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メディ・ウォッチはGemMed(ジェムメド)に生まれ変わりました 運営会社 GLOBAL HEALTH CONSULTING

「混乱招く」と医療需要の計算方法は全国一律に、地域医療構想ガイドラインの検討大詰め

2015.2.13.(金)

 きょう午前の速報でお伝えしました通り、12日に開かれた「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」で、高度急性期など医療機能ごとの境界となる点数が示されました。高度急性期と急性期の境界は3000点、急性期と回復期の境界は600点、回復期と慢性期・在宅医療等の境界は225点というものです。医療需要と必要病床数の計算方法を全国一律にする案について、検討会のメンバーからは地域特性を考慮するよう求める声もありましたが、厚生労働省は柔軟性を持たせることでの混乱を懸念し、全国一律の方針を貫く考えです。今回はもう少し詳しくこの点数設定の考え方を見てみましょう。

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高度急性期は3000点、急性期は600点、回復期は225点以上と厚労省が提案-地域医療構想GL検討会(速報)

 なお、GHCが発刊する「月刊メディ・ウォッチ」2月号では、高度急性期病床を最大13万床と試算しています。

高度急性期は3000点以上、急性期は600点以上、回復期は225点以上

 高度急性期から回復期までの医療需要については、入院基本料を除外した「1人1日当たりの医療資源投入量」に着目して境界点を設定します。具体的な点数は次の通りです。

(1)高度急性期と急性期の境界点は3000点

(2)急性期と回復期の境界点は600点

(3)回復期と慢性期・在宅医療等の境界点は225点

 (1)の3000点は、「救命救急病棟やICU、HCUに加え、一般病棟などで実施するような重症者に対する診療密度が特に高い治療」から「一般的な標準治療」へ移行する段階の医療資源投入量として設定されました。厚労省は、心不全患者における▽非侵襲的人工呼吸器▽心エコー・心電図▽観血的肺動脈圧測定▽胸部レントゲン▽点滴管理▽薬剤▽血液検査-の合計点数を例示しています。

 (2)の600点は、「急性期における治療が終了し、医療資源投入量が一定程度落ち着いた」段階の医療資源投入量として設定されました。厚労省医政局の北波孝・地域医療計画課長は、「具体的には『DPCの入院期間ⅡとⅢにおける全疾患の平均資源投入量』を入院期間ⅡとⅢの各患者数で加重平均した上で、NDB(ナショナルデータベース)のレセプトデータで補正した」と説明しました。

 また(3)の225点は、「在宅などでも実施できる医療やリハビリの密度」における医療資源投入量として設定されました。具体的には、▽補液▽点滴管理▽ドレーン-の合計点数から導いています。なお、回復期の医療需要には「退院調整などを行う期間」の需要も加味されます。

高度急性期、急性期、回復期、慢性期・在宅医療等の-各機能の境界に関する考え方

高度急性期、急性期、回復期、慢性期・在宅医療等の-各機能の境界に関する考え方

 医療需要の計算方法などは厚生労働省令で規定されるため、全国一律となります。中川俊男委員(日本医師会副会長)は「地域の柔軟性を認めるべきではないか」と質問しましたが、北波課長は「医療需要・必要病床数は全国一律の考え方で定めなければ混乱してしまう。地域医療構想の実現に向けた取り組みは地域で柔軟に策定・実行していただきたい」と答えました。

慢性期入院受療率の地域差縮小、目標は都道府県が設定

 慢性期・在宅医療等の医療需要(患者数)は、次の合計として推計します。

▽一般病床の障害者・難病患者(障害者施設等入院基本料、特殊疾患病棟入院料、特殊疾患入院医療管理料を算定している患者)(慢性期機能へ)

▽療養病床(回復期リハビリテーションを除く)に入院する医療区分Iの患者の70%(慢性期機能へ)

▽療養病床(回復期リハを除く)に入院するその他の患者(将来的に在宅医療等へ移行)

▽現時点で在宅医療を受けている患者(在宅医療等へ)

▽一般病床で1人1日当たり225点未満の患者(在宅医療等へ)

 なお、回復期リハビリテーション病棟入院料を算定している患者については、「回復期」の医療需要としてカウントします。

現在の療養病床入院患者の70%、一般病床における1人1日当たり225点以下の資源投入量の低い患者を、慢性期・在宅医療等の需要とする

現在の療養病床入院患者の70%、一般病床における1人1日当たり225点以下の資源投入量の低い患者を、慢性期・在宅医療等の需要とする

 ところで、慢性期の医療需要を考えるにあたっては、地域における入院受療率の差を縮小していく方針が固まっています。慢性期の入院患者のうち、相当程度は「在宅」などに移行できると厚労省が見込んでいるためです。入院受療率を縮小する手法として、厚労省はこれまでに次の2案を提示していました。

【A案】最も低い県(現在は長野県)の入院受療率(現在は122)を目指す

【B案】中央値(現在は213)を目指す

慢性期入院受療率の地域差を縮小していく手法2案、都道府県がA案とB案の間で目標値設定などを行うことに

慢性期入院受療率の地域差を縮小していく手法2案、都道府県がA案とB案の間で目標値設定などを行うことに

 12日の会合で、厚労省医政局の佐々木昌弘・医師確保等地域医療対策室長は「B案を含めて、A案からB案の間で都道府県が決めることとしてはどうか」との考え方を示しています。

都道府県間で流出入患者に関する調整が必要に

 こうした考え方に沿って、都道府県は構想区域ごとの医療需要を推計し、これを病床稼働率(厚労省は高度急性期75%、急性期78%、回復期90%、慢性期92%と提案)で割り戻して必要病床数を計算します。

 その際、都道府県間での患者の流出入が想定されることから、厚労省は「すべての都道府県間で調整することが望ましい」との考え方を示しました。特に流出入が多いと予想される▽東京▽大阪▽愛知▽福岡▽埼玉▽千葉▽神奈川-では、協議の必要性が高いと言えます。

各医療機能別の医療需要に対する医療供給(医療提供体制)の状況

各医療機能別の医療需要に対する医療供給(医療提供体制)の状況

 地域(構想区域)における機能ごとの必要病床数が定まったら、現在の医療提供体制を必要病床数に近づけていく取り組みが必要となります。厚労省は、▽医療機関の自主的な取り組み▽地域医療構想調整会議における協議▽地域医療介護総合確保基金の活用-によって、それぞれの地域が主体的に動くことを期待しています。

地域医療構想の実現に向けたプロセス

地域医療構想の実現に向けたプロセス

 構想区域は二次医療圏がベースとなりますが、仮に二次医療圏とは異なる構想区域を設定した場合、厚労省の北波課長は「18年の第7次医療計画策定の際に、構想区域に合わせて、二次医療圏を設定しなおしてもらう」と説明しています。