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GemMed塾 「看護必要度」新制度シミュ―レーション

I群病院で、精神科の有無に着目した機能評価係数Ⅱを検討-DPC評価分科会

2015.1.26.(月)

 診療報酬調査専門組織のDPC評価分科会は26日、I群病院(大学病院本院)に関するあ特別調査結果等をもとに議論を行いました。そこでは多くの委員から「精神科の有無などを機能評価係数IIで新たに評価する」ことを検討すべきとの意見が出されました。

1月26日に開催された、「平成26年度 第8回 DPC評価分科会」

1月26日に開催された、「平成26年度 第8回 DPC評価分科会」

 この日は今後のスケジュールについても確認しており、次回以降、14年度改定後のデータを踏まえて算定ルールの見直し(たとえば再入院ルール)に向けた議論などを進めていく模様です。

I群病院の中で、精神科の有無に応じた評価を検討

 14年度の「特別調査」は、ヒアリングとアンケートの2つに分けて実施されました。このうちヒアリング調査は、(1)診療機能の一部を分院に移したり、(3)精神科がなかったりするI群病院(大学病院本院)や、(3)実際に選択したDPCコードとEFファイルから導いたDPCコードのかい離が著しいDPC対象病院から、実態を聴取する形で14年11月に実施されました。

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 (1)と(2)は、いずれもI群病院の定義付けに関連します。「一部の大学病院では、本院の機能の多くを分院に移し、機能の低い本院はI群のままで高い基礎係数を、機能を移した分院がⅡ群となりやはり高い基礎係数となっている。これを不公平と見る人もいる」との指摘があったことを受け、ヒアリング調査が実施されたものです。

 伏見清秀委員(東京医科歯科大学大学院教授)らは、「精神科の有無を含めて、I群の中で機能評価係数Ⅱによる独自の評価を検討してはどうか」との提案を行っています。精神科を整備していない場合には、整備済みの病院に比べて機能評価係数Ⅱの評価を低くしてはどうかとの考え方です。

 大学病院本院をI群として扱う形を16年度改定で継続させることが中医協でも了承されており、16年度改定ではI群の細分化はしません。しかし、大学本院が精神科を保有しているかどうかなどを機能評価係数Ⅱで評価することにより、不公平を是正することができそうです。

 この点について、厚労省保険局医療課の担当者は「財政中立の中で可能か計算してみなければならない」と前置きした上で、「機能評価係数Ⅱに『精神科』に関する新たな項目を設ける方法や、地域医療指数など既存の機能評価係数Ⅱの中で、『精神科』の評価を考える方法もある。地域医療指数などの評価方法はI群、Ⅱ群、Ⅲ群で異なっており、今回の提案はその発展形と考えることもできる」とコメントしました。

コーディング委員会の「毎月開催」も検討の俎上に

 (3)は適切なコーディングに関する調査項目で、かい離率の小さい病院では「適切なコーディングに関する委員会」を頻繁に開催していることなどが明らかになっています。

 この結果を受け、小山分科会長は「コーディング委員会は年2回以上開催することになっているが、足らないようだ。年12回の開催を求める必要があるかもしれない」と、毎月開催を視野に検討する考えを述べました。

 今後は、適切なコーディングを推進するため、間違えやすいDPC下8桁コードについて、コーディングテキストの中で適切な考え方を具体的に示したり、各病院のかい離率を通知して改善を促したりする方法も検討されるもようです。

 「不適切なコーディングを行う病院にはペナルティーを科してはどうか」との意見も一部にはありますが、厚労省の担当者は「EFファイルの入れ忘れといったケアレスミスもある。それを減算するのはいかがなものか」と慎重なスタンスで、ペナルティーが科されることは当面なさそうです。

DPCデータから『治癒』や『再入院』の実態を再分析

 ところでDPC制度のような包括支払い方式では、「粗診粗療」や軽症患者を選別する「クリームスキミング」などが生じる可能性があると懸念されます。そのため厚生労働省は、「退院患者調査」を毎年度実施し、患者が適切な治療を受けて退院しているか、不十分な治療によって予期しない再入院が増加していないかなどをチェックしています。

 2013年度を対象にした「退院患者調査」結果からは、▽「治癒」による退院が減少している▽予期しない再入院が増加している-ことが分かりましたが、分科会では「『治癒』は退院後の外来治療が一切ない状態と定義されており、何らかの外来通院の可能性があれば現場の医師は『治癒』とせず、『軽快』とする。『治癒』と『軽快』を合わせたものを1つのアウトカム指標としてモニタリングすることが妥当」との見解を示していました。

 しかし、中央社会保険医療協議会の総会で、「『治癒』と『軽快』は別個に定義付けられており、独立した指標として考えるべきだ」「『予期しない再入院』が増えており、平均在院日数の短縮は限界ではないか」といった指摘があるのを受けてこの日、あらためて検討を行ったものです。

 工藤翔二委員(公益財団法人結核予防会理事長)は、「内科系の疾患では、退院後も外来通院が必要なケースがほとんどで、『治癒』に該当するケースはまずない」と指摘しました。また、福岡敏雄委員(倉敷中央病院総合診療科主任部長)は「かつては完全に治るまで入院していたが、機能分化の推進によって急性期治療を終えた患者は転院・転棟するケースが増えている。その点を考慮しなければならない」との見解を示しました。

 これらの意見を受けて小山信彌分科会長(東邦大学医学部特任教授)は、「DPCデータやアンケート調査などを行い、内科、外科、小児などに分けて『治癒』や『予期せぬ再入院』の実態を洗い出してほしい」と厚労省に要望しました。このデータ分析を待ってから分科会で再度議論するため、中医協への報告には年度をまたぐことになりそうです。

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