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B型肝炎ワクチン、供給不足ない見込みだが、関係者は適正量の購入・使用を―厚労省

2019.8.27.(火)

 MSD社からのB型肝炎ワクチンが今秋頃から困難になるが、KMバイオロジクス社に「増産」を要請しており、供給不足は生じない見込み。ただし、1社供給となるため、関係者(卸売販売業者や医療機関)は適正量の販売・購入・使用等に協力してほしい―。

 厚生労働省は先ごろ通知「組換え沈降B型肝炎ワクチン(酵母由来)の安定供給に係る対応について」を発出し、都道府県や政令市などの担当者、全国の医療機関、医薬品卸売販売業者等に対し協力を呼びかけました(厚労省のサイトはこちら)。

 
 
 B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)によって引き起こされるウイルス性肝炎で、我が国では100-130万人がHBVに感染していると推計されています。

 ウイルスに感染した場合、やがて顕性(感染症状が現れた状態)・不顕性(感染しているが臨床症状がなく、健康にみえる状態)の肝炎を発症し、うち10-15%が慢性肝疾患(慢性肝炎、肝硬変、肝細胞癌)へ移行し、一部では急性肝炎、さらに劇症肝炎を発症。この場合の致死率は約70%とされています。

 B型肝炎の治療方法は進展していますが、「感染を防ぐ」ことが重視され、現在、B型肝炎ワクチンが定期接種化されています(2016年から、関連記事はこちら)。

 このB型肝炎ワクチンは、我が国では現在、KMバイオロジクス社(ビームゲン注)、MSD社(ヘプタバックス-II)の2社が製造販売の承認を受けています。

しかし、MSD社が「早ければ2019年10月以降、ワクチンの供給を継続できなくなるおそれがある」旨を厚労省に報告。厚労省は、KMバイオロジクス社に「ワクチンの増産」を依頼しています。

厚労省は「KMバイオロジクス社の増産分のワクチンが継続的に供給されることから、需要に大きな変動がなければワクチンが不足する懸念はない」としていますが、安定供給を確保するために、次のような点に留意するよう関係者に協力を求めています。

【卸売販売業者】
▽B型肝炎ワクチンが、当分の問、1社供給に変わることなどを踏まえ、「前年に他の卸売販売業者と取り引きしており、自社と取り引き実績がない医療機関」や「新規開設の医療機関」からのワクチン発注があった場合でも、「取り引き実績がない」ことを理由に不利になることがないよう配慮する

【医療機関】
▽必要量に見合う量のワクチンを購入する(大量購入等は控える)

▽0.25mLを注射する場合には、まずは0.25mL製剤の使用を検討するが、ワクチン供給実情等によりKMバイオロジクス社のビームゲン注0.5mLで0.25mLを注射する場合には、「一度針を刺したものは24時間以内に使用する」等の注意事項を遵守した上で、可能な限り2回使用するよう努める。一方、MSD社のヘプタバックス-II水性懸濁注シリンジ0.5mL1については、一度針を刺したものの残液はすみやかに処分する

▽3回の接種を同一の製剤で行うことが望ましいと考えられるが、1歳未満児においては、KMバイオロジクス社製のワクチン(ビームゲン注)と MSD社製のワクチン(へプタパックス-II) とを組み合わせて接種した場合の互換性は確認されている(「1歳未満児を対象とした『組換え沈降B型肝炎ワクチン(酵母由来)』の互換性に関する臨床研究」報告、2016年)ことを踏まえて、ワクチンを選択する

 
 
 なお、来年(2020年)9月前後にはKMバイオロジクス社で製造ラインのメンテナンス等が予定されており、「一時的に供給量が減少する」可能性があり、厚労省はMSD社の供給再開時期の見込み等の更新情報も踏まえ、来春(2020年春)までに改めて状況や必要な対応を明らかにする考えも示しています。

 

 

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