運営会社 GLOBAL HEALTH CONSULTING

病院が変化の先頭に立つために今できるたった3つのこと

2015.2.13.(金)

 2014年の「新語・流行語大賞」にもノミネートされた「2025年問題」。高齢者人口が労働者人口を上回り、医療・介護などの社会保障財政が崩壊する可能性を示唆するこの問題を受けて、政府は医療提供体制の大幅な見直しを推進しています。この大変革の中、いかにして病院は生き残ることができるのか―。

 GHCの冨吉則行マネジャーは、現代経営学の祖であるドラッカーの名言「変化はコントロールできない。できるのは先頭に立つことだけである」を引き合いに出し、変化に順応しようとばかりするのではなく、変化の先頭に立つ経営を心掛けることが重要だと指摘。そのため、病院経営において今やるべき最も重要な3つの視点を、11日に開催した経営支援ツール「病院ダッシュボード」の操作説明会で提案しました。

「自病院の方向性は今すぐ決めるべき」

 財務省は10日、14年12月末現在の国の借金が1029兆円になり、国民1人当たり811万円の借金を抱えている状況だと発表しました(関連記事『「国の借金」12月末は1029兆円 国民1人当たり811万円』※15年2月13日現在、掲載確認)。日本の財政状況は悪化の一途をたどっており、「2025年」に向けて、質の高い効率的な医療提供体制の構築が急がれています。病院がこの変革の中で生き残るためには、自病院のデータと地域のマーケットと需要のデータに真しに向き合い、地域の医療提供体制の中で「自病院がどのような役割を果たしていくべきかをできるだけ早く、できれば今すぐにでも決める必要がある」と、冨吉は強調します。

GHCの冨吉則行マネジャー

GHCの冨吉則行マネジャー

 とはいえ、都道府県が策定する「地域医療構想」(地域医療ビジョン)や診療報酬改定など国や自治体の政策動向を注視し、病院内外のデータをしっかりと分析し、自病院の目指す方向を決めるのは容易ではなく、また時間もかかります。ただ、病院が今すぐに取り組み、変化の先頭に近づくため確実に成果を上げられることがあります。

 それは、(1)外来の最適化(2)メディカルスタッフの生産性向上(3)手術室の効率的運用―の3つです。

データ分析なくして「2025年」の医療モデルはない

 いずれも「必要なときに、最適な医療を、適切な場所で、最少の費用で受けることができる」という国の有識者会議「社会保障制度改革国民会議」で決定された「2025年」の医療モデルに則したものです。また、これらはデータ分析により、着実に改善できることでもあります。

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 外来では、単価別の患者の分布がどのようになっているのかを分析することで、問題点を把握し、改善の道筋を示すことができます。例えば、外来単価5000円未満の患者の割合が多い病院では診察だけの患者が多く、「専門性の高い病院」にふさわしい外来にはなっていない可能性が高いと言えるでしょう。そうした場合には、単価の低い外来患者を地域の診療所などに逆紹介し、医師や看護師といった医療資源を入院や専門外来に集中させることを検討する必要があります。

 メディカルスタッフの生産性を向上させるためには、各種の加算を算定することの重要性を説き、誰が主体となって、どのように周囲を巻き込んで行うかがポイントになります。手術室の稼働状況についても、曜日や時間別のデータ分析、患者の入れ替えの時間に無駄がないかなどをチェックすることで稼働率を向上し、効率的な運用を図ることができます。

病院ダッシュボードの操作体験会を実施

 講演では、医療の機能分化を推進する上で重要な厚生労働省の関連検討会の最新情報や、病院の急性期機能を維持する上で欠かせない「重症度、医療・看護必要度15%以上」の基準をクリアするためのポイントなどを解説しました。その上で、こうしたコンサルタントの視点が「瞬時に分かる」をコンセプトに開発された病院ダッシュボードの操作方法を説明しました。詳細は次のPRサイトか動画をご覧ください。

◆病院ダッシュボードのPRサイト

解説を担当したコンサルタント 冨吉 則行(とみよし・のりゆき)

yuasa04 株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンのコンサルティング部門マネジャー。
早稲田大学社会科学部卒業。日系製薬会社を経て、入社。DPC分析、人財育成トレーニング、病床戦略支援、コスト削減、看護部改善支援などを得意とする。金沢赤十字病院(事例紹介はこちら)、愛媛県立中央病院など多数の医療機関のコンサルティングを行う。「コンサル視点が瞬時に分かる」をコンセプトに開発された次世代型病院経営支援ツール「病院ダッシュボード」の営業統括も務める(関連記事「病院が変化の先頭に立つために今できるたった3つのこと」)。