ICUや救命救急の看護必要度、4月から新基準に-厚労省が注意呼び掛け
2015.3.5.(木)
2014年度診療報酬改定では、さまざまな経過措置が設けられました。例えば、特定集中治療室(ICU)では「重症度、医療・看護必要度」の取り扱いが見直されましたが、14年3月末時点で「特定集中治療室管理料」を届け出ていれば、15年3月末までは基準を満たしていると扱われています。したがって、特定集中治療室管理料を4月以降も算定するには、新たな基準を満たしていることなどを届け出なければなりません。
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厚生労働省は4月以降も引き続き点数を算定するために届け出が必要なものを次のように整理し、届け出漏れがないよう注意を呼び掛けています。
●入院基本料等加算
▽A234-2【感染防止対策加算1】
▽A245【データ提出加算】
●特定入院料
▽A300【救命救急入院料2】または【同入院料4】
▽A301【特定集中治療室管理料3】または【同管理料4】
●特掲診療料
▽K664【胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む)
▽K939-5【胃瘻造設時嚥下機能評価加算】
「特定集中治療室管理料3」と同管理料4では、ICU用の「重症度、医療・看護必要度」の評価票を使って入院患者の状態を評価し、「A項目3点以上かつB項目3点以上」の患者が8割以上入院していることが必要です。14年3月末時点でこの点数の算定を届け出ていれば、15年3月末まではこの基準を満たしているとみなされます。
「救命救急入院料2」と同入院料4は、同入院料1と3の施設基準だけでなく、特定集中治療室管理料の施設基準も満たさなければなりません。このため、上記と同様に15年4月以降は、ICU用の重症度、医療・看護必要度の評価票で入院患者の状態を評価し、「A項目3点以上かつB項目3点以上」の患者が8割以上入院していることが必要となります。
また、「感染防止対策加算1」を15年3月末までに届け出ている医療機関では、「院内感染対策サーベイランス(JANIS)など、地域や全国のサーベイランスに参加している」と見なされていましたが、4月以降は、サーベイランスへの参加が必須になります。
「データ提出加算」は、14年3月末時点で届け出ていたら、15年3月末までは改定前の対象病棟(7対1や10対1の一般病棟などに限定)のデータを提出すれば算定が認められましたが、4月以降は、原則として全病棟のデータ提出が義務となります。
厚労省によりますと、必要な届け出をしないと経過措置の対象となっていた点数は4月以降、算定できなくなり、別途、変更届が必要になります。