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予定手術の術前検査、入院後の実施率に大きな格差―GHC「安全管理上のリスクも」

2014.12.11.(木)

 手術を行うことがあらかじめ決まっていた患者(予定手術症例)に対する入院後の「術前検査」の実施状況が、DPC対象病院によって大きく異なることがGHCの分析で明らかになりました。本来は外来で実施できる検査を入院後に行ったケースも含まれるとみられ、中には、大半の症例に何らかの検査を行っている病院もあります。今回の分析を担当したGHCの三浦拓・アソシエートマネジャーは、「感染症などの検査が入院後に行われることで、安全管理上のリスクが高まりかねない」などと注意を呼び掛けています。

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MW_201412表紙blog用 今回の分析は、全国120のDPC対象病院に14年1月以降に入院して、全身麻酔と手術(輸血のみは除く)を受けた4-6月の退院症例(7万566症例)が対象です。「生化学検査・血漿たんぱく免疫学的検査」や「血液学的検査・免疫血液学的検査」「出血凝固検査」「感染症免疫学的検査・肝炎ウイルス関連検査」「生理学的検査」の中から、術前での実施率が高い計28種類の検査をピックアップ。予定手術症例にこれらのどれか一つでも、入院後に行われた症例の割合(実施率)を病院ごとに比べました。

 その結果、実施率が9割近くに迫る病院に対して、1割を切る病院もありました。全病院での平均実施率は35.0%という結果で、術前検査の運用は病院によって大きく異なることが分かりました。

 例えば、感染症の検査が入院後にずれ込むと院内の安全管理上のリスクが高まることが避けられません。三浦はほかに、▽手術直前になって心不全などが判明して、手術中止につながりかねない▽心疾患など重大な併存症を見逃して、重度の合併症を引き起こしかねない―といった安全上のリスクを挙げています。
 
 一方、これらにかかわらず何らかの検査に掛かった費用を比べると、一症例につき平均1万6000円近くを掛けている病院もありました。これに対し、一症例当たりの費用を2000円未満に抑えているケースもあり、ここでも病院間の格差が目立ちました。全病院での平均金額は7194円でした。

 これらの分析結果を踏まえて三浦は、「医療安全上の観点からだけでなく、外来と入院の双方で単価が伸び悩んでいる病院では、(検査の運用体制の見直しは)優先順位を上げて取り組むべき課題だ」と指摘して、「入院サポートセンター」を立ち上げるなど、病院による組織的な対応を呼び掛けています。

※ 今回の分析は、GHCが発行する月刊「メディ・ウォッチ」(会員向けのPDFレポート、毎月10日発行)の2014年12月号に掲載されています。

分析条件


【対象期間】14年4-6月の退院症例(同年1月以降に入院)
【対象症例】
●様式1:予定入院(100)、院外からの入院(入院経路1、4、5)
※ 全身麻酔を実施した症例(「閉鎖式循環麻酔」で判断)
※ 入院8日目までに手術を実施した症例(輸血のみは除く)
●上記の期間にこれらが350症例以上ある120病院の7万566症例

分析結果のポイント


●「AST」(生化学検査・血漿たんぱく免疫学的検査)や「末梢血液一般」(血液学的検査・免疫血液学的検査)など計28通りの検査を、予定手術の症例に入院後、実施している割合が9割に迫る病院の一方で、1割を切る病院もあった。
●これらの検査の全病院での実施率は平均35.0%だった。
●これらにかかわらず何らかの検査に掛かった一症例当たりの費用(平均)を比べると、最高の病院では1万6000円に迫っていたが、最低の病院では2000円未満だった。
●全病院の平均では一症例当たり7194円掛かっていた。

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