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医療提供体制の再編、4ステップで協議―厚労省検討会、年明けに取りまとめ案

2014.11.22.(土)

 地域ごとに医療提供体制を再編させるプロセスのイメージが、少しずつ固まりつつあります。「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」が21日に開いた会合では、各都道府県が構想区域ごとに設置する「協議の場」の名称を「地域医療構想調整会議」とし、地域医療構想(地域医療ビジョン)を実現するために踏む4つのステップを決めました。

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 厚生労働省は、早ければ年明けの会合に検討会としての取りまとめ案を提示する方針で、地域医療構想の策定ガイドラインをめぐる協議は、これから大詰めの段階に入ります。

 21日の会合では、都道府県による地域医療構想を実現するために各都道府県が開催する「協議の場」の運営方針がテーマになり、厚労省は協議の場の正式名称のほかに、ここで審議する議題や会合の開催時期、メンバーなどをそれぞれ提案しました。

 厚労省案では、病床機能の分化・連携推進策を話し合う場合を「通常の開催」と位置付け、医療機関の新規開設や増床の許可申請があったときに開催する場合と区別しました。

2014 11 21医療行政をウォッチ 地域医療構想ガイドライン検討会 通常の開催時には、各医療機関が地域の中でどの医療機能をカバーするのかや各機能の病床数、「地域医療介護総合確保基金」の使い道などを協議します。このほか、病床機能報告制度を通じて各医療機関から上がってきた情報を共有したり、人材の確保策や診療科ごとの連携の推進策を話し合ったりします。

 一方、医療機関の新規開設や増床の許可申請があった場合には、申請側の医療機関のほかに都道府県が選定した利害関係者らが出席し、善後策を話し合います。既に病床過剰となっている医療機能への転換の申請があり、利害関係者による話し合いが不調に終わった場合、都道府県知事は医療審議会の意見を聴いた上で転換中止を命令・要請できます。

 21日の会合では、こうした内容への目立った反対意見はありませんでした。医療提供体制の再編は、都道府県が設定する「構想区域」ごとに進められることになっていて、高齢化が本格化する2025年に向け、こうしたプロセスに沿って再編が進められます。

 中でも病床の機能分化・連携の推進をめぐる協議は、すべての医療機関の方向性を左右しかねません。この日の会合で厚労省は、こうしたテーマを協議する際のプロセスのイメージを、厚労省は4つのステップに分けて示しました。

 それによりますと、病床機能報告制度で上がってきた各医療機関のデータや統計調査などを基に、医療提供体制の現状と将来ニーズの推計をメンバー間で共有します。その上で、構想区域の中で不足している医療機能の充足方法など具体的な機能分化の方法を議論し、それまでの合意内容を実現するための具体策も固めます。

 この10月に運用が始まった病床機能報告制度では、各医療機関による医療機能の報告を裏付けるために、人員配置や手術の症例数などのデータも報告するよう求めています。地域の医療関係者らによる協議は、こうしたデータを根拠にそれぞれの守備範囲を話し合い、医療提供体制の将来像を具体化させるイメージです。

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