことです。GHCの調査によると、多くの病院で看護必要度の生データは精度に問題があることが分かっています。

 例えば、GHCが分析したC病院では、今まで重症患者割合は17.2%と報告してきましたが、看護必要度データとDPCデータと突合して精度を確認したところ、実際は12.9%と基準値を下回っていることが分かりました。これは16年度改定後で見ても同様で、「25.5%でクリアしている」としていたものの、実際は21.5%と新基準値に満たない状況でした。

 16年10月以降、看護必要度の生データ提出が義務化されます。C病院のように、看護必要度のデータ精度に問題があり、クリアできると思っていた基準値を実際には満たせていない状況が続くと、当局から指摘を受ける可能性も浮上してきます。

「一致率」と「過剰評価率」軸に改善

 重症度を高める方法は大きく2つあります。重症度は、述べ評価日数を分母に、基準を満たす日数を分子にすることで決まります。ですから、重症度を高めるためには、(1)いかに分母を小さくするか(2)いかに分子を大きくするか―という視点が欠かせません。

 まず(1)の分母を小さくする具体的な方法としては、「在院日数の短縮」「機能分化」の2つがあります。例えば、重症度の低い患者が一定程度いるのであれば、地域包括ケア病棟を新設するなどして、現状の急性期病床に入院する患者の最適を図ることなどが有効です。

 (2)の分子を大きくするためには、重症患者の集患に加えて、データ精度向上が必要になります。GHCでは、データ精度向上を推進する上で、「一致率」「過剰評価率」の2つの指標を用いています。一致率は、看護必要度の生データとDPCデータを突合した際の一致率で、この値は高ければ高いほど良いです。一方、過剰評価率はDPCデータに記録がなく、看護必要度の生データにのみ存在するデータ数を示す指標で、こちら低いほど良いです。

 「創傷処置」「専門的処置」など個別のA項目ごとに、一致率と過剰評価率を病棟別、診療科別などで検証していくことで、改善の道筋が見えてくるはずです。

「看護必要度分析」体験コーナーも

 GHCではこれまで、こうした看護必要度データの精度向上プログラムをコンサルティングサービスとして提供してきましたが、この4月に病院ダッシュボードのオプションサービスとしてシステム化した「看護必要度分析」をリリースしました。21日のセミナーでは、「看護必要度分析」を直接触って試すことができるコーナーを設置し、参加者の皆様に体験していただきました。また、セミナーの後半では、塚越が「看護必要度分析」を使って、具体的にどのような分析を行い、改善していけばいいのかについても解説させていただきました。

解説を担当したコンサルタント 塚越 篤子(つかごし・あつこ)

tsukagoshi 株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンのコンサルティング部門マネジャー。
テンプル大学教養学部経済学科卒業。経営学修士(MBA)。看護師・助産師として10年以上の臨床経験、医療連携室責任者を経て、入社。医療の標準化効率化支援、看護部活性化、病床管理、医療連携、退院調整などを得意とする。済生会福岡総合病院(事例紹介はこちら)、砂川市立病院など多数の医療機関のコンサルティングを行う。新聞の取材対応や雑誌への寄稿など多数(「隔月刊 地域連携 入退院支援」の掲載報告はこちら)。