Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Search in posts
Search in pages
診療報酬改定セミナー2024 新制度シミュレーションリリース

優れた医療を日本に-全米屈指のクィーンズメディカルセンターでGHCが研修(1)

2015.2.17.(火)

 全米屈指の優良病院であるクィーンズメディカルセンター(ハワイ州ホノルル)で12-13の両日、GHCのコンサルタントが研修を受講しました。

 クィーンズメディカルセンターは、医療の質の高さに定評があり、米国で優れた病院として数多くの認証を受けています。特にがん治療では、優れた医療提供のほかに、患者・家族の心理的・経済的サポートを行う「キャンサーナビゲーション」を構築し、信頼を集めています。

 研修では、同センターのヴァイスプレジデント(VP)から(1)看護部門管理(2)労働生産性向上(3)キャンサーナビゲーション(4)がんの臨床指標-の4つのテーマについてレクチャーが行われました。研修に参加したGHCマネジャーの湯浅大介は「がん臨床指標の収集やキャンサーナビゲーションなど優れた部分を輸入し、日本の医療の質をさらに高めていきたい」と強調しています。

 メディ・ウォッチでは3回に分けて今回の研修内容を紹介します。

向かって右から、GHCマネジャーの井口隼人、社長の渡辺幸子、センターVPのDarlena Chadwick氏、CEOのArt Ushijima氏、VPのCindy Kamikawa氏、GHCコンサルタントの八木保、簗取萌、マネジャーの湯浅大介、会長アキよしかわの愛娘ミナさん

向かって右から、GHCマネジャーの井口隼人、社長の渡辺幸子、センターVPのDarlena Chadwick氏、CEOのArt Ushijima氏、VPのCindy Kamikawa氏、GHCコンサルタントの八木保、簗取萌、マネジャーの湯浅大介、会長アキよしかわの愛娘ミナさん

【関連記事】

医療スタッフの生産性向上は日本でも必須の課題に-全米屈指のクィーンズメディカルセンターでGHCが研修(2)

急性期505床に年2万5000人超が入院

 初回は、クィーンズメディカルセンターについて説明します。

 クィーンズメディカルセンターは、ハワイ王朝のエマ女王とキング・カメハメハⅣ世が1859年に設立した、オアフ島のホノルルにある総合病院です。急性期の病床数は505床にとどまりますが、平均在院日数はわずか5日程度で、年間の急性期入院症例数は2万5000人を超えます。日本では1000-1500床規模の病院に相当する医療を提供している計算になり、極めて密度が高く質の高い医療を、効率的に提供していることがうかがえます。救急受診患者数に至っては年間6万5000人を超えます。

 このように効率的な医療を担保するためにスタッフ約4700人(医師は約1300人)が従事しています。

 優れた医療機関を認証する米国のJC(Joint Commission)から認証を受けているほか、同じく米国で優れた看護師教育プログラムを提供する医療機関を認証するANCC(American Nurses Credentialing Center)のmagnet hospital(全米の6%の病院のみが取得)でもあります。さらに、CoC(Commission on Cancer、米国外科学会・がん委員会)からも優れたがん医療を提供する病院として認証されるなど、医療の質の高さには定評があります。

 ちなみに、JCの国際版JCI(Joint Commission International)では、日本の相澤病院や亀田総合病院が認証を受けています。

 同センターで提供されているがん医療を例にとると、患者に対して優れた治療を行うことはもちろん、患者・家族を心理的・経済的にサポートする「キャンサーナビゲーション」システムを構築しており、現在、ハワイ州のがん患者の45%が同センターで治療を受けています。同センターへの信頼の高さがうかがえる数字です。

 なおGHCでは2013年11月、同センターの上級副社長/最高執行責任者(COO)であるMark H. Yamakawa氏を招いて、「2014年度診療報酬改定セミナー激動の時代を生き抜くロードマップ~米国クィーンズメディカルセンターはいかにして時代に適応し進化したのか~」を開催しています。

クィーンズメディカルセンターの戦略とオバマケア

米国の医療ドラマ「ER」を彷彿とさせる救急外来

 GHCメンバーは研修初日に、同センターの救急外来、一般病棟、がんセンターを見学しました。救急外来では、米国の医療ドラマ「ER」を彷彿とさせる光景が広がっており、36の病床がフル稼働していました。

 一方でスタッフの手厚い配置に驚きも感じました。1部屋に必ず3人程度のスタッフがおり、一般病棟でも、患者2-3人程度に看護師1人が配置されています。ただし、次回説明するように、単に手厚い配置というわけではなく、「患者のケア時間当たりのスタッフ配置」を考慮した結果だという点には注意が必要です。

 研修では、次の4テーマについて同センターのVice Presidentから詳細な説明が行われました。

(1)Nursing management(看護部管理)

(2)Labor productivity management(労働生産性向上)

(3)Cancer navigation(キャンサーナビゲーション)

(4)Cancer Quality Initiative(がんの臨床指標)

 次回は、(1)の看護部管理と(2)の労働生産性向上に関する研修の内容をお伝えします。「患者のケア時間当たりのスタッフ配置」という概念にぜひ、注目してください。

診療報酬改定セミナー2024