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14年10-12月の医療事故は755件、うち8.6%で患者死亡―医療事故情報収集等事業

2015.3.30.(月)

 日本医療機能評価機構が26日に発表した「医療事故情報収集等事業」の第40回報告書によりますと、2014年10-12月に報告された医療事故は755件、ヒヤリ・ハット事例は7813件に及びました。

 医療事故のうち65件(8.6%)は患者が死亡しており、80件・10.6%は患者に障害が残る可能性が高いことも分かっています。

【関連記事】

14年7-9月の医療事故は755件、ヒヤリ・ハットは7828件-医療事故情報収集事業

死亡事故が増加し、事故の8.6%に

 この期間に報告があった医療事故755件を事故の程度別に見ると、「死亡」が65件(全体の8.6%)、「障害残存の可能性が高い」が80件(同10.6%)、「障害残存の可能性が低い」が212件(同28.1%)、「障害残存の可能性なし」が193件(同25.6%)などとなっています。重篤な医療事故は前回(14年7-9月)に比べて、「死亡」は3.6ポイントも増加しており、「障害残存の可能性が高い」は0.9ポイントとわずかながら減少しています。報告書は3か月単位という短い期間の結果をまとめたもので、数値の変動が大きくなりがちですが、死亡事故の増加が気になるところです。

2014年10-12月の医療事故のうち、死亡は8.6%にのぼる

2014年10-12月の医療事故のうち、死亡は8.6%にのぼる

 また医療事故の概要を見ると、最も多いのは「療養上の世話」で273件(同36.2%)、次いで「治療・処置」218件(同28.9%)、「薬剤」62件(同8.2%)などと続いています。「治療・処置」における事故が前回に比べて6.4ポイント増えており、十分な対策が求められそうです。

2014年10-12月に発生した医療事故の概要を見ると、「療養上の世話」「治療・処置」「薬剤」」関連が多い

2014年10-12月に発生した医療事故の概要を見ると、「療養上の世話」「治療・処置」「薬剤」」関連が多い

 一方、事故の発生要因(複数回答)に目を移すと、医療従事者・当事者の「確認の怠り」13.9%、「観察の怠り」10.7%、「判断の誤り」10.0%などが多くなっています。ただし、患者側に起因する事故が11.9%と、明確な要因の第2位となっており、幅広い対策が必要と考えられます。

医療事故の原因としては、当事者の「確認怠り」「観察怠り」「判断誤り」や、患者に起因するものが多い

医療事故の原因としては、当事者の「確認怠り」「観察怠り」「判断誤り」や、患者に起因するものが多い

 事故に関連した診療科としては、整形外科が108件で全体の11.4%と最も多くなっています。整形外科で生じた医療事故の概要では、「療養上の世話」に起因するものが74件と最多で、整形外科における事故の68.5%、医療事故全体の9.8%を占めています。

ヒヤリ・ハットは薬剤関連が最多

 ヒヤリ・ハット事例については、14年10-12月の報告件数は7813件ありました。そのうち3666件について響度を見ると、「軽微な処置・治療が必要、もしくは処置・治療が不要と考えられる」事例が95.1%と大部分を占めていますが、「濃厚な処置・治療が必要と考えられる」が3.6%、「死亡・重篤な状況に至ったと考えられる」も1.3%あり、十分な注意が必要です。

2014年10-12月に報告されたヒヤリ・ハット事例のうち、もし実施されていたら死亡に至ったと考えられるものが1.3%ある

2014年10-12月に報告されたヒヤリ・ハット事例のうち、もし実施されていたら死亡に至ったと考えられるものが1.3%ある

 またヒヤリ・ハット事例7813件の概要を見ると、「薬剤」が最も多く3175件(ヒヤリ・ハット事例全体の40.6%)、次いで「療養上の世話」1435件(同18.4%)、「ドレーン・チューブ」1251件(同16.0%)などとなっています。「薬剤」に関連する事例が医療事故に比べて多い点が特徴です。

ヒヤリ・ハット事例の概要としては、「薬剤」が最も多い

ヒヤリ・ハット事例の概要としては、「薬剤」が最も多い

 事故の発生要因(複数回答)としては、医療従事者・当事者の「確認の怠り」(24.8%)が飛び抜けて多く、以下は「観察の怠り」9.3%、「判断の誤り」8.3%などと続きます。医療事故に比べて「確認の怠り」の割合が高い点が注目に値します。一歩間違えば大事故に直結する可能性もあるだけに、現場の業務フローをいま一度見直す必要があるかもしれません。

ヒヤリ・ハット事例の原因も、当事者の「確認怠り」が多い

ヒヤリ・ハット事例の原因も、当事者の「確認怠り」が多い

経験1年未満の看護師の事故防止、教育も重要

 報告書では毎回テーマを絞り医療事故の再発防止に向けた分析も行っています。特に「職場経験1年未満の看護師・准看護師」による医療事故やヒヤリ・ハット事例が多い点に着目した分析が、第37回から今回まで4回連続で行われています。

 医療事故の概要を、(1)職場経験1年未満の看護師・准看護師(2)職場経験1年以上の看護師・准看護師(3)全職種(2013年度)―で比べてみると、(1)の職場経験1年未満の看護師・准看護師では「薬剤」に起因する事故が圧倒的に多く、逆に「療養上の世話」「ドレーン・チューブ」が少ないことが分かります。

 技術が未熟なため、業務内容の構成がほかと違う点もありますが、薬剤に関する知識不足も大きな原因と考えられ、知識の向上に向けた医療現場での取り組みが急がれます。

職場経験1年未満の看護師・准看護師では、薬剤に関連する医療事故が多い

職場経験1年未満の看護師・准看護師では、薬剤に関連する医療事故が多い

 また報告書では、職場経験1年未満の看護師・准看護師で多いミス要因として、次のような項目を挙げ、注意喚起しています。

(1)知識(経験)不足

(2)基本的な手順の不遵守

・薬剤を投与する前には、処方箋との照合を行う必要がある

(3)思い込みによる安易な実施

・分からないこと、疑問に思うことを都合よく解釈し、確認するよりも行動に移してしまうことがある

・何か間違ったことをしたのではないか、指示を聞き漏らしたのではないかなどと不安になると、確認しないまま行動することがある

(4)行う「目的や根拠」と「行動(実施)」の乖離(かいり)

・使用する医療機器の構造を理解し、何の目的で使用するのか考えて使用する必要がある

・患者の状況を理解して行動するよりも、業務をこなさなくてはいけないという思いの方が強い可能性がある

(5)危険性の認識不足

・看護の学生教育や新人看護師の教育は「おむつ交換の方法」「清拭の方法」という「するための方法」だけでなく、危険を予防するという方向からの教育にもっと重きを置くべきかもしれない

(6)報告や相談ができない(しない)

・1人で任せられる業務が増えると、初期に比べ相談したり、質問したりしにくい時期かもしれない